圧倒的強さを見せた『ジュラシック・ワールド』。ベスト3は洋画が独占!

#映画興収レポート

『ジュラシック・ワールド』
(C)2015 Universal Pictures
『ジュラシック・ワールド』
(C)2015 Universal Pictures

8月公開作の1位は『ジュラシック・ワールド』の71億円。7月公開の邦画の話題作『バケモノの子』『HERO』の興収を上回り、夏映画ナンバーワンヒットだ。先行した米国ではオープニング興収の歴代新記録を樹立し、海外でも大ヒット。その勢いが日本公開でも表れた。

客層は幅広く、『ジュラシック・パーク』シリーズを見た世代を親に持つファミリー、ティーン、そして20〜40代カップル。宣伝では、「あのテーマパークが、遂にオープンする」とキャッチコピーを付け、「映画館」ではなく「テーマパーク」に行く感覚をアピールした。シリーズで初めて3D化され、「テーマパークにいるたような臨場感がある」と観客に好評。さらに、テーマパークアトラクションのように映画を体験できる4DXやMX4Dも高稼働。ファミリー層の動員には吹き替え版が貢献している。

2位は『ミニオンズ』の45億円(7月31日公開だが、8月公開作扱いとした)。『ミニオンズ』は『怪盗グルー』に登場した、一頭身の黄色いキャラのミニオンたちが主人公。シリーズ過去2作は、『怪盗グルーの月泥棒』(10年)が12億円、『怪盗グルーのミニオン危機一髪』(13年)が25億円で、今作で「ホップ、ステップ、ジャンプ」となる。

客層はファミリー層が中心だが、女子中高生も多い。2作目から増えた客層で、前回はLINEの公式スタンプとしてミニオンを無料で配信するなどしたことが奏功した。今回はミニオンを前面に押し出したウェブ宣伝に注力し、徹底的にキャラクターを売り出した。

もう1つ、今作の大ヒットに貢献しているのが日本語吹き替え版のキャスティングだ。ミニオンたちが弟子入りする女悪党スカーレットに天海祐希、スカーレットの夫で発明家ハーブに人気声優の宮野守真、旅の途中で出会う悪党家族の父親をバナナマンの設楽統、息子を日村勇紀に依頼した。天海とバナナマンはメディアでの注目度が高く、露出度アップにつながった。一方、宮野は今最も人気のある声優でファンの動員を狙った。ブログでの発信力が強く、彼が作った人形とミニオンがコラボしてブログに登場すると、ファンの間で大きな盛り上がりを見せた。

3位は『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』の41億円。7月末にトム・クルーズが来日し、8月3日には東京・新宿東宝ビル前で行われたジャパンプレミアに出席。レッドカーペットが新宿東宝ビルからドン・キホーテ新宿店方面まで60メートルにわたって敷かれ、クルーズは集まった報道陣の取材をこなしながら熱心なファンサービスを披露し、およそ2時間をかけてカーペットを歩いた。プレミアにはクルーズと共に来日したクリストファー・マッカリー監督、ブライアン・バークに加え、ゲストに宝塚歌劇団・宙組の男役スター朝夏まなと、お笑いコンビ・ピースの綾部祐二、タレントの叶恭子らも登場して会場を沸かせた。

なお、累計発行部数が5000万部という人気から大きな話題となった実写版『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』は29億円だった。(文:相良智弘/フリーライター)

[8月公開作ランキング]
1位『ジュラシック・ワールド』71億円
2位『ミニオンズ』45億円
3位『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』41億円
(8月30日時点。ムビコレ調べ)
※『ミニオンズ』は7月31日公開だが、8月公開作扱いとした

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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