【今日は何の日】ミスコンの日に見たい、磨かれっぷりが見事な痛快作と男性がミスを目指す感動作

#MISS ミス・フランスになりたい!#アレクサンドル・ヴェテール#サンドラ・ブロック#デンジャラス・ビューティー#ミスコンの日#今日は何の日

『MISS ミス・フランスになりたい!』
『MISS ミス・フランスになりたい!』
(C)2020 ZAZI FILMS ‒ CHAPKA FILMS ‒ FRANCE 2 CINEMA ‒ MARVELOUS PRODUCTIONS
『MISS ミス・フランスになりたい!』
『デンジャラス・ビューティー』特別版 DVD

3月5日は「ミスコンの日」だそうだ。日本初のミスコンに由来して制定された日であるが、現代のミスコンとは少し様相が異なる。当時は、全国から「良家の淑女」の写真を募集して審査するという形式で、それが日本初のミスコンとされている。その審査結果が公表されたのが、1908年(明治41年)の3月5日というわけだ。そこで、今回はミスコンにちなんだ映画をご紹介したい。色気のかけらもない女性が意に反してミスコンに出るハメになる映画と、女性もうらやむ美貌の男性が幼少期からの夢を叶えてミスコン出場を果たす、という対照的な2作品だ。

『MISS ミス・フランスになりたい!』ルーベン・アウヴェス監督インタビュー 

ボサ髪のサンドラ・ブロックが華麗に変身! 『デンジャラス・ビューティー』

まずはアメリカ映画の『デンジャラス・ビューティー』(01年)。サンドラ・ブロック演じる男勝りのFBI女性捜査官が、潜入捜査のためミス・ニュージャージーとしてミスアメリカコンテストへの出場を命じられる。もちろん主催者側は了承済みである。ただし、いくら潜入捜査とはいえ、他の出場者に混じっても浮かないようそれなりに仕立て上げなくてはならない。普段は1本縛りのボサボサ髪で化粧っ気ゼロの主人公が、エレガントなレディーになるための時短英才教育を強制的に受けるハメになる。

素材は申し分ないので見る側も「磨いて光るのは当然」とわかってはいるものの、その教育過程はそれを度外視して楽しめる痛快さがある。「美人の女性は頭が空っぽ」という一昔前のステレオタイプを踏襲したような出場者のキャラ設定も楽しい。劇中のサンドラも、最初は「ミスコンに出るのはどうせお馬鹿さんばかりでしょ」とミスコンや出場者を馬鹿にしているのだが、出場者との交流を経てその意識が少しずつ変わっていくのである。

 『デンジャラス・ビューティー』特別版 DVD

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ジェンダーを超えた美貌が話題に! 『MISSミス・フランスになりたい』

続いてはフランス発のミスコン映画で、美貌のジェンダーレスモデル、アレクサンドル・ヴェテール初の主演映画としても話題になった『MISSミス・フランスになりたい!』(20年)だ。ジャン・ポール・ゴルチエのショーに出演してその容姿端麗さは世間に認知されていたものの、映画の中の美しさもまた圧巻である。

自分のジェンダーに関する迷いや世間の蔑みの目、幼い頃に両親を亡くした境遇など様々な要因により心に影を宿している主人公は、美貌に恵まれてはいるもののどこか表情に影があり自信なさげだ。小学生の時クラス全員がみんなの前で将来の夢を発表する場面で、「ミス・フランスになりたい」と言って馬鹿にされたときの屈辱が未だ忘れられずにいる。その反面、諦めることなくその夢をずっと持ち続けてもいた。そしてついに、夢の実現に向けて動き出すのである。ミスコンへの出場を通じてようやく長年の自分探しの旅の終わりを迎えるラストに、涙腺を刺激される方も多いかもしれない。

ミス・フランスになりたい!

『MISS ミス・フランスになりたい!』

ジェンダーや容姿にとらわれて人を格付けすることがナンセンスとされる現代、ミスコンはやや時代遅れのイベントといった風潮もなくはない。だが、今回ご紹介した2本は「ミスコンも悪くない」と思わせてくれる映画である。そして、セクシーでゴージャスが良しとされるアメリカと、モードの国フランスのミスたちのコスチュームの対比も面白いので、興味のある方はぜひ2本ともご覧になっていただきたい。(T)