竹野内豊「自然と笑顔があふれていくような現場でした」 堺正章とともにカトリーヌ・ドヌーヴとの撮影秘話を披露

#SPIRIT WORLD -スピリットワールド-#エリック・クー#堺正章#映画#竹野内豊

『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』
(C)L. Champoussin /M.I. Movies /(C)2024「SPIRIT WORLD」製作委員会
『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』
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ドヌーヴと堺の優雅な共演、そして“いちご大福”が結んだ友情

フランスの名優カトリーヌ・ドヌーヴ主演の映画『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』の先行公開初日記念舞台挨拶が、10月10日にTOHOシネマズ シャンテにて開催。本作で親子役を演じた竹野内豊と堺正章が登壇し、作品の魅力や、共演者たちとのエピソードを語り尽くした。

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満員御礼で迎えたこの日、父の死をきっかけに母を探す旅に出る息子・ハヤトを演じた竹野内は、「先行上映ということで遠方からお越しの方もいらっしゃるのではないかと思いますが、日本で初めてご覧いただける方々と直接お会いできることが出来て嬉しく思います」と笑顔で挨拶。

見えない存在として息子・ハヤトの旅を見守るユウゾウを演じた堺は、「去年の1月に撮影を行い、今日やっと日の目を見るという所にやって来ました。本作を通して観客の皆さんの心に、生きていく上でのテーマを与えられたら嬉しいです」と期待を込めていた。

『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』

エリック・クー監督がメガホンを取り、カトリーヌ・ドヌーヴが来日して日本ロケを敢行。竹野内は、「国際色豊かな撮影現場でした。エリック監督が現場を楽しんでいらっしゃって、カットがかかるたびに口癖のように『Are you happy, Yutaka?』と聞いてくれました。現場のみなさんが楽しんでいるならばそれでOKという、自然と笑顔が溢れていくような現場でした。これだけフラットな撮影現場はそうないと思います」と回想。

堺も、「カトリーヌに対して最敬礼するような感じではなく、リラックスして演技できるような、現場にいて楽しむことが出来る居心地の良い現場でした。カトリーヌ自身もその中で自分の考えを入れながら演じ切ったのではないかと思います」と明かした。

そのカトリーヌについて、竹野内は「エリック監督はとにかく撮影が早いので、カトリーヌさんとお話する時間は残念ながらありませんでした。カトリーヌさんは日本文化に興味がおありで、瀬戸物があると手に取って眺めたりしていました」と報告。

撮影前に行ったお祓いにもカトリーヌは参加したそうだが、「神主さんが言っていることや御祈祷について、堺さんがカトリーヌさんに英語で説明されていました。それがフランス人スタッフにも伝わっていたことがとても印象的でした。その時点で、撮影前からユウゾウとクレア(カトリーヌ)の関係がすでに出来上がっていると思いました」と、堺の粋なサポートに感激していた。

このジェントルな秘話に、堺は照れを隠すように「みなさん、“出来上がっている”というのはコミュニケーションを取れている、ということですからね! そこは誤解なきように」とジョークで笑わせつつ、「今日は竹野内さん、よく喋りますねえ! 撮影中なんかは寡黙な方なのに。喋れるじゃないの!」と竹野内にツッコミ。これに竹野内は「汗かいてます…」と赤面していた。

『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』

一方、堺は「笑顔と素敵な魅力、フランス女性の凄さを感じました。ご高齢なのに輝くもの、存在感を常に出しているような方でした」とカトリーヌを絶賛。初対面時はコミュニケーションを取ることに苦労したそうだが、「この女性を僕に振り向かせようと、それを撮影中の副テーマにして、どうやったら距離が縮まるのかを考えて…プレゼントだと思った」と、カトリーヌに“プレゼント作戦”を発動したという。

『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』

その効果が発揮されたのは、撮影6日目に持っていたいちご大福だった。「これは何ですか?と。日本の和菓子が彼女の心を打った。いちご大福の酸っぱいのに甘い不思議さ、それが彼女は大好きだった。6日目に差し上げて7日目の朝から僕にハグをしてくるように。この距離の縮まりはどうですか!? 僕はフランスを制したと思いましたよ!」と勝利宣言し、会場は拍手喝采となった。

最後に竹野内は「独特な感性で物語が構成されているので、感じ方・捉え方は人それぞれだと思います。ぜひ多くの方々に広めていただきたいです。今見ている世界だけがすべてではなく、見えないところに大切なメッセージが込められた温かい作品です」とアピール。

堺も「私の父親は堺駿二というコメディアンをやっておりまして、他界して年数が経ちましたが、いまだに父が傍にいて、見えないところで自分を助けてくれているのではないかと思うことがあります。それは僕に対する愛情からだろうと。皆さんもこの映画をご覧になって、そのような気持ちになっていただけたら嬉しいです。幸せは自分だけが作っているのではない、誰かが作ってくれている部分があるのではないかと。そんなことを感じていただけたら嬉しいです」と呼びかけていた。

『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』は2025年10月31日より全国公開。