『家族を想うとき』で本気の“働き方改革”を思う…独女が真面目にハマった映画

#映画#LGBT#ヴィゴ・ モーテンセン#ケン・ローチ#ホアキン・フェニックス#マハーシャラ・アリ#独女

『家族を想うとき』
photo: Joss Barratt, Sixteen Films 2019
『家族を想うとき』
photo: Joss Barratt, Sixteen Films 2019

【独女のお勧め】前編/オスカー受賞作からNetflix作品まで、2019年にハマった映画はコレ!

昨年は『カメラを止めるな!』や『ボヘミアン・ラプソディ』といった作品が社会現象を巻き起こしましたが、2019年は『天気の子』をはじめ、『アラジン』、『トイ・ストーリー4』の3作品が日本での興行収入100億円を突破して大ヒット。そのほかにも、多くの作品が話題を呼んだ1年でしたが、そのなかから筆者が独女目線でハマった映画10本をご紹介します。

2019年邦画ランキング1位は『天気の子』、『翔んで埼玉』も健闘!

先日、ゴールデングローブ賞のノミネートが発表され、これから賞レースがますます盛り上がりをみせるところですが、昨年度の賞レースをけん引した作品のひとつでもあるのは『グリーンブック』。人種差別やLGBTといったいまなお社会が抱える問題を背景にしつつ、天才黒人ピアニストと白人の用心棒という異なる2人の間に生まれる絆を描いた人間ドラマです。ヴィゴ・ モーテンセンとマハーシャラ・アリが繰り広げる見事なやり取りも見どころですが、男同士の友情や夫婦の愛など普遍的なストーリーには、独女をはじめ幅広い層が素直に心を動かされる作品となっています。

続いては、本年度の賞レースを席巻中のNetflixオリジナル映画『マリッジ・ストーリー』。すれ違う夫婦の思いをそれぞれの視点から描き、離婚までの葛藤が描かれている物語だけに、結婚経験者と未婚者では共感ポイントが分かれそうなところ。愛だけでは続けられない結婚生活の実態や働く女性ならではの苦悩、過酷な離婚事情など、結婚に対して夢を抱く独女たちにとっては結婚観を考え直すきっかけにもなるかもしれません。アダム・ドライバーやスカーレット・ヨハンソンをはじめ、俳優陣の演技が光る1本ですが、特にアダムが「Being Alive」を歌う場面は必見。思わず心まで泣けてくる名シーンです。

俳優の演技が光るといえば、こちらも外せないのが『ジョーカー』。日本でも異例の大ブームとなり、普段映画館に行かない層までもが劇場に足を運んだほど。社会に対して抱えている鬱屈した思いや不条理さが多くの共感を呼んだとも言われていますが、特筆すべきはやはりホアキン・フェニックスが見せる怪演と圧倒的な存在感。23キロもの減量をして挑んだことも話題となっていますが、“カメレオン俳優”とも呼ばれるホアキンだけに、これまでも作品によって別人のような姿を見せているので、これを機にぜひ過去の出演作を遡るというのもオススメしたいところです。

そして、現在の日本でも起きている問題を取り上げているのは、巨匠ケン・ローチの『家族を想うとき』。過酷な労働環境や仕事に追われてばかりいる日本人はもちろん、同じ個人事業主である筆者としても身につまされるテーマです。家族を幸せにするために働いているはずが、いつしか家庭崩壊へと突き進んでしまう様は、もはや他人事ではありません。日本も新たな時代を迎えたいまこそ、仕事や家族の在り方に対して、見直すべき時がきているのだと考えさせられる作品。言葉が浸透しただけで実情は改善されていない感のある「働き方改革」についても、本気で取り組むべきだと感じるはずです。

そんななか、まずは自分自身の人生を一歩前に進ませたいという気持ちにさせてくれるのは『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』。不器用でシャイな少女が立ちはだかるいくつもの壁とぶつかりながらも、中学校生活最後の1週間で自分を変えるために奮闘する青春ストーリーです。極度の人見知りだった学生時代を過ごした筆者にとっては、胸の奥がチクりと痛むと同時に、愛おしさでいっぱいに。こじらせ独女には共感度が高めですが、オバマ前米大統領が2018年の年間ベスト映画に選出したり、アルフォンソ・キュアロン監督が涙したりと、意外とおじさんもハマる感動作です。(後編へ続く)

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