主人公・フキを演じる新鋭が、映画祭で無邪気に飛び跳ねる
映画『ルノワール』が現在開催中の第78回カンヌ国際映画祭にてワールドプレミア上映され、監督・脚本を務めた早川千絵、主演の鈴木唯、そして、石田ひかり、リリー・フランキーが同映画祭に参加した。
・『PLAN 75』早川千絵監督の最新作『ルノワール』が公開決定! 主演はオーディションで抜擢された11歳・鈴木唯
『ルノワール』は、カンヌ国際映画祭の最高賞である「パルム・ドール」を競うコンペティション部門に選出された唯一の日本映画。作品の舞台は80年代後半の夏で、闘病中の父と、仕事に追われる母と暮らす11歳の少女・フキの物語だ。主人公・フキを演じるのは多数の候補者の中からオーディションで抜擢された、驚異の新人・鈴木唯。フキの母・詩子役に石田ひかり、父・圭司役にリリー・フランキーが出演する。
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12歳でカンヌ主演デビューを果たした鈴木だが、彼女が主演女優賞に輝いた場合、かつて主演男優賞を獲得した『誰も知らない』(04年)の柳楽優弥(当時14歳)より若く、《最年少受賞》と併せて《日本人初の主演女優賞》となることから、国内外から高い注目を集めている。
カンヌ国際映画祭で『ルノワール』公式上映が行われ、ワールドプレミアを迎えた5月17日(現地時間)。カンヌの真っ青な空の下、大勢のマスコミや観客が溢れるなかレッドカーペットに登場したのは、早川千絵監督をはじめ、主人公・フキを演じた鈴木唯、フキの両親役の石田ひかり、リリー・フランキー、そしてプロデューサー陣だ。
レッドカーペットを歩く直前、鈴木は高揚感をおさえきれず飛び跳ねる、子どもらしい一面も。その後、満面の笑顔で両手を振りながら歩き始めると、次々呼びかけるメディアの声に堂々と対応。声を掛けられる度に大きく手を上げて、ポーズを決めた。上映会場の入り口に続く階段を昇る際には、リリーにエスコートしてもらい、本編さながらの仲睦まじい様子も垣間見えた。
ワールドプレミア上映が行われたパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレのシアター・リュミエールの約2,300席は満席。本編の終盤、エンドロールに差し掛かるやいなや、早くも場内からは惜しみない拍手と歓声が巻き起こり、劇場を埋め尽くした観客たちから約6分間のスタンディングオベーションで賞賛を受けた。
鈴木唯「めっちゃくちゃ嬉しいなぁって身体の底から感じた」
上映後に行われた日本メディア向けの囲み取材では、早川監督は「映画祭の1番大きいリュミエールで上映するのは初めてでしたが、場内の熱気が段違いで、胸が一杯になりました」と上映を振り返った。
また、初めての国際映画祭への参加となる12歳の新鋭・鈴木は「私は、俳優を始めてたった2年でカンヌに行けてしまい、びっくりしています。自分が想像していた以上に、観客の皆さんがワァーと反応してくれたり、“ユイ”って声を掛けてくれたり、(今までに自分が)見たことがないぐらいの数の人に映画を見てもらえて、すごく嬉しかったです」と答え、「経験したことがないことばかりでびっくりしたけど、あ~めっちゃくちゃ嬉しいなぁって身体の底から感じました」とはにかんだ。
次に、石田ひかりに俳優・鈴木唯の魅力について尋ねると「唯ちゃんはまだ幼いので、深いところで本作のことを理解することはできない部分もあるでしょうが、ただただ自転車を漕ぐとかそこに存在するということができるというところがとっても素敵だと思います」と鈴木の純粋無垢な存在感を称賛。
また、リリーは「撮影当時11歳で、何かになりかけている、その一瞬の夏を監督が切り取ったからこその生々しさと彼女の演技力がすごくマッチしている。演技だけではなかなか成立しない魔法の一瞬を早川監督が収めた、稀な映画だと思います」と本作の貴重性を力説した。
早川監督は、「子どもに演出をするのは難しいだろうなと覚悟を持って挑んだのですが、唯ちゃんは何も言わなくても演技をしてくれて、監督としては非常に楽でした。どうやったらこんな風にできるんだろうなって思うことばかり。唯ちゃん様々でした」と明かし、鈴木の柔軟さと高い演技力に感謝を述べた。
『ルノワール』は2025年6月20日より全国公開。
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