中編/男の子たちの青春と水しぶきがまぶしい人気アニメ劇場版『ハイ☆スピード』

#元ネタ比較

『映画 ハイ☆スピード!−Free! Starting Days−』
(C)2015 O.K/HS
『映画 ハイ☆スピード!−Free! Starting Days−』
(C)2015 O.K/HS

水の描写とイケメンたちの絆が感動的

(…前編より続く)おうじこうじ原作のライトノベル「ハイ☆スピード!」を原案にテレビアニメ化した『Free!』シリーズ。同原作者の続編「ハイ☆スピード!2」を原作とした劇場版『映画 ハイ☆スピード!−Free! Starting Days−』が公開される。

【元ネタ比較】前編/男の子たちの青春と水しぶきがまぶしい人気アニメ劇場版『ハイ☆スピード』

水泳のメドレーリレーでチームを組んだ男の子たちの個々の悩みと絆の素晴らしさを爽やかに謳いあげた青春スポーツアニメで、テレビシリーズでは高校時代だったが、劇場版では時を遡って中学時代が描かれる。

ラノベは京都アニメーションのラノベのレーベルであるKAエスマ文庫から出ており、アニメ化の製作も京都アニメーションだ。『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』で知られ、その名がブランド化もしている京都アニメーションは原作を発展させてアニメ化することに定評が有る。間口を広げるためであろう設立された自社レーベルから出版されたラノベのアニメ化とあって『Free!』は気合も入っていたと思われる。

もちろん京アニはアニメならではの描写のクオリティも高い。『Free!』での水の描き方はまさに面目躍如といったところだ。光を受けて揺らめく水、泳いだ時に目の前に広がって動いてゆく細かい泡、飛び込んだ時や振り上げた手によって飛び散る水しぶきなどは鳥肌が立つほど本当に気持ちいい。

それと、女子アニメファンが飛びつくのはなんといっても登場人物がみんなイケメン揃い! 主人公の七瀬遥は無口で無愛想だが目元が凛々しいクール系で、遥の幼馴染の橘真琴は対照的にタレ目で優しく、主人公の遥よりも女子人気が高いほどの癒し系。ラノベもアニメもこのシリーズ全体を通して変わらない、2人の強過ぎるぐらい強い絆も女子を萌えさせる。映画版『映画 ハイ☆スピード!−Free! Starting Days−』では中学に入学してクラスが分かれて2人がぎこちなくなったりもするが、やっぱり遥と真琴の絆はちょっとやそっとじゃ壊れるものじゃないのはホッとさせてくれる。

人気の高いテレビシリーズと大きく変わるのは中学時代となることと、それに伴って登場人物が変わってきているところだ。そこがこれまでのテレビシリーズのファンがついてきてくれるか分かれ道となるだろう。体格も大人とほぼ変わらなくなる高校生と違って、男子の中学1年生はかなり幼いはず。しかし、高校時代より少し子どもっぽさを加えながらもテレビシリーズと違和感を持たせない大人っぽいイメージだ。

メインとなるリレーチームのメンバー4人は遥と真琴のコンビは変わらないが、高校で一緒になる渚と怜ではなく、旭と郁弥。“女の子みたいな名前の男の子”というなんだかかわいい共通点だったが、新たに加わる旭と郁弥はそれほど女の子ネームでもない。でも、旭は元気でやんちゃ、郁弥は繊細でひねくれ者とキャラも立ってて魅力的だ。

渚と怜のクラスタもがっかりすることはない。渚はスイミングクラブのシーンで渚は登場。ただし、1学年下の小学生である渚はさらにかわいく、変声前の女子声でショタ度が高いから覚悟を。テレビ版のキャラである怜も意外なところでしっかり登場させているところはファンサービスを感じさせる。宗介も思ったより出番多く、ちゃんと凛も登場する。真琴の双子の弟妹も顔を見せ、真琴の優しいお兄ちゃんっぷりを再確認できるのも真琴推しとしては嬉しい。(後編へ続く…)(文:入江奈々/ライター)

【元ネタ比較】後編/男の子たちの青春と水しぶきがまぶしい人気アニメ劇場版『ハイ☆スピード』

『映画 ハイ☆スピード!−Free! Starting Days−』は12月5日より全国公開される。

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