2018年のマイ・ベスト! LGBT問題に真摯に向き合った心温まる感動作

#LGBT#元ネタ比較#ドルメンX#弟の夫

『弟の夫』公式サイトより
『弟の夫』公式サイトより

…中編「中川大志、男子のじゃれ合い姿に心が和む」より続く

【元ネタ比較】2018年の総まとめ/後編
映画ではないけど『弟の夫』は実写化成功

2018年の元ネタを持つ作品では、これも大作系ではないが、『ドルメンX』はSFコメディだけれどもアイドル業界の裏側が描かれてて面白かった。「テニミュ」や「刀ミュ」など2.5次元で活躍する小越勇輝が劇中で一部で熱狂ファンのいる舞台の世界をディスっているのは見てるこちらが複雑な気持ちになり、狙いにハマってしまった。

映画ではなくテレビドラマだけれども、映像も内容も質が高く、コミックの実写化として期待通りに成功していた『弟の夫』についても言及しておこう。原作は田亀源五郎による同名のコミックで、数々の賞も受賞している。ひとり娘を育てるシングルファザーの主人公の元に死去した弟の“夫”がカナダから訪ねてくる。弟はゲイでカナダで男性と結婚していたのだ。この来客によって主人公の心と周囲に広がる波紋を丁寧に描き、LGBT問題に真摯に向き合った心温まる感動作だ。

大きい体で見るだけでほっこりとさせられる弟の夫役は把瑠都が演じ、原作のイメージにぴったり。優しくて穏やかだけど、最愛の人を亡くした喪失感も感じさせる。主人公は佐藤隆太が扮し、拒絶しなくても簡単に心の底から受け入れられるわけではなかった心境が徐々に変化していく様子をこまやかに演じた。柔らかな感触の映像もあいまって優しい気持ちになれ、問題に対して素直に考えさせられる感動ドラマ、2018年の実写化作品の良作として心に留めておきたい。(文:入江奈々/ライター)

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