『ノルウェイの森』を超えた!? 園子温監督の最新作がヴェネチア映画祭で拍手喝采!

左から、でんでん、園子温監督、黒沢あすか、吹越満
(C) Kazuko Wakayam
左から、でんでん、園子温監督、黒沢あすか、吹越満
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左から、でんでん、園子温監督、黒沢あすか、吹越満
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ヴェネチア国際映画祭に参加した園子温監督たち
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上映後の劇場で感動の余韻を味わう園子温監督たち
(C) Kazuko Wakayam

園子温監督の最新作『冷たい熱帯魚』が、現在開催中の第67回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門で現地時間9月7日21:30から公式上映され、園監督とキャストの吹越満、でんでん、黒沢あすかが出席。上映後は、2日に同映画祭で公式上映された『ノルウェイの森』を上回る6分にもおよぶスタンディングオベーションに包まれた。

『冷たい熱帯魚』作品紹介

実際に起きたいくつかの連続猟奇殺人事件からインスパイアされた人間の狂気と極限の愛を描いた作品。『愛のむきだし』などで世界的に高い評価を得ている園監督の新作とあって、劇場は上映前から熱気に包まれていた。

これがワールドプレミアとなったわけだが、上映終了後に「観客の手応えを感じました」と園監督。「スタンディングオベーションは長くて、ちょっと立ち疲れたかな」と余裕の笑みを浮かべ、「衝撃的な内容にもかかわらず観客のみなさんがほぼ途中で帰ることなく見ていただいたのが本当に嬉しいです。この作品は何回か見ていくうちにコメディにも見えてくるはず」と語った。

主演の吹越は「自分が出ている作品とはいえ、映画を見るだけでこんなに疲れる経験も初めて」と、パワフルな作品であることを示唆。また黒沢は「結構、劇場が笑いに包まれていて意外だなぁとびっくりしました。30代も終わりに近づき、もうひとつ何か残したいと思っているところでこの作品に出会えて本当に嬉しい。園子温監督に出会えて本当に感謝しています。出会うべくして出会ったという感じでしょうか」と運命的な作品であると語った。

一方、上映終了の間際にトイレに立ってしまい、スタンディングオベーションに参加できなかったのがでんでん。「海外の映画祭は初めてで、緊張が最高潮に達して、最後にトイレで途中退席して申し訳ありません。ネタでもなんでもないですよ(笑)」と詫びていた。

本作はすでに、フランス、ドイツをはじめ10カ国での公開が決定。さらに今後は、9日から始まるトロント国際映画祭、10月7日から始まる釜山映画祭に出品されるという。

『冷たい熱帯魚』は2011年正月第2弾、テアトル新宿ほかにて全国順次公開される。

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