(後編)東宝VSディズニー再戦! 巨人 VS 1.5センチのヒーローはどちらに軍配が?

#週末シネマリサーチ

『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』
(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会 
(C)諫山創/講談社
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』
(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会 
(C)諫山創/講談社

(…前編より続く)

○【2位予想】『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』
諫山創の人気コミックを実写映画化した『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』2部作の後編。主人公エレンを三浦春馬、ミカサを水原希子、映画オリジナルキャラクター・シキシマを長谷川博己らがつとめる。

前編は8月1日に全国427スクリーンで公開され、動員46万7000人、興収6億円という好スタートを切り、9月6日時点で動員225万人、興収30億を突破した。昨年から今年にかけて、邦画実写では『寄生獣』(東宝)、『ソロモンの偽証』(松竹)が前後篇に分けて公開。『ソロモン〜』は公開期間を詰めたのが幸いしたのか、前半の終りがあまりにも寸止め感満載だったのか、後編は前作比135%という稼働だった。一方『寄生獣』は約5ヵ月空けての公開で、前作比79.9%と数字を下げた。

公開前後で、樋口真嗣監督のFacebookでの発言が大きく報道されるなど、とにかく話題には事欠かない実写版『進撃の巨人』。なかなか厳しい評価も聞こえてくるが、前編の数字は決して悪くない。“酷評”している人ほど、後編は見るのではないのか……という推測もできる。公開から1ヵ月半とそれほど間も空いておらず、前作比80%でも35万人はいく数字だ。

【週末シネマリサーチ】(前編)東宝VSディズニー再戦!巨人 VS 1.5センチのヒーローはどちらに軍配が?

▲【4位予想】『心が叫びたがってるんだ。』
人気アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のスタッフが集結して製作した、劇場版オリジナルアニメーション。

『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(13年/アニプレックス)は全国64スクリーンという小規模公開ながら、初週土日で動員16万人を記録し、3位にランクインするなど驚異的な数字を叩きだした。

本作は約140館での上映。長井龍雪監督、岡田磨里脚本、田中将賀キャラクターデザインというタッグで製作された本作は、公開前からアニメファンの間でもかなり話題になっている。『アントマン』や『進撃の巨人〜』とは公開規模が違いすぎるが、アッと言わせるだけの動員を成し遂げても不思議ではない潜在能力はありそうだ。

△【6位予想】『ヒロイン失格』
幸田もも子の同名人気コミックを、桐谷美玲主演、山崎賢人、坂口健太郎共演で描いたラブコメディ。

高校生の恋愛を描いた少女マンガ原作は、ここのところヒット作が多い。東宝配給だが、『ストロボ・エッジ』(15年)が全国294スクリーンで、動員28万6000人の3位、『アオハライド』(14年)が全国295スクリーンで動員21万4000人の1位。剛力彩芽&山崎賢人の『L・DK』(14年/東映)が全国194スクリーンで6万3000人という集客。

本作は約270館での公開。桐谷の変顔やハゲヅラなど体当たりの演技がネット動画を中心に話題になっている。プロモーションも精力的で、イベント等で桐谷美玲はフル稼働。9月15日には主題歌を担当した歌手の西野カナとガールズトークイベントを行い、自身の恋愛観を語り話題となった。桐谷は同性にも人気があり集客力もある。公開規模も考慮に入れると7万-10万人ぐらいの集客はありそうか。

【注目シネマ】
×ハイキュー!! 勝者と敗者
「週刊少年ジャンプ」で連載中の古舘春一の人気コミックをアニメ化した『ハイキュー』の劇場公開版。テレビアニメ全25話に新規カットをプラスした2部作の後編。全国退会を目指す高校バレー部の青春を描く。

前編の『ハイキュー!! 終わりと始まり』は、20館での上映にも関わらず、ランキング12位と大健闘。シリーズ累計1000万部を超えるモンスターコミックだけに、小規模公開ながら侮れない。

(文:磯部正和/映画ライター)

磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

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