「鼻が大きいから」とくすぶるヒロイン! レディー・ガガ本人とのシンクロぶりに注目!

#アリー/スター誕生#映画を聴く#ブラッドリー・クーパー#レディー・ガガ#音楽映画

『アリー/スター誕生』
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT
LLC
『アリー/スター誕生』
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT
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【映画を聴く】『アリー/スター誕生』前編
初登場4位だが期待大! 音楽の魅力をおさらい

先週21日に公開が始まった『アリー/スター誕生』。かの古典『スタア誕生』の4度目のリメイクにしてレディー・ガガの映画初主演作。ブラッドリー・クーパーの監督デビュー作でもあり、アカデミー賞最有力作品との声が多いものの、先週末の国内興行ランキングでは6位といまひとつ振るわず。上位3作の『シュガー・ラッシュ』『ドランゴンボール超』『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』という並びを見ると、ファミリー&キッズの冬休み需要に押された格好だろうか。しかし本作が、4位の『ボヘミアン・ラプソディ』と並んで2018年を代表する音楽映画になることは間違いなく、ここでいま一度、音楽的な見どころをおさらいしておきたい。

[動画]レディー・ガガの歌声に思わず感涙/『アリー/スター誕生』予告編

まず興味深いのは、本作のヒロイン=アリーと、彼女を演じるレディー・ガガ本人のシンクロぶりだ。というか、クーパー監督はガガをヒロインにすると決めた時点で、彼女自身の物語をアリーの物語に投影することも決めたのだろう。ドラァグ・バーでエディット・ピアフの「ラ・ヴィ・アン・ローズ」を歌うアリーは、優れた歌唱力を持ちながらくすぶっている自分を「鼻が大きいから(デビューできない)」とクーパー演じるジャクソンに説明する。これはアリーと同じくキャリア初期にストリップクラブで働き、ドラァグ・バーに出入りしてパフォーマンスを磨いていた彼女自身がレコード会社に言われた言葉だという。

また、ガガは本作の中で歌われるオリジナル曲のほとんどの作詞&作曲に関わっている。ジャクソンが自分のライヴにアリーを引っ張り出して歌わせる「シャロウ 〜 『アリー/スター誕生』愛のうた」は、映画のサウンドトラックから最初のシングルとしてリリースされた楽曲。ほかにも、劇中ではピアノを弾きながら歌われる「オールウェイズ・リメンバー・アス・ディス・ウェイ」や、“ガガ史上最も泣けるバラード”と評判の「アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン」など、本作のために書き下ろされた楽曲は、ポップ・アイコンとしてのレディー・ガガが歌ってきたこれまでのヒット曲とは雰囲気が大きく異なる。煌びやかなアレンジや衣装、ステージでの演出が取り払わた分、楽曲そのものの素晴らしさが際立ち、彼女の正統的なシンガー・ソングライターとしての素地が透けて見えてくるのだ(後編へ続く…)。

後編「パートナーの成功を妬み、自暴自棄になるのは決まって男…」

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