今なお人気絶大なミシェル・オバマの物語、その飾らない言葉に励まされる!

#ドキュメンタリー

Netflix映画『マイ・ストーリー』独占配信中
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緊急事態宣言が解除されて以降、完全に元通りとまでは行かなくとも、徐々に新たな日常へと動き始めている。とはいえ、長い自粛生活が原因で、うまく気持ちを切り替えられない、もしくは不安ばかりが先行してなかなか前向きになれないという人も多いだろう。そんななか、特に働く女性たちにオススメしたいのは、ミシェル・オバマ元大統領夫人に密着したNetflixオリジナル・ドキュメンタリー『マイ・ストーリー』。

オバマ夫妻は映画製作でも手腕を発揮! 第1作目は米中企業の文化摩擦を描いたこの作品

本作では、世界45言語で発売され1000万部を突破した大ベストセラーの自伝「マイ・ストーリー」の出版ツアーの舞台裏に迫りつつ、そのなかで家族や読者と触れ合うミシェルの様子を映し出している。出版ツアーは各地の大きなアリーナで開催され、ミシェルのトークが繰り広げられているが、満員の観客たちの熱狂ぶりはハリウッドスターも顔負け。ときには力強いストレートな言葉で聞く者の心を打ち、ときにはウィットに富んだ表現で笑いを誘うなど、見事なトークスキルは、さすが8年にもわたってファーストレディを務め上げてきたミシェルだからこそと言えるだろう。

とはいえ、アメリカ史上初のアフリカ系アメリカ人ファーストレディとして世界中から注目を集めるようになった当時は、さまざまな葛藤や苦悩を抱えていたことも打ち明ける。しかし、“単なる大統領の妻”でとどまらなかったのは、彼女自身の強さと知性、そして何よりも努力によるものだろう。バラク・オバマがミシェルを選んだのもうなずける。そんなミシェルがどのような家庭に育ち、どうやって夫と出会ったのかというエピソードだけでなく、家族や友だちといるときの素顔を覗けるのも興味深い。

ホワイトハウスを離れたいまなお、絶大な人気を誇るミシェル。良き妻、良き母であるだけでなく、一人の自立した女性としても常に成長することをやめない生き方は、多くの女性たちに刺激を与える。劇中でも、各地の学生や市民たちの声や悩みに耳を傾け、ミシェルらしい言葉で優しく寄り添いながら励ましているが、それらはいまの私たちにも響くものばかりと言えるだろう。

日本でも、良くも悪くもファーストレディの持つ影響力の大きさを知ることはあるが、この作品を観ると、できればその力はミシェルのように、人々に希望を与えるものに使って欲しい、と願わずにはいられない。50代半ばを過ぎたいまでも「まだ人生の旅の途中で、自分があるべき姿を模索している」というミシェルだが、彼女のまっすぐな言葉は、新たな未来に力強く歩き出すための勇気を届けてくれるはずだ。(文:志村昌美/ライター)