“私がついた嘘”は誰のためのものだったのか——カズオ・イシグロ原作×広瀬すずが挑む心震わす記憶の旅

#カズオ・イシグロ#三浦友和#二階堂ふみ#吉田羊#広瀬すず#松下洸平#石川慶#遠い山なみの光

『遠い山なみの光』
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『遠い山なみの光』
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1950年代長崎と1980年代イギリスを生きる3人の女たちの知られざる真実

広瀬すずを主演に迎え、「私を離さないで」などで知られるノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロの鮮烈なデビュー作を映画化した『遠い山なみの光』。本作より、広瀬と松下洸平が演じる夫婦の日常を切り取ったショットを紹介する。

・広瀬すず主演、カズオ・イシグロのデビュー作を映画化した『遠い山なみの光』の場面写真をすべて見る

ある女が語り始めたひと夏の記憶——その物語には心揺さぶる“嘘”が隠されていた。本作は、1950年代長崎と1980年代イギリスを生きる3人の女たちの知られざる真実に涙溢れる、感動のヒューマンミステリー。『ある男』(22年)で第46回日本アカデミー賞最優秀作品賞含む最多8部門受賞を果たした石川慶監督がメガホンをとる。

『遠い山なみの光』

日本人の母とイギリス人の父を持つニキ。大学を中退して作家を目指す彼女は、長崎で原爆を経験し戦後イギリスへ渡り、苦楽を共にした長女を亡くした母の悦子の半生を作品にしたいと考える。次女に乞われ、ずっと口を閉ざしてきた過去の記憶を語り始める悦子。それは、戦後間もない長崎で出会った、佐知子という女性とその幼い娘と過ごしたひと夏の思い出だった。だが、ニキは次第にその物語の食い違いに気づき始め——。

カンヌ国際映画祭で一躍、世界から称賛を浴びた本作。レッドカーペットでは、華やかな衣装に身を包んだキャスト陣が多くの観客を魅了し、公開を待ち望む声が高まる中、今回新たに解禁されたのは、1950年代の長崎で暮らす主人公・悦子(広瀬)と、その夫・緒方二郎(松下)の日常が垣間見える夫婦のショットだ。

妊娠中の悦子は、傷痍軍人の二郎とともに団地で暮らしている。終戦から数年が経ち、社会には復興の兆しが見え始めていたが、その一方で川向こうの森では連続幼児殺害事件が発生するなど、不穏な空気も漂っていた。仕事に追われる日々の中、二郎は身重の悦子を気にかけている。

『遠い山なみの光』

2枚目の写真には、悦子が長崎で出会うミステリアスな雰囲気をまとった佐知子(二階堂ふみ)と、その娘・万里子の姿が切り取られている。佐知子は米兵・フランクとの関係も包み隠さず語り、近くアメリカへ一緒に渡る予定であることを悦子に打ち明ける。女だからと自分の未来をあきらめない佐知子の姿に、悦子は最初こそ戸惑いを覚えるが、次第に憧れと共感を抱き始めるのだった。

『遠い山なみの光』

さらに今回の解禁では、福岡から訪ねてきてしばらく悦子と二郎の団地に滞在する二郎の父・緒方誠二(三浦友和)、うどん屋の藤原を演じる柴田理恵、高校教師・松田重夫役の渡辺大知など、本作に深みを加えるキャスト陣の場面写真も公開された。

『遠い山なみの光』は2025年9月5日より全国公開。