夏休み映画、興収100億超え狙うのは『ジュラシック』と『コード・ブルー』!

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『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
(C)Universal Pictures
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
(C)Universal Pictures

7月公開作1位は『ジュラシック・ワールド/炎の王国』。公開後17日間の興収は49.2億円。15年の前作(95.3億円)は8月5日(水)の公開だったが、本作は7月13日(金)に設定。「夏映画の本命」として早めに公開し、海の日3連休と7月の夏休みも集客して、前作では届かなかった100億円超えを狙う。

海外で稼ぐ『ミッション・インポッシブル』。特に日本で根強い人気

6月27日に来日したクリス・プラットやブライス・ダラス・ハワードらがジャパンプレミアに出席。また、日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で『ジュラック・パークIII』『ジュラシック・ワールド』を2週連続で放送したり、USJのナイトパレードに『ジュラシック』が登場して話題性作りに一役買った。子ども連れの親子や夫婦、カップル、友人同士など、映画館には老若男女問わず幅広い客層が訪れ、前作に引き続きMX4D、4DX、IMAX版も満席の映画館が続出している。

2位は『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』。前作は35.5億円をあげてV字回復したが、本作は公開後17日間で16.5億円。前作をやや下回る出足となっている。前作はサトシとピカチューの初めての出会いを描く原点回帰の物語で、大人を集客してV字回復につなげた。本作は前作に続く物語。配給元・東宝によると客層は小学1〜3年生が30.2%、20代が17.5%、小学4〜6年生が11.8%。本作も大人の集客に成功している。

3位は人気ドラマの映画化『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』。7月27日から公開され、公開後3日間で15.5億円をあげる絶好調スタートを見せている。配給元の東宝では「100億円が見込める」と発表している。3シーズンにわたって放送されたドラマの根強い人気に加え、山下智久ら出演者が製作元のフジテレビのバラエティ番組などでPRに務めた。最終的に100億円に届けば、邦画実写としては03年『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』(173.5億円)以来、15年ぶりとなる。

4位は細田守監督の新作『未来のミライ』。09年『サーマーウォーズ』(16.5億円)、12年『おおかみこどもの雨と雪』(42.2億円)、15年『バケモノの子』(58.5億円)と右肩上がりで興収を伸ばしてきた。本作は公開後10日間で11.8億円。『バケモノ』の約70%の出足となっている。日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で細田監督の『時をかける少女』『バケモノの子』を2週連続で放送。注目度を高めた

5位は男子高校生4人の恋と友情を描く『虹色デイズ』。

なお『BLEACH』は7月20日から公開され、10日間で3.6億円。人気マンガの実写映画化としては『ジョジョの奇妙な冒険』『鋼の錬金術師』に続き伸び悩んでいる。(文:相良智弘/フリーライター)

[7月公開作ランキング]
1位『ジュラシック・ワールド/炎の王国』49.2億
2位『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』16.5億
3位『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』15.5億
4位『未来のミライ』11.8億
5位『虹色デイズ』4.8億
(7月29日時点。ムビコレ調べ)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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