買収・崩壊・逆転…ハリウッド異変の2026年 勝者は誰だ?

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『007』が動き出す、アマゾンの本気

【興行トレンド】26年のハリウッドの注目トピックを3つにまとめた。

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1.どうなる? ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの身売り

25年12月5日、ネットフリックスはワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)を買収すると発表した。ワーナーの映画などを制作するスタジオ部門、ケーブルテレビ局「HBO」、動画配信「HBO Max」が対象で、買収額は720億ドル(約11兆1700億円)。報道の米CNNなどは分離し、買収対象に含まない。
12月8日、パラマウント・スカイダンスはWBDに対して買収提案をすると発表した。提案額は1084億ドル相当で、CNNを含む全事業を対象とする。ネットフリックスに対抗する形となる。26年に入ると、さらなる動きが出るだろう。
パラマウント・スカイダンスは25年8月にパラマウント・グローバルと映画製作大手スカイダンス・メディアが合併して誕生した。デービッド・エリソン最高経営責任者(CEO)は米オラクル会長のラリー・エリソン氏の息子で、両氏はトランプ大統領と関係が近い。トランプ大統領は12月7日、ネットフリックスによるワーナー買収について「市場シェアが問題になる可能性がある」と話している。

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2.『007』の新作製作の動きが加速?

NO TIME TO DIE

25年は『007』の新作に向けた動きがあった。22年、アマゾンはMGMを買収し『007』の過去作品の配給権を手に入れていたが、新作の企画開発は自由にできなかった。『007』シリーズのプロデューサーであるバーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンが製作の最終決定権を握っていたからだ。25年に入り、アマゾンMGMスタジオが両氏から製作決定権を取得した。
その後、新作のプロデューサーにエイミー・パスカルとデビッド・ヘイマンを起用した。パスカルは元ソニー・ピクチャーズのトップとして『007 カジノ・ロワイヤル』『スカイフォール』などを配給した経験を持つ。また、トム・ホランド版『スパイダーマン』シリーズやアニメ『スパイダーバース』シリーズをプロデュースして大ヒットさせた実績がある。一方、ヘイマンは『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』シリーズを世界的に大ヒットさせた実績を持つ。アマゾンMGMスタジオは、巨額の製作費がかかる大作の経験がある両氏に『007』の命運を託した。
さらに、監督にドゥニ・ビルヌーブを起用。ビルヌーブ監督は『デューン』3作目の製作に携わっており、完成後に『007』に取り掛かるとみられる。

3.アメコミ映画界の2大巨頭、マーベル対DCの行方

『スーパーガール』

25年公開のマーベル映画は2本。全米興収は『キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド』が2億ドル、『ファンタスティック4 ファースト・ステップ』が2億7400万ドル。対するDC映画は1本で、『スーパーマン』が3億5400万ドルをあげた。
『スーパーマン』は新生DCスタジオの第1弾。22年10月にDCスタジオのトップにジェームズ・ガン監督とプロデューサーのピーター・サフランを起用。25年に入り、ようやく新生DCスタジオの第1弾『スーパーマン』の公開へとこぎつけ、興行的に成功を収めた。
26年の対決の行方はどうなるのか。マーベル映画は『スパイダーマン ブラン・ニュー・デイ』『アベンジャーズ ドゥームズデイ』、DC映画は『スーパーガール』が公開される。『スパイダーマン~』は前作『ノー・ウェイ・ホーム』(21年)が8億1500万ドル、『アベンジャーズ~』は前作『エンドゲーム』(19年)が8億5800万ドルをあげ、歴代興収3位と2位の記録的大ヒットとなっている。シリーズの実績を見ると、マーベル映画2本に軍配が上がりそうだ。(文:相良智弘/フリーライター)