松村「今は放心状態」 拍手と歓声の中で奥山由之監督と感動のハグ
SixTONESの松村北斗が主演を務め、高畑充希がヒロインを演じる実写版『秒速5センチメートル』が、第30回釜山国際映画祭オープンシネマ部門で公式上映された。上映後には、観客の拍手と歓声に包まれるなか、主演の松村と奥山由之監督が固い握手と熱いハグで互いをたたえ合った。
・SixTONES松村北斗、2度目の釜山を満喫!『秒速5センチメートル』釜山国際映画祭 公式上映へ
1996年に創設され、アジアを代表する映画の祭典として常に注目を集めている釜山国際映画祭。中でも、本映画祭の目玉であり、人気と芸術性に富んだ新作や国際的に評価された作品が選出されるオープンシネマ部門に、本作が正式出品された。
9月18日、主演を務めた松村北斗と奥山由之監督が釜山に到着。韓国を代表する海雲台(ヘウンデ)ビーチを前に、松村は「初めて海外の皆さんに見ていただくということで緊張もしていますが、ちょうど日本での舞台挨拶を終えて、日本のみなさんからいいお言葉をたくさんいただき、勇気をもって胸を張って韓国での上映を迎えられそうです」と喜びを明かした。
奥山監督も「日本の春夏秋冬がたくさん映っている作品だと思うので、釜山の海風を感じながら見ることができるというのがとても光栄です」と意気込みを語った。
同日に行われたインターナショナルプレミア上映では、「アニョハセヨ」と韓国語で挨拶し、本作の制作経緯や、オファーを受けた際の気持ち、原作への想いなどについて語った。
そして9月19日には、釜山国際映画祭のメイン会場「映画の殿堂」にて野外ステージグリーティングに登壇。前日に開催されたインターナショナルプレミア上映の感想や本作の見どころについて語り、22日に行われる上映に期待を膨らませた。
公式上映前のGuest Visit(舞台挨拶)で、奥山監督は「チョヌン チョソク オ センティミト ガンドッ 奥山由之 イムニダ(『秒速5センチメートル』の監督をしました、奥山由之です)」と韓国語で挨拶。そして「30回目の釜山国際映画祭という節目のタイミングで、『秒速5センチメートル』を皆さんと一緒に観覧できることを嬉しく思います。今日はよろしくお願いします」と挨拶。
続く松村も「チョヌン 松村北斗 イムニダ(僕は松村北斗です)。僕自身まだ映画の本編というものを1回しか見ていないので、今日皆さんと見るこの状況で2回目です。そしてこの大きなスクリーンでこんなにもたくさんの人と一緒に見るというのはきっと人生で唯一の日になると思います。今日は素晴らしい映画体験を一緒に迎えましょう。チンチャ カムサハムニダ(本当にありがとうございます)」と観客に呼びかけた。
「釜山での滞在や今日の上映を控えて、今のお気持ちはいかがでしょうか?」との質問が投げかけられると、奥山監督は「ちょっとだけ個人的な話をさせていただくと、僕は十数年間、写真家やミュージックビデオやコマーシャルの監督をしてきました。ただ、映画がすごく好きで、いつか映画を撮りたいと思っていて、ようやくこの数年間で映画制作に携わることができました。『秒速5センチメートル』という作品で釜山国際映画祭に来ることができて、上映後にお客さんの拍手を聞いたり、GVで熱意のあるお客さんと会話をしたり、街中でたまたま憧れの監督に出会えたり、そういった素晴らしい経験をすることができました。そして何より、映画祭期間中、いくつかの映画を見たのですが、映画ファンのお客さんと一緒に、満席の会場で映画を見た時間が、本当に楽しかったです。一緒に感動したり、笑ったり、考えたり、そういう経験を通して、映画を初めて好きになった時の気持ちを思い出して、僕は心から映画が好きだということを実感できました。それと同時に、映画という世界に温かく迎え入れてもらったような気持ちになりました。自分の映画人生にとって節目となるような経験をさせてもらえた釜山国際映画祭に心から感謝しています。映画という文化が、これからも末長く続くことを、心から祈っています。最後に、松村北斗という素晴らしい俳優に出会えて、一緒に『秒速5センチメートル』を作ってきたスタッフやキャストに、そして、原作の新海誠さんに心から感謝したいと思います。今日は皆さんと共に映画を楽しみたいです。チョンマル カムサハムニダ(本当にありがとうございます)」と映画に対する熱い想いを語った。
「原作のアニメからも演じるのが難しい役だと思っていました。常に繊細で落ち着いた演技力で高く評価されている松村さんですが、この役を演じようと決心されたきっかけは何か」と問われた松村は、「元々僕は『秒速5センチメートル』という原作アニメーションのファンだったというのがまず1つの理由で。そして、ご存知の方もいると思うんですけど、新海誠監督の『すずめの戸締まり』という作品で、僕が椅子の役をやったんですね。あ、改めまして、椅子です」と名乗り、会場の笑いを誘った。
