髙橋海人、“沈黙の50秒”で観客を圧倒 『君の顔では泣けない』舞台挨拶で明かされた名場面の舞台裏

#君の顔では泣けない#坂下雄一郎#芳根京子#髙橋海人

『君の顔では泣けない』
(C)2025「君の顔では泣けない」製作委員会
『君の顔では泣けない』
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芳根京子も「もしもし一言で泣きそう」と語る、2人の相互作用が光る

ある日突然、誰かの体と入れ替わってしまう──。作家・君嶋彼方による小説を実写映画化した『君の顔では泣けない』が公開中だ。11月26日にはTOHOシネマズ新宿にて公開後御礼舞台挨拶が実施され、主演の芳根京子と共演の髙橋海人、そして坂下雄一郎監督が登壇した。

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坂平陸役の芳根は、「公開から2週間が経過して、このように皆さんの前でお話をさせていただける機会をいただけて嬉しく思います」と満面の笑み。

『君の顔では泣けない』

水村まなみ役の髙橋も、「僕は口が滑ってネタバレを言ってしまうタイプですが我慢して、もし言ってしまったら止めてもらって(笑)。今日はマスコミの皆さんも来ていますので、ネタバレを言ったら書かないでください。観客の皆さんも僕がネタバレしたら記憶を消してくださいね」とユーモアを交えて挨拶した。

11月14日の全国公開以降、SNSを中心に絶賛コメントが相次ぐ中、周囲の反響について聞かれた芳根は、「この作品はラストシーンが…え~と、いやそれは一旦置いておいて」と、上映前だけにネタバレを気にしすぎて急に緊張。

髙橋から「さっきあれだけ僕に『ネタバレはダメ!』とツッコんできたのに!?」とお叱りを受けると、「えっとえっとえっと~、いっぱいポストの感想見ています!」と豪快に笑っていた。

一方、髙橋はKing & Princeのスタッフから寄せられた感想として、「苦しみ過ぎて涙が出なくて、最後にドバーッと滝のように涙が出てきた」という声があったと報告。「観客の皆さんもそれに沿って観てください。涙は我慢して最後にドバーッと出してください」と指南していた。

普段はエゴサなどをしないタイプの坂下監督だが、絶賛の声を聞いてSNSを覗きに行ったそうで、「好評だったので次々に見てしまい…癖になる」と照れ笑い。髙橋からは「SNSに沼りかける監督だ!」とイジられるなど、和気あいあいとした空気が広がった。

坂下監督は続けて、芳根と髙橋の注目してほしいシーンを紹介。芳根については、とあるシーンで風が2回タイミングよく吹き、前髪がそっと揺れる場面が印象的だったとし、「そういうのは計算して用意できるものではないので、“持っていらっしゃる”んだなと思いました」と女優力を絶賛。

髙橋については、後半のとあるシーンで、実は4~50秒ほどの“大胆な沈黙”があることを明かし、「一見そんなに長いと感じないと思うんですが、大胆に沈黙されていて、すごいなと思いました」とそのままノーカットで使用したことを語った。監督ならではの着眼点に、2人は満面の笑みを浮かべ、嬉しさを隠せない様子だった。

さらに、芳根と髙橋は互いの演技で圧倒されたシーンを披露。芳根は「まなみの電話からの“もしもし”。その一言で泣きそうになった。髙橋君の声にグッと感情が上がっちゃって。撮影中に『もう一度やっていいですか?』と言ってしまった記憶があります。あの“もしもし”はなんだろうかと。安心できるし、ちょっと怖い気持ちになる。あの“もしもし”に負けました」と、髙橋の絶妙な声の芝居に完敗したことを明かした。

『君の顔では泣けない』

髙橋も「芳根ちゃんの表現の素晴らしさは隣でお芝居をさせてもらって沢山感じたけれど、難関だと思うのが物語の流れや出来事を説明するセリフ。それをいかに自分事として説明セリフとして聞こえないようにするのか…。それは上手い下手ではなくて、職人だなと。凄い、この人はと思った」と、芳根のナチュラルな演技力を絶賛。「映画を見てくれたみんなと語り合いたいくらいの凄いお芝居をされている」と称賛が止まらなかった。

ラストシーンの秘話も飛び出した。芳根は「この作品は何を持ってハッピーエンドと言うのか、それさえも人それぞれ違う。撮影を通してNGが多くなかった作品という印象があるけれど、ラストシーンの撮影時には『もう1回!』がありましたね」と回想。

髙橋は、登壇者3人を舞台奥に呼び寄せてマイク無しで“作戦会議”をしたことを明かし、「完成版で見ることができるラストシーンは元々ラストシーンではなくて、その前のシーンで終わる予定でした。けれどクランクイン直前に、最後にもうワンシーンを追加したいという話がありました。最後のシーンが追加された作品に出会ったのは初めてだったので、そこを含めて皆さんに楽しんでもらいたいです」と舞台裏を語った。

坂下監督も「ラストについては撮影直前まで議論があって、スタッフとも話し合いを重ねました。原作者の君嶋彼方さんに聞いた小説のラストの解釈の答えを表現したかった」と狙いを明かすと、芳根は「それが大成功ということですね!」と胸を張った。

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最後に、坂下監督は「SNS等の感想を読ませていただき、愛される作品になっているなと思って嬉しいです」としみじみ。

髙橋は「上映前の皆さんのワクワク顔を拝むことができて嬉しいです。ラストを含めて感じ方は人それぞれだと思います。今日見に来てくれたあなた、あなた、あなた、刺さる方が一人でもいたら良いなという思いで撮影現場に入って全力投球で臨んだ作品です。この作品が見てくださる誰かのお守りになることを祈っています」と期待を寄せた。

主演の芳根も、「公開して2週間近くが経ちましたが、沢山の応援、本当にありがとうございます! SNSでも盛り上げてくださって感謝の気持ちでいっぱいです。本作が誰かの思い出の一本、心に残る一本になっていただけたら凄く嬉しいです」と、さらなる広がりに期待を込めていた。

『君の顔では泣けない』は現在公開中。

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