阿部寛「久々のみじめな男」で原点回帰!? 映画『俺ではない炎上』公開前日祭レポート

#なにわ男子#長尾謙杜#阿部寛

(C)2025「俺ではない炎上」製作委員会 (C)浅倉秋成/双葉社
(C)2025「俺ではない炎上」製作委員会 (C)浅倉秋成/双葉社
(C)2025「俺ではない炎上」製作委員会 (C)浅倉秋成/双葉社

作家・浅倉秋成によるベストセラー小説を実写映画化した『俺ではない炎上』。公開前日にあたる9月25日には丸の内ピカデリーにて公開前日祭が実施され、主演の阿部寛、共演の芦田愛菜、藤原大祐、長尾謙杜、夏川結衣、そして山田篤宏監督が登壇した。

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阿部寛は「HIROSHI ABEな人」?

ステージ両脇に大炎上をイメージしたスモークが激しく焚かれる中、ある日突然SNS上で炎上&殺人事件の犯人に仕立て上げられた男・山縣泰介を演じた阿部は「最近僕はカッコいい役が続いていて久々のみじめな男でしたが、どうでしたか?」とひとこと。

満席の会場から拍手喝采を浴びつつ「撮影は1年ほど前に行われ、監督に相談しながら、色々な人に助けられながら完成させました」と念願の初日を前に挨拶した。

シリアスでありながら、どこか滑稽にも見えてしまう泰介の逃亡劇だが、阿部は「真剣にやればやるほどおかしいかなと思って、余計なことをせずにただガムシャラに逃げました」と明かし「みじめな感じはここ10年くらいやってこなかったので、これからどんどん増やします」と原点回帰を宣言した。

またパンツ一丁での逃亡シーンについては「さすがに寒かったので当日までは『上は着ていいですよね?』と断ろうと思っていました。でも監督からはダメだと言われて…」と苦笑いで熱演の舞台裏を報告した。

炎上した泰介を追う謎の大学生・サクラ役の芦田は、予告編の段階で「あんたが諸悪の根源だろうが!」と声を張り上げるシーンが強い印象を残した。

芦田は「日常生活でも役でも、あそこまで激高することはありません。物語的にもクライマックスに来ていてどこまで迫力と感情をぶつけられるかを考えました」と狙いを口にすると、阿部は「とある深夜ドラマで芦田さんが説教しているシーンを見て、それが僕は好きだったので久々にキタッ! と思いました」と太鼓判を押していた。

最初に事件の投稿を拡散した大学生インフルエンサーで、サクラと一緒に泰介を追う住吉初羽馬役の藤原は、演じる上では「ウザさ」を意識したという。「カットがかかるたびに監督に『今のウザかったですか?』と確認していました」と振り返ると、山田監督は「ばっちりウザくてありがたかったです」と喜んでいた。

泰介の取引先シーケンLIVEに勤務する若手社員・青江役の長尾は、阿部との初共演の印象をこう振り返った。「阿部さん、大きいなと。わかってはいたけれど、改めて生で見ると本当に大きいんだという感想が第一にありました」と阿部と共演に感動した様子だ。

泰介の妻・山縣芙由子役の夏川は「芙由子は芙由子なりの嘘をつきながら刑事と対峙しているわけで、言っていることと思っている事がちぐはぐだったりする。ちょっとわかりづらい感じ。そこを狙いました」と役作りを明かしていた。

フリップトークでは、それぞれが思う阿部像を「○○な人」として発表。

芦田から「ストイックな人」と言われた阿部は「まあ、そうですね」と満更ではない様子。

藤原からリスペクトを込めて「HIROSHI ABEな人」と言われると「鋭いですね。HIROSHI ABEな人の表現は合っています。親しくなるほど若い子とかによく“HIROSHI”と呼ばれますから」と納得していた。

長尾は「ゆっくりな人」と表して「僕のグループのメンバー(なにわ男子)は関西の人たちなので結構早口で。阿部さんと現場でお会いすると凄くゆっくりなので聞き取りやすかったですし、大人の余裕だなと思いました。一度阿部さんがエミネムみたいに早口でしゃべるのを見てみたいです」と笑わせた。

阿部は「一緒に車に乗っている時に、僕を乗せているから緊張していたのかミスったりして。チャーミングでした」とニコリ。

これに長尾は「めっちゃ緊張しました。普段車を運転することも少ないし、小さい頃からテレビで見ていた方を助手席に乗せて運転することってないから。横を見たらHIROSHI ABEが座っているわけですからね」と恐縮しきりだった。

夏川は阿部からの差し入れなどの現場での気配りを評して「ぬくもりの人」、山田監督は大物然としない現場での真剣な立ち振る舞いから「真面目な人」と阿部を表した。そんな中、阿部は自らを「ステキな人」と表して「これを言われるのが一番嬉しい。街中で遠くから言われたりすると『雰囲気がいいのかなあ』と嬉しくなるから」とニヤリと解説していた。

最後に山田監督は「本番は明日からです。SNSをテーマにした内容ですが、色々な世代の方に楽しんでいただけるはずです。最後まで止まらず飽きずに見ていただける映画になったと思います。SNSでつぶやきやすい内容だと思うので、炎上とは言わず大きなバズを作っていただきたいです」と大ヒットを祈願した。

主演の阿部は「過酷な撮影でスタッフの方も浜松にこもってやってくださいましたが、街の方々のご協力も含めて、そういった雰囲気が力をくれました。駐車場のおじさんが優しくて、毎日何かを買って来てくれる。そんな中で街ぐるみで撮影を行っていました。監督も相談すると自分の中で考えて、こうしましょうと言ってくれる。これからを背負う監督だと思うので、今後もご一緒したいです。そして皆さんが楽しんでくれたので、今後もこのような役を増やします。今日はありがとうございました!」と会場に呼び掛け、盛大な拍手に包まれながらイベントは終了した。

『俺ではない炎上』は現在公開中。