ノルウェー最大の罪を描いた告発作に有識者も衝撃

ホロコーストに加担したノルウェー最大の罪を描いた衝撃の実話『ホロコーストの罪人』が、8月27日より全国で公開される。いよいよ公開を間近に控え、さまざまな分野の著名人9名から絶賛のコメントが到着した。

・ノルウェーの罪を暴く衝撃作 監督「映像化しないなら映画を作る意味がない」

同作は、ホロコーストにノルウェー警察・市民らが加担していたノルウェー最大の罪を描いた知られざる衝撃の実話である。

ノルウェー系ユダヤ人たちをベルグ収容所に連行して強制労働を監視し、アウシュヴィッツ行きのドナウ号が待つオスロの港に強制移送したのは同じノルウェー人であり、その結果、ドナウ号に乗船したノルウェー系ユダヤ人の多くがアウシュヴィッツでホロコーストの犠牲者となった。

なぜユダヤ人一家、ブラウデ家の幸せは奪われなければならなかったのか……? 遠い出来事のように思える歴史的悲劇を、平凡なブラウデ一家を通して描くことで今を生きる人々にも身近な恐ろしさとして訴えかける、感情を大きく揺さぶる壮大なドラマだ。

・映画『ホロコーストの罪人』ポスタービジュアルはこちら! 

経済小説 『ハゲタカ』シリーズの著者として知られる真山仁は「被害者が、加害者となる……それが正当化されてしまう戦争という名の不条理」と戦争に向けての怒りをコメントを残し、脳科学者の茂木健一郎は「歴史の重く暗い時間の中で、心を寄せ合って生きた人たちの命の温かさが、美しく抑制された画面の中で、希望のともしびのように感じられた」とし、「忘れないためにも、この作品を心に刻みたい」と賞賛した。

また、フリーアナウンサーの笠井信輔は「ノルウェーのユダヤ人をアウシュヴィッツに送っていたのはノルウェー人だった。家族を思いやる愛が隣人によって引き裂かれてゆく“ノルウェーの闇”を描く製作者たちの覚悟に心震えずにはいられない」と衝撃を受けた様子。

映画作家の森達也も「普通の人々がユダヤ人迫害に加担する。目を背けたくなる歴史を凝視し、不都合な自画像をしっかりと映画にする。自分は加害者なのだと自覚する。見ながら思う。僕が生まれたこの国でこんな映画はできるのか。いや作らねばならない。だから大嫌いなフレーズを最後に敢えて使う。勇気をもらった」と自問自答した。

「人類の蛮行を再認識させる作品だ」

元東京都知事で国際政治学者の舛添要一も「ドイツ本国のみならず、ナチスが占領した国々でもホロコーストの犯罪があった。この映画が描くノルウェーの例は、人類の蛮行を再認識させる。衝撃の告発映画だ」と語った。

また、医師で作家の鎌田實は「普通の市民がノルウェーからアウシュヴィッツへ隣人を送り込んだ悲しい記憶。隠蔽したい過去は誰にでも、どこの国にもある。二度と戦争をしないために見ておきたい衝撃的作品」と語り、ジャーナリストの浜田敬子も「多様性という言葉をこれほど見た夏はなかっただろう。だからこそ、もう一度考えたい。自分が多様性の本質を理解しているか。性別や国籍、民族によって差別をしていないか。この映画はそれを深く考えるきっかけになる」とコメント。

女優の萬田久子も「あり得ない辛さのドン底から跳ね返ってくる人間の笑顔。笑い声に生きるという意味とエネルギーをプレゼントされた。こんなに苦しく切ない辛さは、絶対に絶対にいらない」と絶賛の声を寄せ、俳優の古舘寛治も「負の歴史を今もまだ描き続ける。欧州の社会的成熟はこういう歴史と向き合う態度と明らかに関係している。教科書では遠い歴史が目の前に現れ、それを体験させられる。俳優と演出の質が高くその体験のリアルに脱帽した」と、感想を述べた。

『ホロコーストの罪人』は8月27日より、全国で公開される。