人生で難しいのは成功のチャンスをつかみ取ることではなく、持続させていくこと

#家族のはなし

『家族のはなし』
(C)『家族のはなし』製作委員会
『家族のはなし』
(C)『家族のはなし』製作委員会

ラブコメ、アクション、ホラー……。どんな映画でも、ついつい“子育て”に結びつけて見てしまうママさんライターが、話題作をママ目線で取り上げます!

【ついついママ目線】『家族のはなし』前編
鉄拳のパラパラ漫画を映画化

パラパラ漫画家としても活躍する芸人・鉄拳の原作をもとに実写映画化した『家族のはなし』が公開された。鉄拳の絵柄の真面目さと手作りのアナログな温かみを感じるパラパラ漫画のイメージを壊すことなく、素朴で優しい気持ちになれる感動ドラマだ。

鉄拳のパラパラ漫画がディズニーに認められた!

鉄拳自身も出身地である長野県から上京した青年・拓也が主人公。大学生活の傍らでバンド活動をする拓也だが、いつしか学業はおろそかになり、バンド活動の方も行き詰まってゆく。

夫婦でリンゴ農園を営む父親が倒れたという一報を受けて久しぶりに里帰りする拓也を、大事には至らずに元気な父と優しい母が温かく迎える。地元で地道に働く同級生・明日香の計らいで母校での拓也のバンドの凱旋ライブの話が持ち上がり、バンド存続の危機に立たされている拓也は困窮する。

拓也は幼少期にもスポーツで神童と呼ばれるほどの実力を誇っていたが、ケガで進むべき道を失って挫折した経験があった。苛立つ拓也に諭すわけでも非難するわけでもなく見守る父親に、何もない田舎で同じことを繰り返すつまらない人間だ!と八つ当たりする拓也だったが……。

人生において成功するチャンスは意外と、さほど難しくはなく回ってくることがある。大人になって思うのは、本当に難しいのは、それを持続させていくということだ。拓也は幼少期にすでに挫折を味わい、バンド活動でも辛い思いをしている(後編へ続く…)。

後編「子どもが本当に望んでいるのは愛されること。静かに響く家族の物語を見て思う」