年上の男と年下の男との三角関係。瀬戸内寂聴が自身の体験をもとに描き、女流文学賞に輝いた「夏の終り」。1966年に発売してから今日までに100万部を超えるロングセラーとなっているこの作品が、満島ひかり主演で映画化されることが発表された。
満島が演じるのは、妻子ある不遇な作家との長年に及ぶ愛の生活に疲れはて、年下の男との激しい愛欲にも満たされず、自身の女の業に苦悩しながらも、一途に独自の愛を生きようとする主人公の知子。
また、知子を愛し優しく見守りながらも妻とも別れられない、年上の男の寛容さとずるさを併せ持つ男・慎吾を小林薫、知子を求め嫉妬と孤独に苦しむ年下の男・涼太を綾野剛が演じる。
メガホンを取るのは『鬼畜大宴会』『莫逆家族 バクギャクファミーリア』の熊切和嘉監督で、6月5日にクランクイン。劇中の舞台は東京だが、昭和30年代の街並みをロケで撮影するため、兵庫県の古きよき建物が残る加古川ほかで現在撮影中。6月25日にクランクアップ予定だ。
満島は「色っぽく、濃厚な脚本に出会いました。緊張しています。むずかしい、アァ、むずかしい。と感じながらも、熊切監督の『良いっすねー』を聞いて終るひとつひとつのシーンが、どんどん愛しくなる毎日です」とコメント。
瀬戸内は「『夏の終り』は、私の数ある作品のなかで、最も好きな小説です。五十年前に書いた小説が、今でもロングセラーとして読みつづけられているのは、このなかに出てくる男や女の愛と恋の悩みや喜びが、今も若い人々の胸に生きつづけているからでしょう」と話している。
『夏の終り』は2013年、全国公開予定。
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