【今週見るならこの映画!】落ち込む春にはゾンビ映画! バナナマン・日村の卑怯なくらい面白い顔芸に注目

『JIMI:栄光への軌跡』
(C) MMXIII AIBMS, LLC. All Rights Reserved.
『JIMI:栄光への軌跡』
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春早々こんな話もなんだけど、生きていれば仕事だったり人生だったり落ち込むこともあるもの。終電の帰宅で家までの道を黙々と歩きながら「もうだめかもしれない」なんて背を丸めたり……。そんな時はやっぱゾンビ映画である。終末的な世界観になぜか癒されたり、“Z級”映画でも画面から伝わる映画愛に何だか背中を押されたり。今週は、そんなゾンビにお笑いコンビ・バナナマンの日村勇紀が扮する『新選組オブ・ザ・デッド』が公開! が、ゾンビが苦手は人には『JIMI:栄光への軌跡』もおススメ。ギブアップしそうな時でも「チクショウ」とか「あの野郎」なんて言葉が出てくるならまだ戦える、そんな気にさせられます。

『JIMI:栄光への軌跡』4月11日公開
〈「愛が権力に勝てばきっと変化は起きる」byジミ・ヘンドリックス〉
1970年に27歳の若さで亡くなった伝説的なギタリスト、ジミ・ヘンドリックス、その無名のバックミュージシャンから成功を掴むまでの1966年と67年を切り取った伝記映画。ミュージシャンに限らず何かを夢見る人間なら、夢と現実の狭間で焦燥感と戦いながら「金がねぇな」って空を見上げる日はあるハズ。当時23〜24歳、ギターの才能を見いだされて駆け上がる劇的なその時に、ヘンドリックスが何を愛し何と戦ったのか、そのドラマが味わい深い。

『カイト/KITE』4月11日公開
〈日本アニメが原作! 少女の復讐劇〉
人身売買組織に両親を殺され暗殺者として育てられた少女が、娼婦に成り済まして仇を1人ひとり殺していくハードな復讐劇。1998年に梅津泰臣が手掛けたR18指定アニメを原作に、霧が立ち込める退廃した街で、傷だらけになりながら組織のボスに近づくヒロインの姿がソリッドな映像で描かれる。主人公の父の親友であり、暗殺者に育てる刑事をサミュエル・L・ジャクソンが渋く好演。

『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』4月11日公開
〈世界で最も危険な街の実態に迫ったドキュメンタリー〉
『闇の列車、光の旅』『トラフィック』『ボーダータウン 報道されない殺人者』など、ギャングや麻薬、治安の悪さといった暗い部分も度々題材にされるメキシコ。その中でも、世界で最も危険な街の1つと言われているシウダー・フアレスにカメラを入れ、麻薬戦争の実態に迫ったドキュメンタリー映画だ。東京や大阪の約10分の1ほどの面積の中に100万人が住み、年間3000件を超える殺人事件が起こるという異常な街。その中で、かたや正義のために任務を全うする警官、かたやナルコ・コリードと呼ばれる麻薬カルテルのボスたちを英雄視する音楽を歌うミュージシャンという2人の人間を通して、現実が浮かび上がる。

『新選組オブ・ザ・デッド』4月11日公開
〈日村勇紀、人間辞めてゾンビに!〉
役所広司&小栗旬共演でゾンビ映画の撮影をする新人監督と木こりの交流を描いた映画『キツツキと雨』で、「日本にゾンビなんていたけ?」って会話もあったけど、いたみたい。しかも江戸時代に! お笑いコンビ・バナナマンの日村勇紀が初主演をつとめた長編映画はなんとゾンビ映画。しかも新撰組とゾンビが戦うハチャメチャな時代劇だ。日村演じる屑山下衆太郎(くずやまげすたろう)は、ある日道を歩いているとガブッとゾンビに噛まれてしまう。当然ゾンビになるのだけれど、持ち前のキモカワイイキャラを通り越してゾンビになる面白さはもちろん、顔芸まで見せてくれる姿はもはや飛び道具なみに卑怯! 映画には笑いつつ、チラシのデザインは真面目にかっこいい。

『ソロモンの偽証 後篇・裁判』4月11日公開
〈事件の真相がついに!〉
3月7日に公開した宮部みゆき原作ミステリー・サスペンスの後編。クリスマスの朝に発見された男子生徒の転落死事件を解決すべく、生徒たちで開いた校内裁判がいよいよクライマックスへ突入する。校内裁判がメインとなる後編だけに、約1万人の応募者の中から主演に抜てきされ藤野涼子をはじめ、『渇き。』のいじめられっ子とはガラリと変わる演技を見せる清水尋也など、若手キャストに注目だ。

(文:中村好伸)

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