山田裕貴の“本当にキモい”秘書役を古田新太が絶賛! 『ベートーヴェン捏造』製作報告会見

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『ベートーヴェン捏造』
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『ベートーヴェン捏造』
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『ベートーヴェン捏造』

現代日本の中学生が想像した“ウィーン”を舞台に描く、異色の伝記エンターテインメント

『ベートーヴェン捏造』の製作報告会見が8月6日に開催され、主演の山田裕貴をはじめ、共演の古田新太、脚本を手がけたバカリズム、そして関和亮監督が登壇。本作の誕生秘話や見どころ、撮影中のエピソードなどを語り尽くした。また、会見中には本作のメインテーマ曲および本予告映像も解禁。「ベートーヴェンはロックである」と語る音楽家・清塚信也による演奏で、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第23番「熱情」第3楽章がメインテーマ曲に決定した。

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本作は、19世紀ウィーンで巻き起こった音楽史上最大のスキャンダルの真相に迫った歴史ノンフィクション「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」の実写映画化。ベートーヴェンへの愛が重すぎる、忠実なる秘書シンドラー役に山田裕貴。シンドラーから熱烈に敬愛されるベートーヴェンを古田新太が演じる。

楽曲を使用した本予告映像は、現代日本の中学校で音楽教師が生徒に語りかけるシーンから始まる。これまで触れられてこなかった「なぜ、近代ヨーロッパの人物たちを日本人が演じているのか?」という設定について、本作では、山田裕貴が演じる中学校教師・黒田が語る話をきっかけに、生徒である中学2年生が想像を膨らませた“彼の頭の中のウィーン”で物語が展開していることが明かされる。

ベートーヴェンに強い想いを抱くがゆえに、周囲の人々や当のベートーヴェン本人からも煙たがられるシンドラー。それでも彼は、「己が信じる天才像」を創り上げることを決意する。その歪んだ愛と狂気が、ベートーヴェンのドラマティックな楽曲とともに頂点に達したとき、音楽史上最大のスキャンダルが巻き起こる——。

「現実なんてどうでもいい。理想こそが真実!」と語るシンドラーは、いかにして“真実”を“嘘”で塗り替えたのか? そしてその“嘘”は、果たしてバレるのか、それともバレないのか? バカリズムらしいユーモアと緊迫感が交錯する、刺激的な予告編となっている。

製作報告会見では、初公開の本予告編が上映されたのち、ステージ上に設置されたグランドピアノを背景に登壇者全員がラインナップ。愛が重すぎるベートーヴェンの秘書・シンドラーを演じた山田は脚本を読んで「僕らがイメージしていたベートーヴェン像は、(自身が演じた)シンドラーが作り上げたのではないか!?と思った」と衝撃を受けたと明かす。

『ベートーヴェン捏造』

また役作りにおいては「劇中で使用される楽曲を毎日のように聴いて、自分の中にベートーヴェンの音楽を刻みました。撮影中は現存するベートーヴェンの会話帳のデータを見ながら想像していきました」と述べた。

耳が聞こえない楽聖ベートーヴェン役の古田は「ドイツ人の役をやるのは初めて…というか、近代のヨーロッパを生きていた人のことを知っている奴なんかいないだろ!?」とぼやきで場の笑いを誘いつつ、「僕はヘヴィーメタルも好きだけれどクラシック音楽も好き。ベートーヴェンは奇才であり、すごく変わっている人というイメージなので、破天荒という意味では役作りはやりやすかった」とのこと。

山田と古田は映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(21年)に続いて2度目の共演となる。古田を「唯一無二!」と称賛する山田は、「古田さんがベートーヴェンの格好をして座っているだけで面白かった。その雰囲気は出そうと思って出せるものではない」と絶賛。

『ベートーヴェン捏造』

山田のことを親しみを込めて「や~まだ」と呼んでいるという古田は、「や~まだはものすごく真面目。僕は早く帰りたいので監督に言われたことをすぐにやれる準備だけをしておくタイプだけれど、や~まだはちゃんと考えてやってくれる。それはベートーヴェンとシンドラーの関係性的にも正解だった」と相思相愛だった。

そんな2人の関係性について関監督は「シンドラーがベートーヴェンを愛しているように、普段から山田さんが古田さんを愛しているような空気が現場には立ち込めていた」とベストコンビだと評した。

一方、バカリズムは山田と古田が演じたシンドラーとベートーヴェンについて、「2人とも完全に人間として何かが欠落している。古田さん演じるベートーヴェンは音楽の才能がなかったら最低な人間としか思えないし、山田さんが演じるシンドラーは爽やか好青年だけれど、時間が経つにつれて異常性が加速していく。でも、それは良いキモさでした」と絶賛。

ノンフィクションである原作を「現代日本の中学生が想像したウィーン」という設定にしたのは、バカリズム脚本のオリジナルだが「そもそもドイツ人の話を日本人がやること自体間違っているので、いかにして観客の違和感をなくすかを考えた。劇中に登場するのは“日本の中学生が想像したウィーン”であり、学校内での知っている人たちで脳内キャスティングをしている、という設定にしました」と明かした。

この方法論に山田は「脚本を読んだ時に、これだったら日本人の僕らがやっても成立すると思った」、そして古田も「中学生が学内の人たちでキャスティングしている。その設定に“バカリちゃん、上手いじゃないの!”と思った」と膝を打ちながら納得したという。

本作は全編日本で撮影され、ウィーンの風景は大型LEDディスプレイに背景3DCGを表示する最新技術で再現している。ロケハンで実際にウィーンに行った関監督が「実際のウィーンで芝居をしている姿が想像できなかった」というと、バカリズムは「本物の場所に行ってしまうと、演じる人たちの“本物じゃない感”が際立つ。そこをどうするか監督と話し合いました。でも役者さんたちは誰も現地に行っていないのに、どうして関監督だけ行ったのか…ウィーンに行く必要があったんですか?」と直球の疑問を呈して笑いを誘っていた。

本予告と同時に、本作のメインテーマ曲が清塚信也が演奏した「ピアノ・ソナタ第23番 『熱情』第3楽章」であることも発表された。関監督は「ベートーヴェンの『熱情』は人生の起伏を表している曲だったので、本作のメインテーマにするならばこれしかないと思った。清塚さんはパワフルな方なので、そのパワーと曲のパワーを掛け合わせたかった」と理由を述べて、バカリズムも「あの人もいい意味でイカれていますからね…」と清塚起用に納得していた。

『ベートーヴェン捏造』

またバカリズムは山田の演技について「山田さん演じるシンドラーが真っすぐな目をしている。シンドラーは異常なことをしているのに、間違ったことをしているとは思っていない。本当にオカシイ人ってこういう人のことを言うんだろうなと思った。山田さんはそんなシンドラーを見事に演じていて、憑依していた。だからキモイ。凄い方です」と大絶賛。

古田も「や~まだは真面目で信じる力が強い俳優さん。今回のシンドラーも本当にキモい。信頼できる俳優さんです」と同調すると、山田は「今のお2人の言葉だけが太字で広がればいい…」と集まった報道陣に期待していた。

最後に主演の山田は「『この映画は事実である』とは言っていません。しかし史実に基づいたところから物語を作っているので、本作を見ていただいて今後皆さんがどのようにベートーヴェンを語るのか? それはベートーヴェンに限らず、人のことを語る時に何を本当として、何を嘘とするのか、そういったことを考え直す映画になっていると思います」と本作のメッセージを熱く語り、会見は終了した。

『ベートーヴェン捏造』は2025年9月12日より全国公開。