息を呑むほど美しい兄弟にため息。台湾の美形俳優2人が衝撃主演作でメッセージ

7年の溝を越えて寄り添う兄弟、その裏で忍び寄る疑念と破滅の予兆

フェンシング代表として活躍した経歴を持つ俊英ネリシア・ロウ監督が、フェンシングをモチーフに描き出す台湾発の心理スリラー映画『ピアス　刺心』。本作より、“美しすぎる兄弟”を演じたリウ・シウフー＆ツァオ・ヨウニンによるメッセージ動画が到着。あわせて、愛おしい兄弟のひとときを切り取った本編映像と、アザーポスターも公開された。

・「僕が死ねばよかった？」美しき兄弟の絆が狂気に変わる心理スリラー『ピアス 刺心』

フェンシングの試合中に対戦相手を刺殺してしまい、少年刑務所に収容されていた兄ジーハンと7年ぶりに再会した弟ジージエ。「事故だった」という兄の言葉を信じ、警戒する母の目を盗んでジーハンからフェンシングを教わるように。兄はジージエが気づかなかった友人への淡い恋心もそっと後押しし、ふたりは失われていた兄弟の時間を少しずつ取り戻していく。

しかし、幼い頃の“溺れかけた記憶”がふとよぎる。あのとき兄は、なぜすぐに手を伸ばしてくれなかったのか。「僕が死ねばいいと思ってた？」。疑念が深まるなか、悪夢のような事件が起こる。

健気で純真な瞳をもつジージエを瑞々しく演じたのは、台湾の若手実力派俳優リウ・シウフー。『KANO―海の向こうの甲子園』（14年）で鮮烈なデビューを果たしたツァオ・ヨウニンは、兄ジーハンの傲慢さと脆さを体現し、新境地を切り開いた。

監督・脚本を手がけるのは、短編『Freeze』が70を超える国際映画祭で上映され、長編デビューが待望されていた俊英ネリシア・ロウ。シンガポールのフェンシング代表として活躍し、その後ニューヨークで映画制作を学んだ異色の経歴を持つロウ監督が、台湾で実際に起きた事件と自身の兄との関係から着想を得て、フェンシングを題材に「愛」と「疑念」が対立する傑作心理スリラーを生み出した。

撮影監督には、『EO イーオー』（22年）で全米映画批評家協会賞など世界の主要撮影賞を受賞したミハウ・ディメク。揺れる感情を緻密に捉えつつ、幻想的で洗練された映像へと昇華させた。さらに、エドワード・ヤン、ホウ・シャオシェン、ウォン・カーウァイらを支えた台湾の重鎮サウンドデザイナー、ドゥ・ドゥーチーが、愛が変貌し現実が歪んでいく複雑な心理を音響で演出する。

(C) Potocol_Flash Forward Entertainment_Harine Films_Elysiüm Ciné

今回紹介するアザーポスターは、弟ジージエと兄ジーハン──互いが世界で唯一のかけがえのない存在である＜理性を超えた兄弟愛＞を、幻想的なビジュアルに封じ込めた1枚。添えられたコピー「その愛こそ奇跡なんだ」は、オールディーズの名曲、ニール・セダカの「きみこそすべて」からの一節だ。悪夢のような結末、そしてその絶望を凌駕する極限の決断が下されるラストシーンで象徴的に流れる愛の歌が、見つめ合う兄弟ふたりだけの世界に響く。

台湾から届いたメッセージ動画で、ジーハン役のツァオ・ヨウニンは「撮影前には、フェンシングの訓練や演技トレーニング、リハーサルに6ヵ月を費やしました。ぜひ映画館で私たちの作品を応援してください。劇場に足を運んでご覧になった感想やご意見をシェアしてください」と日本の観客に呼びかけた。

また、ジージエ役のリウ・シウフーは「この映画は、非常に特別な“愛”を描いています。その愛は、とても偉大で、美しいものです。僕が演じたジージエという人物は、幼い頃から兄を深く愛してきました。ある日、その兄が刑務所から出所します。ジージエは『自分は本当に兄を愛しているのか』『兄は愛されるに値するのか』という2つの問いに悩み続けます。そして物語の終盤、ジージエは重大な決断を下します。その決断に、僕自身も深く衝撃を受けました。ぜひ皆さんにも映画館でご覧いただき、特別な何かを感じてもらえたら嬉しいです」と語った。

本編特別映像は、断絶していた兄ジーハンと弟ジージエのふたりが、7年ぶりに交流し、心を通わせていく愛おしい兄弟の時間を切り取ったもの。静寂の中、スプリンクラーから水が吹き出し、幻のように現れるジーハンは、ジージエが理想とする頼り甲斐のある兄の姿そのものだ。

ムーディーなバーで祝杯を交わす兄弟のシーンでは、「僕が彼を好きだと？」「奴がお前を好きだ」と、ジージエの心のひだに寄り添う弟想いの優しい兄の表情が映し出される。悪夢が訪れる前の、兄弟にとってかけがえのないひとときが描かれている。

『ピアス　刺心』は2025年12月5日より全国公開。