スコセッシが振り返る『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の名演と、親友との別れ
マーティン・スコセッシ監督が、長年の友人だった故ロブ・ライナー監督とミシェル夫人の追悼文をニューヨーク・タイムズ紙に発表した。
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25日(現地時間)付で掲載されたエッセイで、スコセッシは「ロブ・ライナーは私の友人で、ミシェルもそうだった。これからは過去形で話さなければならないが、それがとても悲しい。だが、他に選択肢はない」と綴った。
78歳と70歳のライナー夫妻は、12月14日(現地時間)にブレントウッドの自宅で刺殺された状態で発見され、彼らの32歳の息子、ニック・レイナーが逮捕され、2件の殺人容疑で起訴されている。
スコセッシは1970年代初めにニューヨークからロサンゼルスに移住した直後、共通の友人を通してライナーと彼の当時の妻で映画監督のペニー・マーシャルと知り合った。ライナーはロサンゼルス育ちだが、生まれはニューヨークで、両親ともニューヨークのショービジネスで活躍していたことから、スコセッシとすぐに意気投合したという。
「私はすぐにロブと過ごすのが大好きになった。私たちは互いに自然な親和性を持っていた。彼はとても愉快で、時に辛辣なユーモアを交えることもあったが、決して場を支配するようなタイプではなかった。彼には抑制のない自由への美しい感覚があり、人生の瞬間を存分に楽しみ、そして素晴らしい笑い声を持っていた」。
「彼の作品の中で私が一番好きなのは『ミザリー』で、キャシー・ベイツとジェームズ・カーンの演技が素晴らしく、特別な作品だ。しかし、もちろん『スパイナル・タップ』もある。どういうわけか、この映画は別格だ。まさに完璧な創造物と言える。そして、この映画の素晴らしさの大部分は、監督としても俳優としても、ロブ自身にある」。
俳優としても活躍したライナー監督はスコセッシの2013年の映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』にレオナルド・ディカプリオ演じるジョーダン・ベルフォートの父親を演じている。
「彼は最高の即興演技を披露し、コメディの達人であり、レオや他の俳優たちと見事な共演を見せ、演じる人物の人間的な苦境を理解していた。息子を愛し、彼の成功に喜びながらも、いずれ転落する運命にあることを悟っていたのだ」と綴る。
ジョン・ファヴローが演じるジョーダンの弁護士が窮地を脱する方法を説明する場面で、ライナーの名演について、スコセッシはこう振り返る。
「愛情深い父親でありながら、息子に戸惑う姿。撮影中、彼の演技の繊細さと率直さに心を打たれ、編集でシーンをまとめる際に再び感動し、完成した映像を見て感動した。今となっては、このシーンや他のシーンでのロブの演技の優しさを思い出すだけでも胸が張り裂けそうだ」。
スコセッシは、ライナー夫妻に起きた悲劇を「忌まわしいことであり、現実の深い闇」と表現し、「それを受け入れる唯一の方法は、時の流れだけだ」とし、以下のように結んだ。
「彼らの愛する人や友人たち——彼らにはたくさんの友人がいた——と同じように、私も彼らが生きていて元気な姿を想像するのを許してもらわなければ…そして、いつかディナーかパーティでロブの隣に座り、彼の笑い声を聞き、彼の至福の表情を見て、彼の話に笑い、彼の自然なコメディのタイミングを味わい、彼を友人に持てたことを改めて幸せに思う日が来ることを」。
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