壮絶DV被害者の“生”描く 傷だらけの女性たちを多部未華子、寺島しのぶらが演じた『シャドウワーク』完成報告会
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豪華キャストが作品への覚悟と撮影秘話を語り、究極のシスターフッドの物語に手応え
『連続ドラマW シャドウワーク』の完成報告会が11月17日に開催され、WOWOW連続ドラマ初主演となる多部未華子をはじめ、桜井ユキ、石田ひかり、寺島しのぶ、そしてミステリー初挑戦となる川西拓実(JO1)が登壇。ドメスティック・バイオレンスを題材にした本作への思いと、撮影の裏側が語られた。
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本作は、江⼾川乱歩賞作家・佐野広実の同名⼩説を原作に、夫からのドメスティック・バイオレンスの被害に苦しむ女性たちが、絶望の果てで生きるためにたどり着いた“究極のシスターフッド”を描くヒューマンミステリー。
完成報告会には、壮絶なドメスティック・バイオレンスで人生を狂わされた主人公・紀子役でWOWOW連続ドラマ初主演となり、DV被害者役も初めてとなる多部未華子、本作の“もう一人の主人公”ともいえる重要人物で、ある女性の不審死を捜査する刑事・北川薫役の桜井ユキ、薫の実直な若手後輩刑事・荒木悠真役でミステリー初挑戦となる川西拓実(JO1)、さらにDV被害者が集うシェアハウスと一般社会をつなぐ看護師・路子役で、1989年の俳優デビュー以来初のWOWOW連続ドラマ出演となる石田ひかり、そして、主人公・紀子がたどり着くDV被害者の女性たちのシェアハウスを取り仕切り、壮絶なバックボーンを抱える昭江役の寺島しのぶが登壇した。

夫からDVを受け続ける主婦・紀子役を演じた多部は、「最初は、台本を読んで『こんな⽬にあっている⽅が実際にいらっしゃるのか』と信じられないところもありましたが、紀⼦の強い意志、筋が1本通っているところを⼤事にして演じられたらいいなと撮影に挑みました」と、ハードな描写も多かった役どころについてコメントした。
紀子は、自分を受け入れてくれたシェアハウスの住人たちと日々さまざまな“ゲーム”を重ねるうちに、そこにある“ルール”を知っていくことになる。多部は「紀⼦は『…』とセリフがないシーンが多かったのですが、そのなかでも紀⼦が感じた葛藤や発⾒を丁寧に表現したいなと。⼀瞬⼀瞬を逃さないように⼼がけました」とも語った。
とある女性の不審死事件を追い、真相を追求しようとする刑事・薫役を演じた桜井は、「薫は、⼀⾒強い⼥性に⾒えますが、さまざまな事情を抱えながら刑事という職業についている。正義を貫きたいという気持ちが⼈⼀倍強いからこそ、どろっとした気持ちを外に出すまいとしているところがあり、そこは演じる私からしても危うい⼥性だなと感じました」と、その人物像について語った。
そんな薫に寄り添う若手刑事・荒木役を演じた川西は、本作が本格ミステリー初挑戦となる。実力派がそろう俳優陣との共演について「皆さんのお名前を⾒て『⾃分で⼤丈夫かな』と思ってしまい、正直めちゃくちゃ心配だったんですけど、いつも通り『全力でやるしかない』を心がけて撮影に臨みました」と振り返る。
しかし寺島とはこの日が初対面で、「一度、舞台を拝見したことがあったので『あの寺島さんと共演できるんだ』と思っていたんですけど、一度も共演シーンがなく…」と嘆く川西に、キャスト陣から笑いが起こった。川西「ぜひいつかご一緒したいです!」、寺島「もちろん、ぜひ!」という温かなやり取りもあった。
また、DV被害者をシェアハウスに導く看護師・路子を演じた石田も、「路子は、自分も過去に被害を受けていたことがあり、弱い立場に置かれている者たちの想いをよく分かっている人物。被害者たちが生きていくためにはこの道しかないんだ、という究極の葛藤と強い使命感を持っている女性だと思って演じていきました」と、役どころについて語った。
そんな路子とともにシェアハウスを運営している家主・昭江を演じた寺島は、重いテーマを持つ本作について「性被害や幼児虐待など、弱い人間が強いと思われる人間に踏みにじられてしまう事件がリアルに起きているなかで、この作品はフィクションではありますが、多かれ少なかれいずれこういうことになる、という忠告になっているのかなとも思います」と、その思いを明かした。
