眞栄田郷敦「舘さんみたいな大人になりたい」 主演・舘ひろしへの尊敬と憧れを胸に挑んだ『港のひかり』

#映画#港のひかり#眞栄田郷敦#舘ひろし#藤井道人

『港のひかり』
(C)2025「港のひかり」製作委員会
『港のひかり』
『港のひかり』
『港のひかり』

「男が惚れる男性」と語る舘ひろしとの再共演、師弟のような絆がスクリーンに宿る

藤井道人監督最新作『港のひかり』より、主演・舘ひろしと共演・眞栄田郷敦のスペシャルインタビュー&撮り下ろし写真が解禁。互いへのリスペクトと撮影秘話を語る。

・舘ひろし、7年ぶりの単独主演! “誰かのために生きる強い男”を演じる時、舘が見る背中は…

本作は、元ヤクザの“おじさん”と、両親を事故で失い、視力を失ってしまった不遇の少年との10数年間の友情を描くものがたり。親子以上に年齢が離れ、出自も全く関係がなかった2人の交流を通して、たとえ血のつながりはなくても、「誰かのために生きる」という自己犠牲の精神をベースにした感動エンタメ大作となっている。

元ヤクザの“おじさん”三浦を演じたのは、長年スターとして銀幕を彩り、唯一無二の存在感で多くの人々を魅了してきた名優・舘ひろし。そして三浦と心を通わせる幸太の成長した姿を演じたのが、『ブルーピリオド』(24年)『ババンババンバンバンパイア』(25年)『カラダ探し THE LAST NIGHT』(公開中)など、話題作への出演が絶えない若手実力派俳優・眞栄田郷敦。本作では、『ゴールデンカムイ』(24年)以来となる再共演が実現した。

『港のひかり』

舘は「とにかく眞栄田くんとぜひ一緒にやりたいと思っていたので、大変幸せでした」と、眞栄田との再共演を待ち望んでいたそうで、「本当に眞栄田くんというのは目の表現が素晴らしくて、俳優さんとしてこれからどんどんスターになっていく方だと思っております」と、絶大な信頼を寄せる。

その言葉に「嬉しいです」と喜びを噛みしめながらも、眞栄田は「『ゴールデンカムイ』で共演させていただく前から感じていたことですが、やっぱり男が惚れる男性だなって。もちろん女性もそうだと思うんですが、本当にカッコ良くて、渋くて、舘さんみたいな大人になりたいなと感じました。腰が低かったり、周りへの思いやりがあったり、人としてもすごく尊敬しています」と、あふれる思いを語る。

元ヤクザの三浦と、両親を失った盲目の少年・幸太。心を通わせ、共鳴し合う孤独な2人の深い絆が見る者の胸を打つ感動の物語が描かれる本作。前回共演を果たした『ゴールデンカムイ』とはまったく異なるジャンルの作品での再共演となったが、舘は「僕は他の方のお芝居をどうこう言える立場ではないのですが」と前置きしつつも、「眞栄田くんのお芝居を見て、どんどん触発されて、すごくいい刺激を受けました」と回顧。

対する眞栄田は「僕は青年時代からの登場だったので、想像でしか自分は(キャラクターを)作れなかったんです」と振り返りながら、「でも、舘さんご本人が持っている温かさや優しさ、強さという部分がすごく大きく、自然と“(舘が演じる)おじさんはこういう感じで接してくれていたのかな”というのがすごく想像しやすくて。舘さんのおかげで、自然と気持ちが動いたかなと思います」とコメントし、相思相愛ぶりを垣間見せた。

『港のひかり』

そんな両者の“化学反応”にも期待が高まるが、舘が藤井監督とタッグを組むのは、『ヤクザと家族 The Family』(21年)以来二度目、一方の眞栄田は本作が初となる。

本作について舘は「とにかく藤井監督の力を感じました。本当に力強い作品になっていると思います」と振り返り、眞栄田も「あまり最近見たことがないような作品だなと思いましたし、すべての登場人物が輝いている印象でした」とその魅力を語る。

本作では、黒澤明監督の『用心棒』(61年)や『隠し砦の三悪人』(58年)などで撮影助手を務め、キャメラマンとして独立後は『鉄道員(ぽっぽや)』(99年)など、日本を代表する名作を手がけてきた巨匠・木村大作がキャメラマンとして参加するという新たな試みも行われた。

舘は「今回はキャメラマンが木村大作さんなので(現場に)モニターがなかったんですね」と現場の様子を明かしながら、「藤井監督はモニターのない演出を初めてされたんじゃないかなと。そういう意味では監督がご苦労をなさったかもしれないのですが、その分、今までの藤井監督とは違った作品が生まれてきたんじゃないのかなと思います」とコメント。その言葉からも、これまでの藤井監督作品とは一線を画す特別な一本であることがうかがえる。

さらに眞栄田は「監督の中でのイメージがすごくはっきりされているのかなという印象もありましたが、本当に柔軟にいろいろとご相談させていただける監督だなと。気持ちと表現の部分のバランスを良い塩梅で調整してくださる方だなと思って、心強かったです」と、初参加となった藤井組から受けた刺激を明かしている。

『港のひかり』は2025年11月14日より全国公開。