『ねむれ思い子 空のしとねに』の栗栖直也監督が9年ぶりに放つ短編アニメ
今昔物語の一編をモチーフに美しき平安の悲恋を描く怪談3DCG短編アニメ『後朝の花雪(きぬぎぬのはなゆき)』が公開されることが決定。ポスタービジュアルと予告編、場面写真が解禁された。
・【動画】美しき平安の悲恋を描く怪談アニメ/映画『後朝の花雪』予告編
・平安の悲恋を描く怪談3DCG短編アニメ『後朝の花雪』の場面写真をすべて見る
千年前の京都。かつて捨てた女の家をふと尋ねた時正は、その館の中で朽ちずに残っている女の骸(むくろ)と、あたりを漂う不気味な光を目撃する。自分を恨んで死んだ女の祟りを恐れ、時正は陰陽師・賀茂忠行の元を訪れるが…。
本作は、3DCGアニメ『ねむれ思い子 空のしとねに』(16年)をただ一人で制作し、世界的にも高い評価を受けた栗栖直也監督による、9年ぶりの最新短編アニメ。今回も膨大な作業量を要する3DCGアニメをあえて選び、平安時代の怪談に挑戦している。徹底した時代考証のもと描かれる世界は、誰も見たことのない平安絵巻となっている。公開は現代語版だが、その後には古語版(当時の言葉)も発表予定という徹底ぶりだ。
近年の栗栖は、東京国立博物館シアターや京都御苑資料館VRシアターなどで歴史衣装再現CGを担当するほか、初音ミクのライブ映像も手掛け、その実力は常に高く評価されている。美しくも切ない情念の世界を、ぜひ堪能してほしい。
■諏訪道彦(『名探偵コナン』初代プロデューサー/アニメプロデューサー)コメント
訳あって女を捨てた男の行く末と、捨てられた女の純粋すぎる心。
そうなんだ、そのどちらも今の時代に見ないものなんだ。
ダークに見えてまさにピュアな現代の御伽草子。
作画や音響はその時代を微に入り細に入り映し取っていて見事。
その上で見るものに伝えたいエネルギーをかぶせてる。
大切にしたい作品ですね。
■栗栖直也監督ステートメント
おそらく学校で習うこともあるのでしょう、一般に平安時代と言えば「源氏物語」に代表される王朝文学を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。もちろん「源氏物語」が素晴らしい作品であることに異論はありませんが、庶民から徴収した税で安穏と生活しつつ、女性を口説くことばかりに執心する上流貴族達の日々が、当時の代表的イメージであることに常々違和感も感じておりました。
そんな思いもあり、私の初作品『文使』では白拍子と牛飼童という「貴族でない男女」の恋を奇譚として描き、ありがたいことに多くの方に楽しんでいただけました。
その後はもう一つの私の柱であるSF作品(『ねむれ思い子 空のしとねに』)を形にしたのですが、その制作中もずっと「次はまた時代物を作りたいな」という思いが強く、今回初作品から20年ぶりの平安短編『後朝の花雪』という形で結実いたしました。
古典文学の中でも庶民が多く登場する「今昔物語」の一編を脚色し、下級貴族の恋模様を怪談という形で描いた本作が、また平安時代の違った一面を皆様に感じていただける機会になれば本当に嬉しいです。
『後朝の花雪』は2025年10月17日より全国順次公開。同時上映『ねむれ思い子 空のしとねに』デジタルリマスターバージョン。
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