「『国宝』まであと1100万人」山田裕貴&佐藤二朗、『爆弾』の“予言的ヒット”を語る

#佐藤二朗#山田裕貴#映画#爆弾

『爆弾』
(C)呉勝浩/講談社 (C)2025映画『爆弾』製作委員会
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裏話から家族エピソード、入場者特典&“爆弾”サプライズまで、熱狂の一夜に

映画『爆弾』が公開4週目を迎えた11月17日、ヒットを記念して主演の山田裕貴と佐藤二朗が登壇する「大ヒット爆発中!御礼舞台挨拶」が開催された。公開後だからこそ明かせる裏話の連続に、会場は終始大盛り上がり。入場者特典の“生解禁”発表に加え、客席に“爆弾”を仕掛けられた観客へ2人が感謝のプレゼントを手渡すサプライズも炸裂し、この日も“爆発的”な熱気に包まれた。

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主演であり、警視庁捜査一課・強行犯捜査係の刑事・類家を演じた山田裕貴は、「先週の金曜から3週目に突入して、またこうして舞台挨拶をできるということは、映画にとって、この映画を作ったここにいないすべての『爆弾』チームの人たちにとって一番喜ばしいことだと思うので、めちゃくちゃ嬉しいです。今日はありがとうございます。よろしくお願いいたします」と挨拶。

刑事たちを翻弄する謎の中年男・スズキタゴサクを演じた佐藤二朗も、「毎日もう10年くらい連絡を取っていなかった人からや、本当にすごい熱量の感想のメールが来て。今日幼馴染の中島というやつから連絡があって、『爆弾』を見たのかと思ったら全然違う用件でびっくりしました(笑)。それがびっくりするくらい毎日しかも長文の感想が来て、初めてですよ。『爆弾』チームにとっても、今年日本映画が元気ですごく嬉しい。その一言です」と、反響の大きさを語った。

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公開初週からの大ヒットを記念し、11月8日には大阪、9日には故郷・名古屋で舞台挨拶を行った山田。それぞれの地での反響について、「公開前から何度も言わせてもらっていたんですけど、この作品は『面白い』『『爆弾』見てないの? やばかったよ』と自然と広がっていくだろうなと予言していたのがもう当たりましたね」と話すと、佐藤が「あれ予言だったの?」と質問。山田が「霊感がちょっと働いちゃって」とスズキのセリフに掛けると、会場は笑いに包まれた。

さらに山田は、「ばあちゃんが数十年ぶりに映画館に見に来てくれて、『めっちゃ面白かった。取調室のシーンが本当によかった』と言っていました」と家族からのエピソードを披露。特に大盛況だった名古屋での舞台挨拶について、「名古屋の人たちがいい意味でおかしくて(笑)。ヘルシンキくらいみんなテンションが上がっていてびっくりしました」と佐藤に伝えた。

すると本編でスズキが被る中日ドラゴンズの帽子の話題へ。佐藤は「球団が許可を出してくださって、新規で(帽子)を作ってくれたんです。汚しをかけたりボロボロにしたりは作品の美術部の方でしたんですけど。『爆弾』という映画で、しかも狂気の役である僕が被るので、許可が出るかな?と思っていたら、許可してくださってありがたかったですね」と裏話を明かした。

SNSでは佐藤の怪演が著名人の間でも話題沸騰。周囲の反応について佐藤は、「永井監督もエゴサしながら晩酌するのが楽しみになっているとおっしゃっていて、伊藤沙莉も毎日エゴサして感想を読んでいると言っていました。SNSでいろんな考察やネットニュースでも毎日のように(この作品に関する)新しいニュースが上がっていて、本当に多くの人がこの作品を育てようとしてくれているなということを感じています」と喜びを語った。

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また、11月16日時点で観客動員100万人、興行収入14億円突破が発表された。今の心境を聞かれ、佐藤は「公開17日目でものすごいスピードと聞いています。日本映画にとって豊かな年になるのでは」と驚きを口にし、山田は「『国宝』まであと1100万人ということですね。映画館にたくさんの人が来てくれるというのは、どの作品でも嬉しいことですが、この作品は本当に可能性を感じられるので、もっと広がっていくと見ています。ようやく(この作品を)見た人たちから爆弾が仕掛けられていると思うのでここからだと思います。これも予言です」と笑いを交えつつ自信を見せた。

ヒットの要因を改めて問われ、山田は、「本当に二朗さんのタゴサクを目の前にして、こんなに素晴らしい俳優さんとやり合えるあの世界に入り込めたことは、僕の俳優人生にとっていい刺激、いい経験、いい学びをもらいました。みなさん生きていく上で怒ったり悲しんだりする日が来ると思うんですけど、類家とタゴサクの違いって、きっとそこで踏みとどまれるか踏みとどまれないか。もしこんなことが起こったと想像したときに、もしかしたらそんなに平和ではないのかもしれないということも含めていろんな見方ができるので、みなさんが何回も来てくださっているということは、ものすごく楽しんでくれているんだろうなというのを感じています」と語った。

佐藤は「僕はこの映画は可能性があると思うので、まだ途上にあると思っていて。なのでまだ答えを出すのは後にしたいのですが。2回目の人があんなに(会場の半数くらい)いて、3回目の人も結構いて。もちろん1人で見に行くのもいいんですが、終わった後誰かと話したくなるだろうなと。1人で抱えるには大変な映画なので、僕個人としては、大事な人と一緒に行ってほしいですね」と語った。

