『パコと魔法の絵本』舞台挨拶で、役所広司、妻夫木聡、土屋アンナらが登壇!

役所広司、妻夫木聡、土屋アンナをはじめとした豪華キャストも話題のファンタジー『パコと魔法の絵本』。9月13日に初日舞台挨拶が東京銀座の映画館で行われ、監督やキャストらが登壇し、作品の見どころや撮影裏話などを語った。

『下妻物語』『嫌われ松子の一生』などを監督し、斬新なビジュアルセンスに定評のある天才・中島哲也が作り上げた極彩色のミラクルワールドで、わがままなクソジジというこれまでにない役柄を演じた役所広司は、「セットに長期間籠もり、みなさんそれぞれ本当に気持ちの悪いメイクをした俳優さんたちと、楽しいおしゃべりをしたのが忘れられません(笑)。私も毎日メイクに3時間かかったので、一番早く、監督がまだお家で眠っている時間に撮影所に行って準備していました」と、撮影の思い出を語った。

ヒロインは、本作でデビューした11歳の新星アヤカ・ウィルソン。観賞後の興奮さめやらぬ観客たちに向かって、「いっぱい泣いて、いっぱい笑って、楽しんでいただけましたか?」と語りかけた後、「心が温かくなってくれたら本当に嬉しい」と話していた。撮影の思い出については、「全部が忘れられない思い出」としながらも、「監督が、素晴らしい作品を作るために、ず〜っと恐い顔でスタッフを怒鳴っていたことが忘れられません!」と天真爛漫な笑顔でコメント。今日は笑顔の中島監督からは、「トラウマになったってことですか(笑)?」と質問が飛び出していた。

大人になりきれない元有名子役というキャラクターを演じたのは妻夫木聡。「監督から、『恐く、可愛くお願いします』と言われて悩みながら演じました。凝ったセットでの撮影も大変で、5時間かけて撮ったシーンが、編集で1秒くらいにまとめられているのを見て、嬉しいような悲しいような気持ちでした(笑)。笑いあり涙ありで、中島さんのアイデアが詰め込まれた宝箱のような映画なので、1回といわず、2回、3回と見てくれれば嬉しい」と話していた。

今回で中島作品は3回目という土屋アンナは、「今回は看護婦役と聞い、『ヤッター! 今回は癒し役だ!!』と思ったら“悪魔の看護婦”で……(笑)。案の定キレまくりでした」と、理想と現実のギャップを語ってくれた。

神出鬼没の不思議なキャラを強烈なインパクトで演じた阿部サダヲは、撮影中に死にかけたというエピソードを披露。「池の中からタニシの格好をして飛び出すシーンの撮影のとき、一度死にかけました(笑)。浮いてきてしまうので重りを持たされて水中に沈んでいたのですが、スタートの声が聞こえず、ず〜っと水中で我慢していたんです。そして『死ぬ〜!』と思って出ていったのがあのシーンなんですけど、あそこまでいったのは初めて。良い経験ができました(笑)」。

加瀬亮にとっても阿部の演技は思い出深かったようで、「撮影のことを思い出すと、阿部さんのどアップの顔しか出てこない。全ての思い出をかき消してしまう残念な思い出です」とコメントしていた。

そしてもう1人の強烈なキャラが、小池栄子の演じた看護士。「あの役が私だと分からないという意見もあって……(笑)。監督からは、『ウゲゲゲゲ』という擬音語の使い方を厳しく指導され、擬音語の素晴らしさを初めて味わいながらお芝居しました」と語っていた。

消防車に轢かれた消防士を演じた劇団ひとりは、「昨日、母親から、『ポニョと魔法の絵本』を見るのが楽しみだと言われたのですが、年輩の方はゴッチャになるみたいなので気を付けていただき、いろんな方に見ていただきたい」とコメント。

本作で“人生初のおカマ役”を演じた國村隼だが、共演の山内圭哉によると、「待ち時間にカツラを外し、ちょっとブラジャーも見えたりしている状態で、社会情勢を熱く語っていたのが印象的」だったとか。

「2年くらいの月日をかけてやっと公開になったので、気持ちが高ぶっている」という中島監督。「素晴らしい俳優さんたちが、キャリアを台無しにしてしまいそうなほどのリスキーなメイクやギャグに応じてくれて感謝しています」と話していた。

そして最後に、とびきりキュートなアヤカちゃんが「人間は1人じゃない。必ず支えてくれる誰かがいると思える映画」と見どころをPR。そして、「ぜひこの映画を1人でも多くの人に見てもらって心が温かくなってもらえれば嬉しいです。そのためにも、みなさんぜひ宣伝をよろしくお願いします」とお願いしていた。

『パコと魔法の絵本』(9月13日より有楽座ほかにて全国公開)

(写真:左から中島哲也監督、國村隼、劇団ひとり、阿部サダヲ、妻夫木聡、役所広司、アヤカ・ウィルソン、土屋アンナ、加瀬亮、小池栄子、山内圭哉)