髙橋海人のまっすぐな芝居と、普段のそぶりに永瀬正敏「かわいいなぁ」 『おーい、応為』公開御礼舞台挨拶レポート

#King & Prince#おーい、応為#永瀬正敏#髙橋海人

(C)2025「おーい、応為」製作委員会
(C)2025「おーい、応為」製作委員会
(C)2025「おーい、応為」製作委員会

江戸時代、破天荒な絵師・葛飾北斎と、彼の娘であり弟子でもあった葛飾応為。その才能と親ゆずりの豪胆さで、男社会を駆け抜けていった先駆的な女性アーティストの姿を描いた映画『おーい、応為』の公開御礼舞台挨拶が行われた。

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新暦で葛飾北斎の誕生日前日に行われた「男祭り」

10月30日にTOHOシネマズ新宿で開催された舞台挨拶には、葛飾北斎役の永瀬正敏、善次郎(渓斎英泉)役の髙橋海人、監督・脚本を務めた大森立嗣が登壇した。

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冒頭、永瀬は「実は明日が新暦で北斎さんの誕生日なんです。明日が本番なので、明日もぜひ劇場へお越しください」と笑顔であいさつ。

髙橋は「お忙しい中、“おーい、まさみさん”を見に来ていただいてありがとうございます!」と、前回の舞台挨拶で長澤まさみが投げかけた「おーい、海人!」の呼びかけにアンサーを送り、会場を和ませた。大森監督も「今日はまさみちゃんがいないから、いない時だと“まさみちゃん”って言えるんですよね」と笑いを誘い、「男祭りですが、楽しい話ができたら」と挨拶。

観客からの反響について、髙橋は「映画を見た母親が“色っぽかった“って言ってくれて、母親にそんなこと言われるのは不思議な感覚でした」と照れ笑い。

続けて「歳を重ねた善次郎の姿が、昔の父親にそっくりで。もしかしたら母がときめいたのかもしれないです(笑)」と場内を笑わせた。

撮影現場でのエピソードについて聞かれると、大森監督は「初対面のとき“自分の父親が小錦さんに似ていて”と言われて、それからしばらく海人くんの顔をちゃんと見られなかった」とユーモアを交えて振り返りつつ、「現場では本当にフランクで、あまり細かいことは言わず、俳優自身が選び取っていく空気を大事にしていました」と語る。

髙橋も「監督は現場に迷い込んじゃった近所の方みたいで(笑)、とても話しかけやすい方でした」と返し、永瀬も「本当に監督は話しやすい雰囲気を作ってくださる方」と頷いた。

共演を通して感じたことを聞かれると、髙橋は「お二人と近くで芝居をして、演じきるというよりその人の歩んできた人生が背中に見える時こそ艶っぽいと思いました。自分もそういう経験を積みたい」と真摯に語った。永瀬はその言葉にうなずきながら、「彼の芝居ってすごく真っすぐなんですよ。迷いがなくて、どの瞬間も生きている感じがある。そういう姿を見ると、こちらが刺激をもらえるんです」と目を細める。

そして「若いキャスト、若いスタッフがまた映画をやりたいと思える現場でありたいし、さっきも海人くんが半歩前に出て挨拶しているのを見ると、かわいいなぁって思ってしまう」と柔らかく笑い、「現場でもずっと可愛く思っていました」と、父のようなまなざしで振り返った。

北斎と応為の親子に寄り添う善次郎を演じた髙橋は、「絵を描くために生きる2人と、生きるために絵を描く善次郎。真逆なんですけど、2人を見ていて救われた気がします」としみじみ。

永瀬も「新しい風を吹かせてくれる存在で、そういう役って演じるのがすごい難しいんですけど、すごく上手く演じてくださって、そこから生まれる空気感が良くて、ついアドリブも出ちゃいました」と明かした。

最後のあいさつでは、大森監督が「もう何度もご覧になっている方もいらっしゃると思いますが、見れば見るほど味が出てくる映画です。初めての方は、この人は一体なんなんだろうという視点で見ていただくと、よくわからないけど面白い人間たちが浮かび上がってくると思います。そんなふうに楽しんでもらえたら嬉しいです。」と笑顔で呼びかけた。

髙橋は「どうか思い思いに楽しんでください。すごく静かな映画なので、ポップコーンを食べる音を気にされる方もいるかもしれませんが、周りに気を配りつつぜひ食べてください(笑)。当時の暮らしをのぞき見するような感覚で、皆さんの生活のお守りみたいなものを見つけてもらえたら嬉しいです」と明るくメッセージを寄せ、場内を和ませた。

最後に永瀬が「だんだん寂しくなっちゃうんですよね。監督にもうあと何回会えるかなとか、海人くん、まさみさんに会えなくなるのかなとか思ってしまう。でも、そう感じられる映画に出会えたことが幸せです。もしかしたらまた“おーい、まさみさん”も含めて、こうして皆さんの前に立てる機会があるかもしれません。ぜひ明日も劇場へ来てください」と語り、挨拶を締めくくった。

『おーい、応為』は現在公開中。