386億円の衝撃、アニメ一強時代が続く
【興収レポート】2025年の年間興行収入トップ10をまとめた。ひと際目立つのが邦画アニメで、ここ数年と同じ傾向だ。1位『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』、3位『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』、4位『チェンソーマン レゼ篇』と、トップ4作のうち3作を占めた。
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『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、2020年公開『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』(404.3億円)に次ぐ歴代興収2位。『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』はシリーズ3作連続で100億円を超え、前作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』(158億円)に次ぐシリーズ2位の興行成績となった。『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は3部作で製作される1作目であり、2作目、3作目の興行にも弾みがついた。

大ヒットアニメの定番となったのが、シネコンでの驚異的な上映回数だ。通常の作品は公開時、1日5回程度の上映だが、本作は10回以上が当たり前で、15回を超えるところもあった。
邦画実写では『国宝』の興収が181億円を突破。歴代興収ランキングで『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年公開、173.5億円)を超え、邦画実写歴代1位となった。

(C)2026 劇場版『TOKYO MER』製作委員会
邦画実写ではほかに、5位『はたらく細胞』、6位『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション』、9位『8番出口』と、計4本がトップ10入り。『はたらく細胞』は、ワーナー・ブラザース映画配給の邦画実写作品としては『るろうに剣心 京都大火編』(2014年、52.5億円)を上回り、最大のヒット作となった。
近年、邦画実写のヒット作は、人気マンガやテレビドラマの映画化が目立つ。『はたらく細胞』はマンガ原作、『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション』はテレビドラマの映画化だ。そんななか、異色作として注目されたのが、吉田修一の小説を映画化した『国宝』と、インディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATE氏が制作した無限ループゲームを実写映画化した『8番出口』である。

洋画でトップ10入りしたのは、アニメが8位『モアナと伝説の海2』、実写が7位『ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング』、10位『ジュラシック・ワールド 復活の大地』。『モアナと伝説の海2』は、前作(51.6億円)並みの大ヒットを記録した。2024年もディズニー配給のアニメは『インサイド・ヘッド2』が53.6億円、『ウィッシュ』が36.1億円とヒットしており、根強い人気を示している。

実写2本はいずれも人気シリーズだが、ヒットの度合いは対照的だった。『ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング』は、前作『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』(2023年、54.3億円)をやや下回ったものの、前々作『ミッション:インポッシブル フォールアウト』(2018年、47.2億円)を上回った。一方、『ジュラシック・ワールド 復活の大地』は、前作『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』(2022年、63.2億円)、前々作『ジュラシック・ワールド 炎の王国』(2018年、80.7億円)を下回る結果となった。(文:相良智弘/フリーライター)
[2025年の公開作ランキング]
1位『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』386億円
2位『国宝』181億円
3位『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』147億円
4位『チェンソーマン レゼ篇』98億円
5位『はたらく細胞』63億円
6位『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション』53億円
7位『ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング』52億円
8位『モアナと伝説の海2』51億円
9位『8番出口』50億円
10位『ジュラシック・ワールド 復活の大地』49億円
(24年12月~25年11月に公開された作品が対象。公開中の作品の興収は12月21日時点)
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