そして、爆発的大ヒットへの感謝として、11月21日より本作初となる入場者特典の配布が新たに決定した。今回配布されるのは、解禁時から「このビジュアルのムビチケもほしい!」とSNSで大反響を呼んでいた、山田演じる類家、伊藤沙莉演じる沼袋交番勤務の巡査・倖田、佐藤演じるスズキが描かれたポストカード全5種。スクリーンにビジュアルが映し出され、うち3種がスズキのデザインだと分かると、佐藤が思わずツッコミを入れ、会場は大爆笑に包まれた。

山田が「(スズキが出たら)当たりですよね? やっぱりこの映画はタゴサクの映画と言っても過言ではないですから」と呼びかけ拍手が巻き起こるも、佐藤は「そもそもこの作品にポストカードは違うよね? もし俺がこの3枚が出たらハズレだと思うね。山田裕貴ファンの方は類家が出るまで見に来てくださいね」と総ツッコミして会場を笑いに包み、この日一番の笑いをさらった。

『爆弾』

続いて話題は、豪華キャスト陣への賞賛が相次ぐ中でも特に絶賛されている、山田と佐藤が魅せる取調室での対峙シーンへ。本作で初共演となった2人だが、改めて共演について問われると、山田は「僕が主演となっていますけど、この映画の主人公はタゴサクなんですよ。プロデューサーが(原作者の)呉先生とお話ししたときに、最後に希望を持てるように終わってほしいというお話があったそうで。見ていただいた方はわかると思うのですが、(類家とタゴサクは)似たもの同士なんです。二朗さんとのセッションの中で、やりたくなっちゃったこともたくさんあったんですよね。取調室のあるシーンで、二朗さんが『あ、ムカつくな』とふと言ってくださったことがあって、僕は唯一タゴサクに腹を立たせないといけない役で、二朗さんがそれを行動で示してくださったので、それがものすごい嬉しかったです。二朗さんのタゴサクがいなかったら、この類家ができなかったんだなと思います」と、佐藤との思い出深い撮影を振り返った。

佐藤は「永井監督と裕貴と3人で飲んだんですが、監督は早々にタクシーで帰って、僕は寝て、一番若い裕貴がしっかりしていたので、また飲みましょうよということだけです」と照れながら述べたうえで、さらに「“抑制のきいた演技”は当たり前のようで難しい。ただ抑えるだけでなく、内に熱を宿していて。この作品の場合、罪のない人たちを1人も死なせてはいけないという悲壮なまでの覚悟の熱というか。原作の凄みを知っている俳優部1人ひとりがヒットに導いたんだと思っているので、その1人ひとりに敬意を表したいなと思います」と、全キャストへのリスペクトを込めて語った。

さらに、爆発的大ヒットを記念して、会場の観客に向けた“さらなるサプライズ”も用意されていた。会場内の1席に“爆弾”(を模したフィギュア)が仕掛けられており、観客たちは一斉に“爆弾”探しへ。見事“爆弾級の運”を引き当てた観客がステージへ登壇した。

突然のサプライズに震えながらも、「(今日映画を見たのは)2回目で、1回目は類家とタゴサクのやりとりに翻弄されたんですけど、2回目は清宮さんがすごく切なくて。タゴサクに最初に会ったときはにこやかだったのに、最後の最後の表情にとても切なくなりました」としっかりと感想を述べた観客に、2人も深く頷いた。

山田が「爆弾を見つけてくださってありがとうございます」と笑いを交えて労い、佐藤は「素敵な感想をありがとうございました」と直接感謝を伝え、オリジナルグッズを手渡すと、会場は大歓喜の渦に包まれた。

『爆弾』

舞台挨拶の最後には、山田と佐藤から観客へメッセージが贈られた。山田は「まずはこうして劇場に見に来てくださって本当にありがとうございます。(この作品は)まだまだ広がると思っています。これはまた僕のこういう言葉を聞いていないところで〈『爆弾』見た? まだ見てないよやばいよ?〉と広がっているような気がしています。ようやく種が芽を出し始めたくらいなんじゃないかなと本気で思っています。なのでみなさん、どうか『爆弾』を爆発させてあげてください。それ以上のことはみなさんが見て受け取ってくださっていると思います。自分もこれだけ面白い作品に携われることはなかなかないことだと思うので、いつまでも『爆弾』が見つからないままずっとずっと公開し続けてほしいなと思っています」と熱く語った。

続いて佐藤は、「2人で宣伝活動をする中で裕貴が本当に言っていたんですが、この作品は学校や職場で『見た?』『まだ見てないの、やばいよ?』という会話が自然発生的に広がってほしいという願望があったんですけど、本当にそうなっているのが嬉しくて。この年になったからだからかわかりませんが、この1年日本映画全体が盛り上がっていることがやっぱり本当に嬉しくて、ありがとうございましたと言いたいです。『爆弾』をみなさんの手で育てていただけたらなと思います」と力強く呼びかけた。

2人の真摯な言葉に客席は拍手喝采。キャストとスタッフが全身全霊で挑んだ『爆弾』への深い愛情と誇りが会場を包み込み、舞台挨拶は熱狂のうちに幕を閉じた。

『爆弾』は現在公開中。