なにわ男子・西畑大吾。絶品泣き演技から間が絶妙なコメディ演技までの変遷をたどる<後編>

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KAPPEI
(C)2022 映画『KAPPEI』製作委員会 (C)若杉公徳/白泉社(ヤングアニマルコミックス)

前編より続く)
2021年11月『初心LOVE(うぶらぶ)』でCDデビュー以来、飛ぶ鳥を落とす勢いの7人組ジャニーズアイドルグループ・なにわ男子。グループのセンターを務める西畑大吾は、その小動物的な愛くるしいルックスと天才的なウィンク技術で、女子のみならず男子をも虜にする“圧倒的なアイドル感”が魅力だが、実は、グループきっての芝居上手という顔を持つ。

そんな西畑が出演する『KAPPEI カッペイ』が3月18日に公開されるのを機に、西畑の役者としてのキャリアと本作での西畑の見どころについて触れたい。

なにわ男子・西畑大吾。絶品泣き演技から間が絶妙なコメディ演技までの変遷をたどる<前編>

『必殺仕事人』で見せた死に際の美しい涙

前編で述べたように、素朴な好青年から、アイドルドラマでのキュンキュン係、サイコパスな役まで幅広く演じてきた西畑だか、彼の真骨頂はやはり、『ごちそうさん』で開花させた泣きの演技だ。

2021年4月に放送されたバラエティ番組『教えてもらう前と後 2時間スペシャル』(TBS)に出演した際は、
ずんの飯尾がボックスから引いた感情カード「悲しい時の」×台詞カート「いつもありがとう」を元に、一瞬で感情を作り、泣いてみせるという演技力を披露。一同を驚かせた。

そんな西畑の泣きの演技が印象的だった最近の作品としては、2021年5月『ジモトに帰れないワケあり男子の14の事情』(ABCテレビ)と2022年1月の『必殺仕事人』(ABCテレビ・テレビ朝日)がある。

『ジモトに帰れない~』は『年下彼氏』と同じく、関西ジャニーズJr.が出演したオムニバスドラマ。西畑は、第5話「いえないふたり」に主演。いつかは映画監督に、と思いつつ、日々の雑用に追われる助監督・新太役を演じた。ほとんど2人芝居とも言える本作の相手役は勝村政信。会社員を辞め、俳優になる決意をした吉田(勝村)。やっとつかんだドラマの撮影日が、別れた娘の結婚式と重なってしまう。悩む吉田に、新太は結婚式用のメッセージビデオを撮影することを提案。撮影を買って出ることに。娘への思いを涙ながらに語る吉田を前にした新太も泣きながらファインダーをのぞくというシーンが印象的だ。

勝村は、カメラに向かって涙を流すシーンの撮影時、西畑は自分が映っていない時も、大粒の涙を流していたことを明かし「素晴らしい俳優と仕事ができて感謝」というコメントを寄せている。

そして、スペシャルドラマ『必殺仕事人』。西畑は、King&Prince岸優太が演じた岡っ引き・亥ノ吉の弟で絵師の才三役を演じた。亥ノ吉は自分が捕らえた罪人がお上の圧力で無罪放免となったことに失望し、「晩来」という世直し組を結成し、悪事を暴き始める。その悪事を告発する絵を描くのが才三の役目だ。ところが亥ノ吉が暴走、制止しようとした弟の才三を刺すという暴挙に出る。(岸の狂った演技も秀逸だった)刺された才三は最後の力を振り絞り、兄の暴走を止めるべく、仕事人の依頼場所である祠へ。林の奥では才三の絵の師匠であり才三が密かに思いを寄せる仕事人・涼次(松岡昌宏)が見守っている。そしてついに力尽きた才三は愛しい涼次の胸に抱かれ、息絶える。その瞬間、ツーっと涙を一筋。その涙と死に顔の美しさときたら…! ジャニーズの先輩である松岡も「なんて感性の鋭い子なんだ」と感心したという。

きゅるるんおめめでツッコミさく裂! 西畑ファン必見『KAPPEI カッペイ』

このようにその演技力の高さから、ポスト二宮和也とも称される西畑だが、映画には下記の5作品に出演している。
『関西ジャニーズJr.の目指せ♪ドリームステージ!』(2016年)主演・水上風太役
『PとJK』(2017年)永倉二郎役
『関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生!』(2017年)主演・高浜優輔役
『ラストレシピ?麒麟の舌の記憶?』(2017年)鎌田正太郎役
『映画 少年たち』(2019年)炭谷役

そして『KAPPEI カッペイ』では、コメディに挑戦。「関西人だからってみんながおもしろいと思われたら困るんです。僕、全然おもしろくないので」といったニュアンスのコメントをよくしてきた西畑だが、本作では、関西人の感性がさく裂! ひたすらムキムキで突き抜け過ぎている主役の勝平(伊藤英明)を筆頭に、守(大貫勇輔)、正義(山本耕史)、英雄(小澤征悦)ら、名だたる名優にツッコミ倒すのだ。

『デトロイト・メタル・シティ』の漫画家・若杉公徳によるギャグ漫画を実写映画化した『KAPPEI カッペイ』はまさに抱腹絶倒のエンターテインメント超大作。

1999年7月に世界が滅亡するというノストラダムスの大予言を信じ、乱生の救世主となるべく、人里離れた地で殺人拳・無戒殺風拳(むかいさっぷうけん)の修行に人生を捧げてきた勝平たち。しかし、乱世の世になる気配など一向に感じられないまま、ある日、師匠(古田新太)から解散を告げられる。右も左も分からぬまま大都会にたどりついた終末の戦士たちは、遅すぎた青春を謳歌すべく、恋に身を捧げるのであった、という奇想天外なストーリーだ。

40代の名優たちが、筋肉美を見せつけるべく用意された奇抜すぎるコスチュームに身を包み、捨て身の演技を繰り広げる中、西畑演じるフツーの大学生・啓太は、その絵面の強さに一瞬戸惑ってしまう視聴者代表といった立ち位置だ。

なぜか終末の戦士たちのお世話係となってしまう啓太だが、そのおどおどした雰囲気、絶妙な間でのツッコミ、物語が進むにつれてマシマシになっていく変顔…。オンザ眉毛の前髪にバッグ斜め掛け、キュルルンおめめまで込みで、西畑の魅力があふれまくっている。強烈なビジュアルの中年たちの間にあって、一服の清涼剤、といった役割もあるだろう。西畑ファン、必見なのは言うまでもない。

そして、個人的な感想であるが、久しぶりに、本当に声を出して大笑いした。このストレスの多い世の中にあって、大の大人が大真面目にふざけ倒したこの作品。西畑ファンのみならず、すべての老若男女にぜひおすすめしたい。(文:うさぎ文体研究所)

『KAPPEI カッペイ』は、2022年3月18日より公開。