コロナ禍で襲う「#生理の貧困」の問題で考える…女性であることのコスト

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4月6日にNHK総合テレビで放送された「クローズアップ現代+」で、「生理の貧困」が特集された。番組では生理用品を買えずに苦しむ若い女性が出演し、トイレットペーパーと食品用ラップで“自作”のタンポンを作っている生々しい姿が映し出された。NHKでも、過去、ニュース番組のワンコーナーとして扱ってきた問題だが、このような特集番組で報じられた点は、この問題の切実さを物語っているといえるだろう。

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生理用品の生涯コストは平均45万6000円 求む政府主導の対策

学生が中心となった女性団体「#みんなの生理」(@minnanoseiri)共同代表の谷口歩実氏(@ayumits_periods)はツイッターを中心に、生理用品への軽減税率の適用や学校での無料配布を求める活動を行っている。同団体が行ったネットによるアンケート調査で、「買うのに苦労した経験がある学生」はおよそ5人に1人。また生理が原因で学校を休むなど、生活に支障が出ている人も半数近くに上ることが分かっている。

一方で、お笑いコンビ「​フォーリンラブ」のバービーが、自身のYouTubeチャンネル「バービーちゃんねる」の中で、持ち前の明るさで生理に関する動画を配信するなど、「生理の現実」をタブー視する向きは、徐々に打破されつつあるのは、女性にとっては、かすかな光明といえるだろう。

毎月、女性だけにやってくる生理。月のうち、3日~1週間、不快感と生理痛によって、心身ともに調子が下がり、症状が重い人は体を動かせなくなる。また、生理用品を揃えるのに費用もかかる。コロナ禍によって、減収を余儀なくされた女性にとって、「生理用品が買えない」といった問題も顕在化されたことも、番組の中で指摘している。そこで、生理があることで女性にどれだけの経済的負担がかかっているかを見ていく。

生理周期が28日と1回の生理期間が5日間として、生理が順調にきたとして計算すると、一生のうち生理の日数は約2470日。年数にすると、約7年もの間は生理と付き合うということになる(12歳で初潮、50歳で閉経として試算)。

ショッピングサイトや比較サイトなどを参考にして試算すると、生理用品(ナプキンかタンポン)購入だけで、平均月1000円。生涯(生理のある期間が38年間として試算)に換算すると、約45万6000円となる。ただし、これは生理用品のみの費用で、生理中にのみ使用する下着や衣類、生理痛が重い時に飲む痛み止め薬の代金や、生理不順等で病院にかかったときの医療費、ピルに切り替えた時の費用(※ピルに関しては、保険適用となるのは月経困難症、子宮内膜症の女性のみで、基本的には自費診療)、携帯用ビデなどがかかり、実際にはさらに高額となる。生理痛がひどい人や出血量が多い人であれば、生涯で100万円以上使うという方もいる。

女性にとって生理とは、コロナ禍には関係なく、衣食住の一部であり、人生や日々の生活において、切っても切り離せない存在だ。しかしながら、日本では生理用品が軽減税率対象にもなっていない現実がある。世界に目を向けると、韓国や米国、英国などでは非課税になっている。一部自治体やNPOでは、無料配布の活動もなされているようだが、マスクと同じように重要な生活必需品と位置付け、政府主導の時限立法として緊急予算を付けた上で、せめて生理用品(ナプキン、タンポン)に関しては無料とする暫定的措置を、一時給付金や持続化給付金のようなスピード感で推し進めることは必要ではないだろうか。

(文:寺島武志/フリーライター・編集者)