さらに「そこで新海さんとの信頼関係があったというのも理由の1つ。でもこの2つだけではチャレンジするにはあまりにもハードルが高くて、難しい作品、そして役柄でした。しかし、奥山監督と会話をする機会があって、そこで奥山さんがすでに始めている実写版『秒速5センチメートル』というプロジェクトや熱意などを聞いていくと、僕ひとりが不安に思っていたとしても、そんなことは関係ないぐらい、ものすごいセンスと熱量で準備されていて。この方がリーダーになって進んでいく作品に乗っからないほど人生で惜しいことはないなと、その場で強く思いました。もちろん、この役に挑戦したいという気持ちがほぼ決まってからお会いしたのですが、『今すぐ早く撮りましょう』と言いたくなるぐらいの説得力をいただいて、それが最終的にこの作品に飛び込むことを決めさせてくれた出来事でした」と、本作への参加の経緯について熱く語った。
そして、「貴樹を演じるうえで大事にしていたこと」については、「今回特に難しかったのは、自分が原作の大ファンであり、遠野貴樹というキャラクターやこの物語の世界に憧れていたので、この強い憧れから生まれるドキドキのまま飛び込むと、この世界を楽しむ自分になってしまって、生きることの難しさに苦しむ主人公とはかけ離れてしまうということでした。憧れるということを一切やめて、離れたところで遠野貴樹という人物を見つめ直すことがすごく難しかったです」と告白。
続けて「そして、もう1つ。今回、遠野貴樹という人物を、僕と青木柚くん、上田悠斗くんと、3人で1つの役を演じています。これがとても難しく思っていたのですが、僕よりも早くに撮影をしていた彼らのパートの映像を見たら、本当に素晴らしい俳優たちでした。彼らが役としての軸をぶらさずに持っていて、それを引き継いだことで、3人で1つの役を演じるということが難しいことではなくなり、とても頼もしくて、役として肉厚になるきっかけになりました。この2人がとにかく素晴らしかったということを、改めてこの会場の皆さんに伝えたいと思います。きっと上映が終わった後に、青木柚、上田悠斗、他の出演者についても、きっと名前を調べることになると思います」と他キャストを賞賛し、会場からは拍手が起こった。
最後に奥山監督は「今日、皆さんと共に見られることを本当に嬉しく思います。また新たな作品を作って、皆さんとお会いしたいと思います。本当に、ありがとうございます」、松村は「この作品は人物もすごく大事ですが、本当にきれいな景色がたくさん出てくる映画です。この迫力のある大きなスクリーンと、そして空と風を感じながら最高の映画体験を一緒にしましょう。今日は、ありがとうございました」と挨拶し、舞台挨拶後、約3800人の観客と一緒に上映を鑑賞した。
スクリーンに映し出される本作の世界は大迫力そのもの。桜、雪、海など日本ならではの四季折々の自然の景色はとても美しく、会場内からはすすり泣く声も聞こえてきた。釜山の風を感じながら、多くの観客と一緒に作品を見るという貴重で心にしみわたる上映となった。
上映終了後、エンドロールが始まると、会場は盛大な拍手に包まれた。そして、エンドロールが終わると、松村と奥山監督は固い握手を交わし、熱いハグをした。何度も観客にお辞儀をし、手を振り、感謝を表した。
オープンシネマ部門の上映を終えて、松村は「今は放心状態です。本当にあれだけのお客さんと一緒に作品を見たことで、自分も一観客として初めてあの作品を見られたような感覚があって。一体感というか、みんなでぐーっとあの作品の世界に集中して入っていく感じをすごく肌身で感じました。本当に貴重な経験をさせてもらえました。本当に素晴らしい作品になったなというのを実感しています」と、興奮冷めやらぬ中で感想を述べた。
奥山監督は「スクリーンの大きさや、会場の熱気もあってか、こんなにのめり込んで見られるという状況はすごく幸せでした。特に釜山国際映画祭のオープンシネマで見るという、ある種の緊張感や高揚感も感じていて。本当は言葉にしなければいけないけれど、言葉にしきれない特別な時間でした。本編中で、ここっていうタイミングで突然自然の風を感じると、自分が今どこにいて、スクリーンとの境界線が分からなくなる瞬間みたいなものを感じて、かなり特別な体験でしたね」と語った。
そして、「映画って、こういう自分が想像もしていなかったところに連れていってくれるんだなっていうことを、感慨深く思いましたし、この映画を制作するうえで関わった全ての人を代表して、自分がここにいさせてもらえるということのありがたさや、改めて一緒に作った人たちへの感謝を感じて、この感動を早くみんなに伝えたいなと思いました」と思いを明かした。
『秒速5センチメートル』は2025年10月10日より全国公開。
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