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『孤狼の血』役所広司インタビュー

癒着と紙一重、清濁併せのむギラギラ刑事役に圧倒される!

『孤狼の血』役所広司インタビュー
本来、俳優は私生活が見えない謎めいた存在のほうがいい
『孤狼の血』
(C)2018「孤狼の血」製作委員会
──この作品を演じる前と演じた終えた後で、どんなことを感じられましたか?

役所:こういう映画っていうのは、僕の若い時に多かったんですけど、ぱったりなくなっていた時間が結構長かったんです。ああいう映画があったということも忘れかけてる頃に、この話が来ました。日本映画には、予算的にも厳しい中で、熱くて激しい映画を作っていた時代があって、その頃は意外と豊かな感じがしていました。あの頃は何か、もっといろんなものが映画の中にもあって、非常に面白かった時代だったんだなって、改めて思いましたね。
 これから、こういうテイストのものがもうちょっと増えていくと面白いかな。暴力的なことを嫌いな人も多いかもしれませんけど。やっぱり男の子が映画館から出てくる時、ちょっと強そうな気分になって出てきたな、みたいな映画がもうちょっとあってもいいかなって思いました。

──日本映画が豊かだったと感じられた時代について、もう少し聞かせてください。

役所:「あの時代豊かだったな」というのは、予算的には全然豊かじゃなかったですけど、いろんな個性的な監督たちとか脚本の人たちが、「こんな映画どうだ」と作った、バラエティーに富んだ作品が多かったような気がするんですよ。今は「これだったらヒットするだろう」というヒットした原作を引っ張ってくる時代ですが、元々は映画がその流行を作ってきた時代があったと思うんです。だからそのためには、やっぱり映画界は頑張って、オリジナルも作らなきゃいけないんじゃないかなと思いますね。

──大上という人物は、先ほどお話しされたように根っこは見せない男。ある意味演じきる男だという気がします。その辺りは俳優という仕事に通じるのでは、と思いますが。
役所広司

役所:俳優って職業に……。(少し考えて)やっぱり根っこは見えない方がいいですよね。俳優は。「この人ほんとはどんな人だろう」というほうが、表現するときには非常に得なことはあると思うんです。 昔の俳優さんはそうやって、私生活が分からなかったり。プライベートな部分は見えなかった。今の僕たちの時代はそういうものがどんどんメディアを通して語っていってるし。難しい時代ですね〜。

──でも役所さんは謎めいていると思います。

役所:そうですかね。そりゃラッキーですねぇ〜(笑)。

──本当はどんな人だろう?と思います。その辺りは意識されていますか?

役所:その方がいいだろうなと思いますよね。本来、俳優は白紙な方がいいんだと思います。いろんな色に染まっていくのが見てる方も楽しいんじゃないかなと思います。

──多彩な作品に出演されますが、俳優業の面白さを教えてください。

役所:俳優の面白さの一つは、日常生活ではもちろん、テレビやこういう宣伝活動でも口にできない言葉を、堂々と役を借りて語れるってことですかね。舞台でも、テレビでも映画でも、役者の仕事の醍醐味かもしれません。あとは、やはり現場に行って、スタッフとキャストと作っていく時に自分が想像もしなかったような気持ちとか閃(ひらめ)きが、ふっと湧き出る瞬間っていうのが面白いんじゃないでしょうかね。


(text:冨永由紀/photo:小川拓洋)
(スタイリスト:安野ともこ/コラソン、ヘアメイク:勇見 勝彦/THYMON Inc.、衣装協力:GIORGIO ARMANI)

(2018/05/10)


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役所広司
やくしょ・こうじ

1956年1月1日生まれ、長崎県出身。公務員を経て無名塾に入団。NHK連続テレビ小説『なっちゃんの写真館』(55年)で出レビデビュー。『タンポポ』(85年)、『Shall we ダンス?』(96年)、『失楽園』(97年)、『THE 有頂天ホテル』(06年)、『バベル』(07年)、『渇き。』(14年)など多彩な映画に出演。『ガマの油』(09年)では監督にも挑戦。

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