今度もコナンが断トツの勝利! GW興収ランキングから見えてきた課題とは?

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『名探偵コナン ゼロの執行人』
(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
『名探偵コナン ゼロの執行人』
(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

ゴールデンウィーク(GW)映画の興行ランキングをまとめた。1位は『名探偵コナン ゼロの執行人』。公開から24日間で興収62.2億円。前作の興収68.9億円に迫っており、6年連続でのシリーズ最高更新が見えてきた。

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2位『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は公開から10日間で興収25.5億円。昨年のGW映画『ワイルド・スピード ICE BREAKI』(最終興収42.7億円)とほぼ同じペースで興収を伸ばしており、『アベンジャーズ』(36.1億円)、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(32.1億円)を超える可能性は高い。4月16日に、監督の1人アンソニー・ルッソと、ピーター・パーカー役のトム・ホランドが来日し、東京・TOHOシネマズ日比谷でのファンミーティングに参加。24日にはジャパンプレミアが行われ、日本語吹き替え版で声優を務めた米倉涼子、山寺宏一、加藤浩次、遠藤憲一、溝端淳平、秋元才加、「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子の7人が参加し、PRに務めた。また公開日の前日夜に全国5都市で「前夜祭」を開催して話題性を喚起した。

3位は『レディ・プレイヤー1』。4月18日に、来日したスティーブン・スピルバーグ監督、出演者のタイ・シェリダン、オリビア・クック、森崎ウィンがジャパンプレミアに参加。映画には、『機動戦士ガンダム』『AKIRA』『ストリートファイター』などの日本製キャラクターが数多く登場する話題性も動員を後押しした。

4位は『クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ 拉麺大乱』、5位は『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』。トップ5は邦画アニメと洋画実写が占め、邦画実写で興収10億円を超えた作品はなかった(5月6日時点)。

なお、GW映画の先陣を切る3月30日の全国公開作品は軒並み不振だった。公開最初の週末興行ランキングで『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』は5位と健闘したものの、『レッドスパロー』が7位、『トレイン・ミッション』が10位、『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』が11位。スクリーン数では、『トレイン・ミッション』が196と全国公開としてはやや少ないものの、『ペンタゴン・ペーパーズ』281、『レッドスパロー』337、『ヴァレリアン』394。『ヴァレリアン』はTHE ALFEEを起用した日本語吹き替え版を作成し、リュック・ベッソンが来日するなど宣伝に力を入れていた。全てTOHOシネマズ日比谷をメイン館とし、同館のオープンに合わせた公開だ。シネコンが全国に広がったことで、全国公開作品が増え、公開時期が重なるケースも増えている。だが、公開最初の週末の動員が悪いと、シネコンでは翌週から上映回数を減らしたり、上映を打ち切るケースが増えている。

配給会社ではGWという書き入れ時に自信作を公開したがる傾向にあるが、配給戦略を考え直す時期にきているのかもしれない。(文:相良智弘/フリーライター)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

[GW興行ランキング]
1位『名探偵コナン ゼロの執行人』62.2億円
2位『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』25.5億円
3位『レディ・プレイヤー1』19億円
4位『クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ 拉麺大乱』15億円
5位『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』12億円
(5月6日時点。ムビコレ調べ)

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