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『太陽の下で-真実の北朝鮮-』ヴィタリー・マンスキー監督インタビュー

ヤラセ国家・北朝鮮の真実を暴いた問題作がついに日本公開!

『太陽の下で-真実の北朝鮮-』ヴィタリー・マンスキー監督インタビュー
不自然で普通ではない。北朝鮮での体験は、私の想像を超えていた

『太陽の下で-真実の北朝鮮-』 2017年1月21日より全国公開 (C)VERTOV SIA,VERTOV REAL CINEMA OOO,HYPERMARKET FILM s.r.o.ČESKÁ TELEVIZE,SAXONIA ENTERTAINMENT GMBH,MITTELDEUTSCHER RUNDFUNK 2015
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に暮らす庶民の素顔を映し出すドキュメンタリーを撮影するつもりだったのに、ふたを開けてみれば「国が考える理想の家族」を撮影させられていた映画監督とスタッフたち。よりよいイメージを作り上げるために、ドキュメンタリーとはほど遠い現場となったことに怒りを感じた監督らは、撮影内容を極秘で変更することに……。

モスクワ・ドキュメンタリー映画祭の会長もつとめるヴィタリー・マンスキー監督が北朝鮮の真実を暴いた『太陽の下で-真実の北朝鮮-』が、1月21日から公開される。隠し撮りされたフィルムをもとに完成された本作について、そして撮影の様子などについてマンスキー監督に聞いた。


──本作は、隠し撮りしたフィルムを密かに国外に持ち出すという危険をおかして完成されました。北朝鮮からも非難され、ロシア政府からも上映禁止とされた問題作です。なぜ、この映画を作ろうと思ったのですか?

ヴィタリー・マンスキー監督
監督:私が生まれたのはソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)です。両親は全体主義時代を、私はその終焉の時代を生きました。スターリン体制は血まみれのテロ時代で、そんな時代がなぜ存在し得たのか理解したい。個性と自由をいかに抑圧したのか、全体主義がいかに機能していたかを理解したい。さらに、そういった場所に暮らす人々を見てみたいと思ったのです。過去の私や両親がその状況を受容する可能性を探りたかったので、北朝鮮の庶民の暮らしをドキュメンタリー作品にしたかったのです。極めて個人的な問題で、国家機関に対する個人的な思いが動機です。

──撮影中の様子を教えてください。

監督:撮影中に起こったことは、これまで見聞きしたどんな経験に比べても、とても不自然で、普通ではありませんでした。私は戦場、牢獄、軍隊、クレムリン、バチカン、タイ総督府、ジンバブエの牢獄でも撮影しましたが、北朝鮮は全く違っていた。私は経験上、あらゆる予期せぬことに備えていたのですが、北朝鮮では私のあらゆる想像を超えていました。撮影前の交渉で条件など合意するのに2年を要しました。さらに合意書には厳しい条件がありましたが、現地に到着さえすれば直ちに撮影できると思っていました。けれど、実際にはその10倍も厳格で制約だらけでした。
 私たちはすぐに旅券を取り上げられ、ホテルから一歩も外出できなかった。撮影現場ではカメラを望む方向に向けることも禁止、すべてを禁止されてしまいました。非現実的なシーンが絶えず現れ、(撮影終了後に)ホテルに戻ると、撮ったものすべてを渡せと言われた。それを全部見て彼らにとって正しくないものは、どんなに良い映像でも消去させられた。けれどそうした中で、何としても仕事を進める渇望と力が湧き上がってきました。困難な状況を克服することが我々に集中力を与え、さらに状況を進展させたのです。ただ、こんな私でさえ撮影できない状況も起きました。北朝鮮の傲慢さ、良心のかけらもない態度、不条理さが最大限になったときがあったんです。独裁政権を「地上の楽園」に見せようとすることの意味を、彼らは理解していない。これこそが私の驚きでした。

(2017/01/22)


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