阿部寛「2chの掲示板で批判を見て演技を変えた」 『俺ではない炎上』イベントで明かした驚きの秘話

『俺ではない炎上』
(C)2025「俺ではない炎上」製作委員会 (C)浅倉秋成/双葉社
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藤原大祐や浜野謙太とともに、日本大学芸術学部の学生へエール

作家・浅倉秋成によるベストセラー小説を実写映画化した『俺ではない炎上』。9月15日には日本大学芸術学部にて炎上体験イベントが実施され、主演の阿部寛、共演の藤原大祐、浜野謙太、プロデューサーの筒井竜平が在学生を前にトークを繰り広げた。

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ある日突然 SNS 上で炎上、殺人事件の犯人に仕立て上げられた男・山縣泰介役の阿部。自身はSNSに馴染みがないというも「脚本を読んだ時に“今の時代サスペンスとしてありだな”と思う一方で、なぜ泰介がYouTuberに追われるのかわからなかった。でもその辺りを理解していく中で、これは怖いな…と思いました」と実感していた。

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先週10日に最終回が放映されたドラマ『ちはやふる-めぐり-』に出演していた藤原は、最初に事件の投稿を拡散した大学生インフルエンサーで、サクラ(芦田愛菜)と一緒に泰介を追う住吉初羽馬役。実生活ではSNSとはあえて距離をとっているそうだが、「炎上…。怖いけれどちょっとしてみたいかも?」と危険な匂いに興味津々。

泰介の部下で大帝ハウスの営業部に勤める塩見亮役の浜野は、「僕のSNSには“いいね!”もつかないので…。一度炎上してみなければダメですね!」と自虐的だった。

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一方、浅倉氏による原作の魅力について筒井プロデューサーは、「現代ならではのテーマ性があってエンタメ度も高い。逃走劇というサスペンスだが、どこか可笑しみもある。これは映画にして沢山の人に見て欲しいと思った」と解説した。

本作のWEB プロモーションの一環として制作された、疑似的にSNSで炎上したかのような体験ができる“炎上シミュレーター”に挑戦。AIによる炎上コメントが即座に表示されるハイテクさに対して、炎上以上にAI技術に目を丸くする阿部は「今はこんなのも即興で出来るんだ…。なんだかさっぱりわからなかったけれど、怖いね」としみじみ。浜野も「普通に愉快。プライベートでやってAIの技量を試してみたい」と楽しんでいた。

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また俳優の仕事を始めるきっかけについて聞かれた阿部は「大学1年の頃に雑誌『non-no』に紹介されて1位になると車が貰える企画があって、車欲しさでやってみたら1位になった。それがきっかけで事務所に入っていない素人のまま、『MEN’S NON-NO』第1号の表紙になりました。当初は俳優になる気はなかった」と若かりし時代を回想。俳優業を続ける上でのモチベーションは30代を目前にして仕事が激減したことが原点としてあるそうで、「それが原動力になって、次に仕事が来た時に頑張ろうと思った」と述べた。

SNSとの付き合い方の話題では、浜野が「SNSとはいえ、人と人との関係性だから気をつけることはない」、藤原が「SNSとはあえて距離を取るようにしている」という一方で、阿部は「SNSは見ないけれど、20年くらい前にドラマをやっていた時は2chの掲示板を見るようにしていました。あえて批判を見る。そうするとなるほどそういう風に捉えるのかと思うものもあった。自分に対して周囲は直接言ってこないわけだから、2chの掲示板で的確だと思った時はそれを活かすようにして演技を変えていったりしました」と驚きの秘話を明かして会場を驚かせていた。

また学生から「チャレンジする際の前向きな姿勢の取り方」について聞かれると、阿部は「俺も無理だ、無理だと思って生きてきた人生で、面接もオーディションもずっと落ちてきました。でも今もやっていますからね。自信のなさも他人から見たら個性に見えたりするものなので、そういうところで誰かが見ていてくれると思うのもいいかもしれない」とエール。

一方、自己肯定感が高いという藤原は、「挑戦に対して注いだ時間に誰よりも自信がある。たとえ成功しなくても、これだけやって無理ならば仕方がないと思える。これだけ魅力的な私をわかってくれないのならば、そっちの見る目がないと思えるくらいの感覚まで努力すれば意外と楽」とアドバイス。

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浜野は「自分は無理だと規定せず、たとえ失敗したとしても“でも私はやっている”と思うのが重要」と話した。筒井Pも「大学時代から僕は映画を作り続けていますが、いまだに自分には向いていないと思いながら、なんとか頑張れています」と継続は力だと実感を込めていた。

最後に主演の阿部は「日本大学芸術学部出身のスタッフも俳優さんもいるので、皆さんがどんなことを考えているのか知りたくて僕自身も今日を楽しみにしていました。映像という分野には色々なフォーマットが増えてきていて、それを皆さんがどう考えているのか。僕から皆さんに聞きたいことがたくさんありました」と学生との交流を満喫したよう。

さらに「何かを得ることよりも、ただそこにいて見るということも大事です。僕も昔有名な俳優さんたちと共演させてもらった時に、そこでセリフを交わさなかったとしても、見れたということだけで自分に凄く影響があって刺激になったし、その経験は10年後20年後に活きている。今日のイベントは皆さんにプラスになったかどうかはわからないけれど、きっとこれは皆さんの将来、何かのきっかけになっていくと思うので、これからも頑張って欲しいし、いつか現場で会えたらと思います」とメッセージ。学生たちの盛大な拍手に包まれ、登壇者が降壇し、イベントは終了した。

『俺ではない炎上』は2025年9月26日公開。