本作は、DV被害に苦しむ女性たちがたどり着いたシェアハウスが舞台の物語だ。多部が「演じるという意味では苦しい葛藤があった」と語るようにシリアスなシーンが多かった一方で、撮影現場は和気あいあいとした雰囲気だったという。「(寺島)しのぶさんを始め、皆さんの切り替えが本当にすごいんです。楽しい話をしていたかと思えば、突然『このシーンは…』と役の話になることもあって。さまざまな世代の俳優さんと一緒に過ごせたことも貴重な経験でしたし、学びになることも多く、充実した時間でした」と撮影を振り返った。
また、中盤からシェアハウスでの撮影に参加した桜井は、監督からその一致団結した雰囲気について「途中から馴染むのが難しいかも」と冗談交じりに脅かされていたという。「初日はドキドキしていたんですけど、温かく迎えてくださってホッとしました」と当時の心境を明かした。
そんな桜井と川西による刑事パートの撮影も和やかに進んでいたという。桜井は川西について、「『お芝居の経験があまりない』とおっしゃっていましたが、荒木が薫に対して感情を吐露するシーンのエネルギーと集中力がすごかったです」と、その演技を絶賛した。
これに「ありがとうございます!」と笑顔を見せた川西だったが、桜井からは「でも、川西さんはすごいときとダメなときの差が激しくて…」という言葉もあった。というのも、とあるシーンでセリフが出てこなかった川西が「ごめんなさい!」とかわいい表情を作って謝ってきたことがあったという。「こういうところが愛されキャラなのかなと思ったんですよね。でも、かわいさで乗り切ろうとするのはどうかなって(笑)」と指摘する桜井に、川西は「いや、でも…」としどろもどろ。最終的に「ごめんなさい」とかわいく謝る姿があり、これには場内からも笑い声が上がっていた。
一方、川西は「控室に虫がいたんですけど、虫嫌いな僕が『うわ!』って怖がっていたら、桜井さんがその虫を退治してくれました」という、ほほえましいエピソードも披露した。劇中さながらの先輩・後輩関係を築いていたことがうかがえる。

また、劇中のシェアハウスにある“ルール”にちなみ、キャスト陣に“自分自身や家族内でのルール”についての質問も投げかけられた。まずは多部。【足首を常に温める】が現在のルールだそうで、「寒くなってきたので、日課です」とニッコリ。桜井は「好きすぎて買いまくっていたら置くところがなくなってしまいました」と【観葉植物は年に1個まで】を挙げた。
【夜風を浴びる】というルールを挙げたのは川西。「四季それぞれの夜風を浴びて気持ちをリセットしています」と語る。寺島は「生きていくうえで大切にしていること」として【give and take】という言葉を紹介した。最後の石田は、「これまで一生懸命やってきたけど、娘も成人したので私は家事から卒業します!と宣言しました」と【私は何もしません、皆さん各々で!】という石田家の新ルールを明かした。
完成報告会の最後には、川西が「荒木は、若者代表であり、男性代表の視点の役ではありますが、視聴者の皆さんに一番近い視点を持つキャラクターでもあるのかなと。伏線もたくさんありますので、1話ずつ大切に見てもらえたらうれしいです」と語った。
続けて石田が「人としての尊厳を踏みにじられた者、踏みにじった者、その両者を描いている作品です。究極の葛藤を生きる私たちの姿をぜひ見てください」とコメント。
そして寺島は「周りから『久しぶりに次が気になるドラマに出会えた』と褒めてもらえた作品。このドラマを見るためにぜひWOWOWに加入していただきたいです。きっと損はさせません!」と呼びかけ、桜井も「見ていただき何かを感じていただくことも大事ですが、実際にこういうDV被害者の方がいるということを知るきっかけになる作品になったらとても光栄だなと思います」と語り、改めて本作への想いを示した。
最後に、多部が「このドラマは、傷を負った女性たちが自分と周りを信じて一筋の希望と勇気と決意を持って自分の人生を切り拓いていく物語です。ただただエンターテインメントとして見ていただきたい気持ちもありますが、DVだけでなく何か困難な思いをしている方にとって救いのきっかけになったらとも思います」とメッセージを送り、完成報告会を締めくくった。
『連続ドラマW シャドウワーク』(全5話)は、WOWOW・WOWOWオンデマンドにて2025年11⽉23⽇10時より放送・配信スタート。
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