“SNSの闇”描く『アドレセンス』がエミー賞主要6冠を達成 15歳オーウェン・クーパーが史上最年少受賞の快挙

『アドレセンス』
Netflixシリーズ『アドレセンス』
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マノスフィアや“有害な男らしさ”を題材に 痛烈な批評性が国際的評価を獲得

『アドレセンス』が第77回プライムタイム・エミー賞授賞式で、リミテッドシリーズ/アンソロジーシリーズ部門の作品賞を受賞。さらに、15歳のオーウェン・クーパーが助演男優賞を受賞し、史上最年少での快挙を達成した。そのほか監督賞(フィリップ・バランティーニ)、脚本賞、主演男優賞(スティーヴン・グレアム)、助演女優賞(エリン・ドハーティ)にも輝き、主要6部門を制覇した。

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米ゴッサムTVアワードなどでも話題をさらってきた、イギリス発・全4話のリミテッドシリーズ『アドレセンス』。イギリスの首相が「強い衝撃を受けた」と語り、政府の支援を受けて英国全土の中等学校で視聴可能となるほどの世界的話題作が、テレビ番組における世界最高峰の栄誉とされるエミー賞でも圧倒的な存在感を示した。

『アドレセンス』

13歳の少年ジェイミー・ミラー(オーウェン・クーパー)が、同じ学校に通う少女の殺害容疑で逮捕され、家族が崩壊していく様を描く本作。“1話約60分をワンカット撮影”というその巧みさと美しさに加え、内包されたテーマの鋭さ、語り口の斬新さ、そして俳優デビュー作となった現在15歳のクーパーによる繊細かつ圧倒的な演技力などが話題を呼び続け、Netflixの英語シリーズにおいて『ウェンズデー』に続き歴代2位の視聴数を記録するという快挙を達成した。

特に注目されるのは、本作が「SNSの闇」を真正面から描き出している点だ。インターネット上での悪質な中傷や偏見が少年やその家族をどう蝕んでいくのかを克明に示すと同時に、「有害な男らしさ」や「インセル」「マノスフィア」といった現代的な問題群が物語の根底に流れている。スクリーンの外で実際に拡大しつつある社会現象を背景にしたことで、単なる犯罪ドラマを超えた社会批評的な鋭さを持ち、多くの視聴者にとって痛烈かつ切実な物語となっている。

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プロデューサーにはブラッド・ピットも名を連ね、監督賞にも輝いたフィリップ・バランティーニ監督は、本作の大成功を受けてハリウッド大作の監督にも打診されている。今回の快挙を機に、本作、そして出演陣と制作陣のさらなる躍進が期待される。

『アドレセンス』はNetflixにて配信中。