『ヒロイン失格』桐谷美玲インタビュー

若手No1女優が魅せる“失格”ヒロインに注目!

#桐谷美玲ォ

大好きな作品なだけにプレッシャーも大きかった

女優・桐谷美玲──。役者やモデルとして活躍する一方、日本テレビ「NEWS ZERO」でキャスターをつとめるなど、マルチな活躍をみせている。その知的なイメージで、男女問わずファンが多い。

そんな彼女が、人気コミックの実写映画化『ヒロイン失格』では高校を舞台に“変顔”“ハゲヅラ”“噴水ドボン”など、おおよそ少女マンガのヒロインとは程遠い主人公・はとりを好演している。「原作の大ファンで出演を熱望していた」という桐谷に作品への愛や、学生時代の思い出などを聞いた。

──原作の大ファンとお聞きしていますが、そんな作品で主演をつとめるにあたってどんな気持ちで入っていったのでしょうか?

桐谷:とにかく好きという気持ちを前面に出しつつも、私が大好きなはとりを演じることによって、魅力的じゃない子になったら嫌だなという、作品ファンの目線もありました。どうしたら魅力的に見えるのかを考え、はとりの一生懸命さ、素直なところを意識して、全力で演じました。

──出来上がった作品をご覧になってどんなお気持ちでしたか?

『ヒロイン失格』
  9月19日より全国公開
(C)2015 映画「ヒロイン失格」製作委員会 (C)幸田もも子/集英社

桐谷:最初はホッとした感じが一番でした。感じないようにしていたプレッシャーから解き放たれたような……。それだけ自分の中で、この作品に対する想いが強かったんだなって改めて感じましたね。映画独自のエピソードもありますが「ヒロイン失格」の世界観がスクリーンの中にもっていけたかなという自信はあります。

──感じないようにしていたということは、実際はプレッシャーがあったということですか?

桐谷:クランクイン前は、自分で「大好きな作品」と言っていたこともあるし、周囲もそのことを知っている中での撮影だったので、プレッシャーはありました。撮影が始まると、楽しさの方が大きくなっていって自然とプレッシャーなんて忘れていったのですが、でも心のどこかで「大丈夫かな」という思いはあったと思います。

弘光くんは完璧すぎ。ちょっと抜けている人の方が安心できます
桐谷美玲

──はとりは恋に正直で突っ走るタイプのヒロインですが、そんな恋愛観は?

桐谷:はとりのやっていることはハチャメチャですが、自分の気持ちに従って素直に行動しています。それが王道なのか邪道なのかはわかりませんが、自分の想いを貫いて真っ直ぐ行くのは素敵だと思います。

──タイプの違う利太(山崎賢人)と弘光(坂口健太郎)という2人の男性との三角関係が描かれていますが、桐谷さんはどちらがタイプ?

桐谷:原作を読んでいるときからずっと利太です。自分も想いを貫くタイプなので。弘光くんは格好良くて完璧すぎですよね。ちょっと抜けている人の方が安心できます(笑)。

──劇中、桐谷さん演じるはとりは坊主になったり、変顔をしたりしていますが、抵抗はなかったですか?

桐谷美玲

桐谷:全くなかったです! 楽しいことがすごく好きなんです。坊主頭も、みんなに触ってもらって「すごいっしょ!」ってノリノリでした。『世界の中心で、愛をさけぶ』のパロディーのシーンがあるのですが、あのシーンも賢人くんと2人で信じられないぐらいリハーサルして臨んだんですよ(笑)。

──坊主頭は驚きでしたが、色々なファッションやヘアスタイルをしていますね。

桐谷:ほとんどのシーンで髪型は変えていますね。制服着たおしゃれとか、ツインテールの髪型とか高校時代は恥ずかしくてやったことなかったので、映画のなかで、経験できて嬉し恥ずかしみたいな気持ちでした。

──好きな男性のファッションってありますか?

桐谷:清潔感ですね。Tシャツにパンツとか、シンプルな方が好きです。「頑張っておしゃれしています」というのも可愛いなって思いますが、無理せず、背伸びせず、その人にあっていればいいです。

──桐谷さんはどんな女子高生だったのですか?

桐谷:ラグビー部のマネージャーをやっていました。合宿へ行ってご飯を作ったり、洗濯をしたり、マネージャーの先輩と一緒にUFOの振り付けをして踊ったり……楽しかったですよ。なによりもマネージャーの先輩が素敵で入部したんです。

連打の壁ドンは怖かった(笑)
桐谷美玲

──劇中では制服デートなど甘酸っぱいシーンが多かったですが。

桐谷:修学旅行で抜け出すのとかいいですよね(笑)。私自身は制服デートとかはなかったので、演じていて、うらやましいなって思いましたね。

──はとりは、夏休みに「会えない時間が愛を育てる」作戦を実行していましたが、あの作戦は?

桐谷:私は会いたいですね(笑)。ギャップも大切ですが、あんまり引き過ぎちゃうのもダメじゃないかなって思います。

──特報でも変顔のシーンがかなり話題になっていましたが。

桐谷:普段から、意識しないでも変顔しちゃっているみたいで、みんなに言われます(苦笑)。「Seventeen」モデルのときなんて変顔キャラでしたから。この映画でも「もっとやればよかったな」って思うシーンもありましたね。

『ヒロイン失格』
  (C)2015 映画「ヒロイン失格」製作委員会 (C)幸田もも子/集英社

──連打の壁ドンも衝撃的でした。

桐谷:元祖壁ドン(映画『L・DK』で山崎が披露し話題になった)がいるので、勝つためには連打しかないって(英勉)監督が仰って……。でも連続でされると怖いですね(笑)。

──作品の見どころをお願いします。

桐谷:高校生の話ですが、年代問わず見られる映画だと思います。マンガ原作のラブストーリーだと意識せずに、見ていただきたいです。

(text:磯部正和/photo:中村好伸)
(ヘアメイク:今井貴子/スタイリスト:井阪恵〈dynamic〉)

桐谷美玲ォ
桐谷美玲ォ
きりたに・みれい

1989年12月16日生まれ。千葉県出身。高校時代にスカウトされ、映画『春の居場所』(06年)で女優デビュー。ドラマや映画の出演を続ける一方で、ファッション雑誌「Seventeen」の専属モデルとなる。11年に「Seventeen」モデルを卒業すると、12年からは日本テレビ系ニュース番組「NEWS ZERO」火曜日キャスターをつとめるなど、女優だけにとどまらない幅広いジャンルで活躍している。