岡田将生「30年後は佐藤浩市さんのような俳優に」 『アフター・ザ・クエイク』舞台挨拶で未来の夢を語る

#アフター・ザ・クエイク#井上剛#佐藤浩市#岡田将生#村上春樹#渡辺大知#鳴海唯

『アフター・ザ・クエイク』
(C)2025 Chiaroscuro / NHK / NHKエンタープライズ
『アフター・ザ・クエイク』
『アフター・ザ・クエイク』
『アフター・ザ・クエイク』
『アフター・ザ・クエイク』
『アフター・ザ・クエイク』
『アフター・ザ・クエイク』

満員御礼の舞台挨拶に岡田、佐藤浩市、鳴海唯、渡辺大知が登壇

作家・村上春樹による短編集「神の子どもたちはみな踊る」を原作にした、映画『アフター・ザ・クエイク』。9月9日にはテアトル新宿で舞台挨拶付きプレミア上映会が実施され、出演者の岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市、そして井上剛監督が登壇した。

・のん“かえるくん”&佐藤浩市、歌舞伎町の裏路地で30年ぶりの再会! 幻想と現実が交錯する映像世界

満員御礼で迎えたこの日、岡田は隣に立つ佐藤について「個人的なことですが、浩市さんと僕のデビューの映画での初めての舞台挨拶以来、こうして並ばせてもらうことにとても緊張しています」と感慨無量。

これに佐藤は「そっか、岡田君があの時は16、7歳? 早いものですね~」と目を細め、「なぜこんなしっとりした個人の話をしているのだろうか…」と照れ笑いを見せた。

『アフター・ザ・クエイク』

村上春樹による短編連作を実写化した井上監督は、「読者が世界中にいて、それぞれの独特な読後感があって、それを裏切らないようにしたかった。震災そのものを扱うのではなく、そこから距離を置いている人を描いていて、そこに興味を持った。色々なイマジネーションを使って全スタッフ・キャストで取り組みました」と狙いを語った。

1995年のパートで小村を演じた岡田は、「一言で言うと、意志がない男。台本を読みながら、この男はどこまで流れていくのかと思った。そして辿り着いた先で彼の瞳には何が映るのだろうかと思いながら演じました」と役柄を紹介。

さらに、村上作品特有のセリフについて「村上さんの言葉が力を持っているので、自分でも発したいと思わせてくれる台本でした。その言葉をどこか違和感を持ちながら演じるのが正解だろうと思った」と述べた。

鳴海は、同じ兵庫県出身で憧れの俳優・堤真一との初共演について「インタビューでも大好きな俳優さんとして堤さんの名前を挙げていたくらいリスペクトしていて、こうしてしっかりとお芝居が出来て嬉しかったです」と大感激。

『アフター・ザ・クエイク』

宗教二世を演じた渡辺は、「信じる、疑う、祈るとはどんなことなのか。監督と一緒にそんなことを考えました。ストーリーというか、観念的なことを監督と話し合い、それが演じる上での糧になりました」と役作りを明かした。

2メートルを超える“かえるくん”と対峙した佐藤は、「普段から人の芝居を見ていないので、何が来ようが変わりませんね!」とジョークを飛ばしつつ、「かえるくんの中にいる人も、カメラの横でセリフを言ってくれた人も一生懸命にやってくれました」と感謝を表した。

俳優・のんが声を務めたかえるくんについて井上監督は、「読者の方から“どんなカエルを出すのか?”と言われると思ったので、そこは頑張りました!」と見どころに挙げた。

さらに本作の内容にちなんで「30年後の夢」を発表。佐藤は「30年後? 俺は95歳だよ!?」と笑わせつつ、「まあ、ね。たぶん一人で芝居をやっているのでは?」と生涯現役を宣言。

井上監督は「健康だったらいいな」、渡辺は「お世話になった人や好きな人に会いたいと思った時にいつでも会えるような状態でいたい。そうすれば素敵な65歳になれている」、30年後57歳の鳴海は「日本と北欧エリアで二拠点生活をするのが夢の一つです」と語った。

一方、岡田は「これはボケた方が良いの? 真面目に言った方が良いの? ま、ま、ま、真面目で良いの?」と動揺しながらも、「真面目に言うと、日本を代表する浩市さんのような第一線の俳優になっていたい。ずっとこのお仕事を続けられていたら」と宣言。

これに佐藤は「それはボケだろ!?」と笑いながらも、「まだ彼が16、7歳の頃に20年後の今こうなっていて欲しい気持ちはあったけれど、それが叶うかどうかは本人の努力次第。それを今こうして叶えている彼がそう仰るならば30年後も叶えられるのではないかなと。やはり本人の努力です」とエールを送った。

『アフター・ザ・クエイク』

最後に佐藤は「短編集の中でなぜこの3エピソードで、なぜ『かえるくん、東京を救う』が後日談になっているのか? それは本編を見ていただければわかります。そこからそこはかとなくリンクする匂いを感じ取ってもらえたら嬉しいです」と期待を寄せた。

井上監督も「阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件の1995年から始まる物語で、そこからの30年の日本の色々な節目を描きました。物理的に地下で起きたことと、ここにいる4人のキャラクターの無意識の地下に潜っていくようなお話です。それを体感してもらえたら」と呼び掛けた。

『アフター・ザ・クエイク』は2025年10月3日より全国公開。