「死の準備はできています」という樹木希林、遺産半分要求の夫に「ロックには負ける」

ナレーション収録中の樹木希林
ナレーション収録中の樹木希林
ナレーション収録中の樹木希林
樹木希林(左)と豪田トモ監督(右)

妊娠、出産、育児を通じ命の尊さを描いて多くの人々の共感を得てヒットしたドキュメンタリー映画『うまれる』。その第2弾となる『うまれる ずっと、いっしょ。』のナレーションを樹木希林がつとめることとなり、6月17日に都内スタジオで収録が行われた。

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本作は、血のつながりのない家族、長年連れ添った妻を亡くした喪失感を埋められない夫、重い障害をもって生まれた子どもを育てる夫婦の3つの家族の姿を通じて、生きることの意味を問う本作。昨年3月に全身にガンがあることを告白した樹木は、ナレーションを引き受けた理由について「ガンという病気の体験で、人生観や家族関係、様々経験しました、その経験を映画に息吹を吹き込むことができれば」と語った。

また家族の有り様についても、「家族はそれぞれ問題を抱えている。人間はそういうもの。問題を抱えて生きていく。家族とは、大変なときも、歓びのときもある」と人生経験を深くにじませた意見を述べ、「娘がどこかの取材で『自分は父がいなくて母と暮らしてきました。母は子育てしたとは言わず、よく世の中に育ててもらった、と言います。いま、父のいる家族を持って、初めて、父の存在がたいへん大事だと気付きました。そして初めて、父のいない自分に寂しさを感じました』と言ってました。それはそれでいいんじゃないかと。すべて満足する人生もないでしょうから」と語った。

ガン治療は特に行っていず、「死の準備はできています」という樹木。夫・内田裕也からは時々「生きてるか」と電話があるという。さらに内田は「ハンコはわかるところに置いておくように。(遺産を)半分はもらう資格がある。助け合うのがあたりまえだ」と話しているそうで、「ロックには負けます」と苦笑い。娘・内田也哉子が「父さんを残されたら大変」とこぼしていることも打ち明けた。

映画について豪田トモ監督は「3組の家族を通し、家族のつながりを感じていただきたきたいと思った。作ろうと思ったきっかけは、親との仲が悪く関係を改善したかった。そして私自身も家族を持ち、どう父になるかを探求しています」とコメント。樹木は「この映画の登場人物は、リアルに問題を抱えている、がとくに大変とは思わない。自分のこととして、体を通過して、人に伝えていきたい」とアピールした。

『うまれる ずっと、いっしょ。』は今秋公開予定。

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