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罰当たりキャラで話題沸騰! 美魔女すぎる演技派女優とは? | 映画/DVD/海外ドラマ

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(2017年 9月 15日)

【この俳優に注目】罰当たりキャラで話題沸騰! 美魔女すぎる演技派女優とは?

『罰当たりキャラで話題沸騰! 美魔女すぎる演技派女優とは?』
『エル ELLE』でゴールデングローブ賞ドラマ部門主演女優賞を受賞したフランス女優、イザベル・ユペール

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『罰当たりキャラで話題沸騰! 美魔女すぎる演技派女優とは?』
『エル ELLE』
(C)2015 SBS PRODUCTIONS – SBS FILMS– TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION – FRANCE 2 CINÉMA – ENTRE CHIEN ET LOUP

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[ムビコレNEWS] 
【この俳優に注目】イザベル・ユペール

世間一般の常識、モラルの概念を大きく揺るがせる強烈キャラの主人公が登場する『エル ELLE』。『氷の微笑』を大きく上回る衝撃度で、SNSでも「不穏なのにメッチャ笑える、スゴイ」「よく分からないけど、とてつもないものを見てしまった」と話題に。ポール・ヴァーホーヴェン監督についても「79歳とは思えないパワフルな演出!」と絶賛の声が相次ぎ20代からシニアまで幅広い年齢層を集客し大ヒット中で、配給元のギャガも「目標の3倍くらい見込めそう」とホクホク顔だ。

中でも話題を沸騰させているのが主演女優のイザベル・ユペール。64歳とは思えない官能美でモンスター級の存在感を発揮している。今回は、そんな彼女の女優像を解説しよう。

60代半ばとは思えない美魔女ぶり! 『氷の微笑』超える官能キャラに話題沸騰

●是枝裕和監督にもラブコール!

天職という言葉は、そう軽々しく使いたくないが、イザベル・ユペールにとっての女優という仕事は、この言葉で言い表すほかない。タブーも恐れもなく、ジャンルも国も問わず様々な作品に挑戦し、現在公開中の『エル ELLE』ではアカデミー主演女優賞候補となり、ゴールデングローブ賞ドラマ部門主演女優賞に輝いた。

40年以上のキャリアを見ていくと、年を追うごとに演じることをますます楽しんでいるのがわかる。妖艶な悪女、女傑、ごく普通の主婦、どんなキャラクターも自在に演じる。痛々しい女性の痛々しさはそのままに、『エル ELLE』で演じたモラルという概念がすっぽり欠落した怪物のような女性、あるいはその逆の四角四面な女性も、どれも暑苦しい熱演どころか、むしろ冷めた佇まいなのに、それゆえに真に迫る説得力がある。

俳優が出演作を選ぶ基準は人それぞれだが、ユペールが監督重視なのは明らかだ。80〜90年代を中心に何度も組んだゴダールやシャブロルといったヌーヴェルヴァーグの監督たち、『天国の門』(80)のマイケル・チミノ、『愛・アマチュア』のハル・ハートリー、『ピアニスト』(01)のミヒャエル・ハネケ、『8人の女たち』(02)のフランソワ・オゾン、『3人のアンヌ』(12)のホン・サンス(韓国)や『囚われ人』(12)のブリランテ・メンドーサ(フィリピン)など、ヨーロッパ、アメリカ、アジアの才能と仕事し続け、日本の是枝裕和監督にもラブコールを送っている。

『ザ・ファイター』(10)や『世界にひとつのプレイブック』(12)でアカデミー賞常連になる前のデヴィッド・O・ラッセルの『ハッカビーズ』(04)、『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(090のニールス・アルデン・オプレヴがアメリカで撮った『デッドマン・ダウン』(13)など、これはと思う監督といち早く組むフットワークの軽さは他に類を見ない。どんな役にも挑戦する勇敢さは多くの女優たちが賞賛を惜しまない。

●シャロン・ストーンも尻込みした罰当たりキャラ

細身の体型は20代の頃から全く変わらない。外側を作り込む変装ではなく内側を変化させるのかと早合点しかけるが、本人は「外見から役を作っていく」と言う。6月にフランス映画祭で来日し、是枝監督とのトークショーで彼女は「撮影前に服や髪型についてよく話し合う。見る人のヒントになるよう、よりリアルなキャラクター像に近づけていく大事なプロセス」と語った。そのうえで「役作りはしない。役が私になる」とも付け加えた。それは彼女が最近主演した『エル ELLE』と『未来よ こんにちは』2本を見ても明白。黒猫を飼い、夫と別れたお一人様で、わがままな毒母に振り回されている、という設定はもとより、ワードローブのテイストまでかぶりまくりにもかかわらず、両者のキャラクターがオーバーラップすることはない。ミシェルの暮らす世界にナタリー(『未来よ こんにちは』のヒロインの名前)はいないし、ナタリーの世界にもミシェルはいない。中身が違えば、器の形が同じだったとしても味わいは全く異なるのだ。

『エル ELLE』のポール・ヴァーホーヴェン監督がハリウッドで映画化を目指していた時、監督の『氷の微笑』(92)で大胆なヒロインを演じて一躍スターになったシャロン・ストーンも、ニコール・キッドマンも、有名女優たちは軒並み出演を断ったというが、それは彼女たちが主人公のミシェルというキャラクターを客観視し、わかりやすいモラルや情緒を一切追求しないストーリーに拒否反応を覚えたからだろう。被害者であり加害者であり、罰当たりでもあり、倒錯者。確かにミシェルを理解するのは困難だ。

だが「役が私になる」と言い切るユペールは違う。暴力や悲劇がもたらす闇を次々と吹き飛ばすシュールでユーモアを効かせた物語に惹かれた時点で、彼女はすでにミシェルになっているのだから。

そしてこのミシェルも、もうユペールにとっては、言うなれば全うした存在。ハネケ監督の最新作『Happy End』を始め、アンヌ・フォンテーヌ監督(『夜明けの祈り』)の『Marvin(原題)』、ブノワ・ジャコやホン・サンス、ニール・ジョーダンと組んだ新作で、新しく“彼女になった”キャラクターの数々を見るのを楽しみに待ちたい。(文:冨永由紀/映画ライター)

『エル ELLE』は公開中。

冨永由紀(とみなが・ゆき)
幼少期を東京とパリで過ごし、日本の大学卒業後はパリに留学。毎日映画を見て過ごす。帰国後、映画雑誌編集部を経てフリーに。雑誌「婦人画報」「FLIX」、Web媒体などでレビュー、インタビューを執筆。好きな映画や俳優がしょっちゅう変わる浮気性。






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