沈黙を破る勇気と記憶の継承に共鳴——大竹しのぶ、田中麗奈、上野千鶴子らが『黒川の女たち』に応援コメント
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今から80年前の満洲で起きた「接待」という名の性暴力の実態
80年前の戦時下で起きた幾重にも重なる加害の事実と犠牲の史実を綴ったドキュメンタリー『黒川の女たち』が、7月12日より全国順次公開される。本作で語りを担当した大竹しのぶをはじめ、各界著名人の応援コメントを紹介する。
・性接待に差し出された15人の女性たち 仲間を守った彼女たちの過酷な半生とは?『黒川の女たち』
・【動画】80年前 ソ連軍に性の相手として差し出された女性たち/ドキュメンタリー映画『黒川の女たち』予告編
今から80年前の満洲で起きた「接待」という名の性暴力の実態、日本の敗戦とともに消えたまぼろしの国で生きて日本に帰るために、敵であるロシア軍に助けを求めた開拓団の史実——。命と引き換えに犠牲となったのは、数えで18歳以上の女性たち。15人の女性たちは性の相手として差し出されたのだ。

この事実は長年語られることなく、沈黙の中に沈められていた。しかし、戦争から70年の年月を迎えようとしている2013年、公の場でこの事実を明かした。本作はそんな女性たちのオーラスストーリーを丁寧に紡いだ作品だ。

監督を務めたのは、「カジノ誘致」の是非を争点にした横浜市長選、その最前線を追い、反旗を翻した藤木幸夫と市民の姿を描いた映画『ハマのドン』(23年)の松原文枝。
■大竹しのぶ
映画の中で、佐藤ハルエさんがひ孫の赤ちゃんに「笑った、笑った」と満面の笑みを浮かべて喜ばれて、手を合わせるシーンが大好きなんです。この世界に生まれて来てくれて有難うという気持ちが伝わって来て、いつまでもそういう時代が続いて欲しいなと願います。自分たちの孫やひ孫が幸せであり続けるために。過去をきちんと知り、未来を考えることをしなくてはいけないと思います。
■田中麗奈
戦争の影の中で声を奪われ、それでも生き抜いてきた女性たちの言葉は「語る」ことの尊さと、「聞く」ことの責任を突きつけてきます。苦しみや記憶は、封じ込めるのではなく、共有されることで初めて癒されていく。映画を見ることで癒される方々が沢山います。
■ブレイディみかこ
起きたことを語り継ごうとする人々の情熱と繋がりに打たれた。生きるということは、伝えていくということなのだ。
■上野千鶴子
高齢になった生存者の女性たちが、その身に背負ったトラウマとスティグマから解放されるプロセスを、このドキュメンタリーは描いた。「黒川」はそれを象徴する名前となった。「反省しない」日本は、黒川に学べるだろうか?
■森達也
過去に見捨てられたのは命だけではない。尊厳も、記憶も、声も。いま彼女たちは語る。声を奪われたまま終わらせないために。僕たちは問われている。忘れることで、また誰かを見捨てるのか、と。
■安田菜津紀
この映画が描いているものは、果たして「過去」だろうか。「日常の差別」を放置すれば必ず巨大な暴力と化す。今、私たちが生きる社会で、その歯止めを十分にかけられているだろうか。「連続性」の中の地平に立っている私たちが何をなすべきなのかが、この映画から改めて問われている。
『黒川の女たち』は2025年7月12日より全国順次公開。
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