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前編/ポスト・ジブリ!?『あの花』旋風を巻き起こした若手プロデューサーが『ここさけ』への熱い想いを語る | 映画/DVD/海外ドラマ

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(2015年 9月 18日)

【映画作りの舞台裏】前編/ポスト・ジブリ!?『あの花』旋風を巻き起こした若手プロデューサーが『ここさけ』への熱い想いを語る

『前編/ポスト・ジブリ!?『あの花』旋風を巻き起こした若手プロデューサーが『ここさけ』への熱い想いを語る』
『心が叫びたがってるんだ。』
(C)KOKOSAKE PROJECT

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『前編/ポスト・ジブリ!?『あの花』旋風を巻き起こした若手プロデューサーが『ここさけ』への熱い想いを語る』
斎藤俊輔(さいとう・しゅんすけ)……1983年12月27日生まれ。福島県出身。2007年、アニプレックスに入社。販売推進部を経て企画制作部へ異動。2010年にプロデューサーとして初めてTVアニメシリーズ『黒執事供戮鮗蠅ける。数多くのアニメ作品にプロデューサーとして携わり、参加した主な作品は『クラスルーム・クライシス』『四月は君の嘘』『マギ』『銀の匙 Silver Spoon』など。

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[ムビコレNEWS]  劇場版オリジナル・アニメ『心が叫びたがってるんだ。』の製作者・斎藤俊輔氏に聞く

カントリーマアム、サッポロ一番…
こだわりの小道具に隠された製作者の意図とは?

2011年4月からフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送され、アニメファンから人気に火がつき、放送終了後もじわじわとファンを増やしていったオリジナルのアニメシリーズ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下『あの花』)。“大人も泣ける感動アニメ”というテレビシリーズの好評を受け、2013年に公開された『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、アニメファンだけでなく幅広い層を劇場に呼び込み、興行収入10億円を突破する大ヒットとなった。

その劇場版から2年、『あの花』でヒットメーカーとなった監督・長井龍雪、脚本・岡田麿里、キャラクターデザイン・田中将賀の手によって完全オリジナルストーリーによる劇場アニメ『心が叫びたがってるんだ。』(以下『ここさけ』)が生み出された。

『あの花』に引き続き、ファン待望の新作を手がけたプロデューサーである、アニプレックスの斎藤俊輔氏が新作『ここさけ』について、また『あの花』の製作秘話について深く熱く語ってくれた。

舞台が埼玉県の秩父であることが作品にある種のリアリティと世界観をもたらし、『あの花』を語る上で重要なポイントであり、『ここさけ』も再び秩父を舞台としている。「単純に東京から遠いとロケハンが大変だからということもありますけど、秩父は都心から遠く離れた完全な地方ではないところが『あの花』の物語に合うと思いました。それに、観光客にとっては自然豊かでいいんですが、山に囲まれた地形が閉塞感があってキャラクターの心情に重なるように思ったんです」と斎藤氏は言う。

西武鉄道とのタイアップも仕掛けられてきたが、それはあくまで後から成立したのだとか。「電車や駅も特定できるほどかなり忠実に美術設定を起こしたので問題がないかと思い、秩父市や西武鉄道に連絡しました。公共交通機関は広く一般の方が利用されるので、タイアップできるといいなと期待もして」と、プロデューサーとして抜け目ない。

『あの花』にはガリガリ君やカントリーマアム、サッポロ一番などなど、実在するお馴染みの商品が随所に散見される。それもタイアップ広告の企みがあったのか斎藤氏に尋ねると、意外な答えが返ってきた。「もともと岡田さんのシナリオにたくさん商品名が入っていました。岡田さんと長井さん、田中さんは1976年生まれの同級生なんですけど、子どもの頃から親しんでる商品ってみんなで共有できるノスタルジーがありますよね。岡田さんがその効果を狙って登場させたのならそのまま実現したいと思い、タイアップではなく許諾を得るために各方面に連絡しました」。

宣伝狙いではなくとも、クリエイターの目指す方向性を読んで、すぐ実行に移す。さすが、若い人材が活躍するアニメーション業界において、若手の斎藤氏(ついでに言うと、ご自身も携わった『銀の匙 Silver Spoon』の相川くん似の好青年)のフットワークは軽い。

タイアップは最近でこそアニメでも増えたが、テレビシリーズ放送時はそれほど一般的でなく、ましてや原作が有名なわけではないオリジナル・アニメのため、残念ながら放送前の商品タイアップは実現しなかったそうだ。しかし、斎藤氏は直接的なタイアップはできなくても、別の効果を期待していた。「一般認知されている商品が登場するということは、企業が出すことを承諾した、言わばお墨付きの優良な作品なんだという安心感を多面的にアピールできる」という企図があったのだ。

新作『ここさけ』では製作委員会に名を連ねるローソンHMVエンタテイメントの親会社のローソンが劇中に登場するが、他にも一般的に馴染みのあるものが出てくるのだろうか?

「今回はアサヒ飲料様にご協力いただいて、学校や駅にある自動販売機の設定参考に使わせてもらってます。カルピスや十六茶が出てきますが、飲料や菓子メーカーにご協力いただいたのはそれぐらいです。テレビシリーズは全11話で約220分ありますが、映画は約120分で物語の内容がとても詰まっているので、あまり遊びのカットが入る余裕がなかったこともあります。監督たちもさほど気にしてなかったので、こちらからこれを入れてくださいということはあまりしたくなかったんです。『あの花』は物語の強度として商品を登場させましたが、今回は必要なかったということですね」と斎藤氏。

プロデューサーとは、隙あらば宣伝につなげようとする体質があるのかと思っていたが、彼はクリエイターの意向を大切にするプロデューサーなのだ。(…中編、後編へ続く)(文:入江奈々/ライター)

【映画作りの舞台裏】中編/ポスト・ジブリ!?『あの花』旋風を巻き起こした若手プロデューサーが『ここさけ』への熱い想いを語る
【映画作りの舞台裏】後編/ポスト・ジブリ!?『あの花』旋風を巻き起こした若手プロデューサーが『ここさけ』への熱い想いを語る

『心が叫びたがってるんだ。』は9月19日より全国公開される。

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