スピルバーグ監督がアンチNetflixを返上? ハリウッドから驚きの声上がる

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スティーブン・スピルバーグ

今年は約2兆円を作品に投下!の太っ腹

スティーブン・スピルバーグ監督の製作会社アンブリン・パートナーズはネットフリックス向けに毎年複数の映画を製作する契約を結んだ。映画業界紙バラエティは「この提携はハリウッドで驚きを持って受け止められている」と報じた。というのも、2019年にスピルバーグ監督はアカデミー協会に対し、劇場公開と同時配信される作品をアカデミー賞の対象から外すよう働きかけたと報じられたからだ(後に監督はニューヨークタイムズ紙でこれを否定した)。現在アンブリンは、ハリウッドメジャースタジオの1社、ユニバーサルと製作契約を結んでいるが、これは引き続き継続。ユニバーサルの建物内にあるアンブリンのオフィスも維持される。

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ネットフリックスはアンブリンの製作作品を配信した実績がある。今年のアカデミー賞で作品賞など6部門候補になった『シカゴ7裁判』はアンブリンが製作し、パラマウントで配給される予定だったが、コロナ禍を受けてネットフリックスに売却された。現在はアンブリンとネットフリックスの共同製作で、ブラッドリー・クーパーが主演・監督を務め、伝説的な作曲家レナード・バーンスタインを主人公にした『マエストロ』(原題)の企画が進められている。

大物監督がネットフリックスで作品を製作する事例は増えている。マーティン・スコセッシ監督は『アイリッシュマン』、スパイク・リー監督は『ザ・ファイブ・ブラッズ』、デビッド・フィンチャー監督は『Mank/マンク』。フィンチャー監督は昨年11月にネットフリックスと4年間の映画製作契約を結んでいる。

20年、コロナ禍で新作映画の公開が延期され、収入減に見舞われたハリウッドメジャースタジオを横目にネットフリックスは会員数を伸ばした。同社では21年に170億ドルをコンテンツ投資に振り向ける計画だ。今後も大物監督や有望なクリエイターがネットフリックスになびく傾向は続きそうだ。(文:相良智弘/フリーライター)