『ハリポタ』『DC』の行方は? Netflixとパラマウントがワーナー買収で真っ向勝負
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もしNetflixが勝てば“劇場→即配信”時代へ? ワーナー買収で変わる映画産業
来年3月発表の第98回アカデミー賞に向けての賞レースが始まる中、ハリウッドでは大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収をめぐってNetflixとパラマウント・グローバルによる争奪戦が白熱している。
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最初に契約を結んだのはNetflix。12月5日(現地時間)に同社がWBDのスタジオ部門を82.7億ドルで買収することで基本合意となった。
『バットマン』などのDCユニバース作品や『ハリー・ポッター』シリーズといった数々のWBD超人気作がNetflixで配信されることになる可能性が高く、映画ファンの間で大きな話題を呼んでいる。
が、そこに待ったをかけたのが、ワーナーと同じくハリウッド・メジャーのパラマウント・グローバル。こちらは映画・TVスタジオとHBOに加えて、報道チャンネルのCNNやTNTスポーツも含めたWBD全体を108.4億ドルで買うと、株主に直接提案した。1株あたりの値段もNetflix案(27.75ドル)より高い30ドル(現金)を提示している。
パラマウントがここまで強気のオファーを出すのは、同社CEOのデヴィッド・エリソン氏と彼の父親でオラクル創業者ラリー・エリソン氏がトランプ大統領の長年の支持者であることが大きいとされている。
トランプ大統領は過去に「ラリーとデビッドは私の大きなサポーターだ」と公言しており、買収審査を管轄する政府機関(司法省・連邦取引委員会)への影響力があるのではという憶測も出ている。
CNNはリベラルな報道で知られるが、パラマウント側は「CNNの抜本的な改革」を約束しており、トランプ大統領としばしば対立するCNNの報道姿勢を一新する可能性も示唆。この点から、ハリウッド関係者の間では「トランプ政権がNetflix案をブロックするのでは?」という見方が広がっている。
トランプ大統領は10日(現地時間)、「CNNの売却は絶対に必要だ」と強調し、パラマウントの提案を間接的に後押しする形となった。パラマウントの資金調達にはトランプの娘婿ジャレッド・クシュナー氏の投資会社アフィニティ・パートナーズや中東のソブリン・ウェルス・ファンドが関与しており、政権とのつながりが注目を集めている。
一方、Netflix側はパラマウントの提案を「想定内」として自信を示しているが、合意破棄時の解約料として58億ドルを支払うリスクを抱えている。
映画ファンの視点から見ると、Netflixの買収が成立すれば、大作映画でも劇場公開直後にNetflixの配信が行われることになりそう。その結果、現状でも苦境にある映画館の経営がさらに厳しくなる可能性は大だ。一方、ハリウッド・メジャーの映画会社であるパラマウントは「映画館で公開した後、一定期間を経て配信へ」という伝統的なスタイルを守るのではと見られている。
現時点でWBDはまだNetflixとの契約を優先しているが、数週間かけてパラマウントのオファーを検討中。さらに、どちらの案も独占禁止法の壁が厚く、政府の承認を得られるかが最大の関門となりそうだ。
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