ハリウッドでは干され気味だがヨーロッパでは高評価、ジョニー・デップ激動の5年間を振り返る

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ジョニー・デップ
『MINAMATA–ミナマタ−』9月23日より公開
(C)Larry Horricks

アンバー・ハードとの離婚騒動から始まった「超現実的な5年間」

ジョニー・デップがイギリスの「サンデー・タイムズ」紙のインタビューに応え、アンバー・ハードとの離婚騒動から始まった「超現実的な5年間」について語った。

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2016年に当時の妻、アンバー・ハードが離婚を申請すると同時に家庭内暴力(DV)被害を訴えられたデップは、ハード側と互いの非を暴露し合う泥沼の戦いを繰り広げ、自身を「妻を殴る者(Wife Beater)と称したイギリスのタブロイド紙「The Sun」を名誉毀損で訴えて敗訴した。この敗訴により、『ファンタスティック・ビースト』シリーズからの降板、日本では9月公開の主演作『MINAMATA–ミナマタ−』のアメリカ公開は棚上げされた。

デップは「私がどんな目に遭ってきたかにせよ、私はそれをくぐり抜けた。でも、結局のところ、私の人生のこの特定のステージは、とても不条理なものだった」と振り返った。

デップは『MINAMATA–ミナマタ−』で1970年代に来日して熊本県水俣市に赴き、現地の人々を取材・撮影し、「ライフ」誌を通じて世界に発信した写真家W・ユージン・スミスを演じている。スミスはかつて従軍カメラマンとして沖縄で負傷した後遺症に苦しみ、アルコール依存症になっていた。

スミスの絶望に共感したかと聞かれたデップは「スミスを演じるのに、そういうアプローチはしなかった。とはいえ、自分の道具箱を持ってきて、使えるものを使うのだけど。経験したことを」と一度言葉を止めてから「超現実的な5年間を」と続けた。

アメリカで『MINAMATA〜』の公開が決まっていない現状について、デップは「人々の目を見て、我々は搾取者にはならないこと、映画は敬意を払うものになると約束した。僕は、我々はその約束を守ったと信じているが、後からやって来た人々も彼らの約束を守るべきだ」と後悔に消極的なアメリカの配給元MGMに苦言を呈した。さらに「人々の心を打つ映画がある。これ(『MINAMATA〜』)は水俣の人々や同じような経験を持つ人々にも」と言い、公開しない理由が「ハリウッドが僕をボイコットするためなのか? この数年間、不愉快でややこしい状況にいる1人の男、俳優のために?」と語った。

ハリウッドから距離を置かれているデップだが、ヨーロッパでは彼の功績を評価する傾向が見える。9月開催のスペインのサンセバスチャン国際映画祭は生涯功労賞にあたるドノスティア賞を贈ると発表、今月20日(現地時間)からチェコ共和国のカルロヴィヴァリ国際映画祭は「評価の高い俳優の広範なキャリアと世界の映画産業において長く続くレガシーに対して敬意を表する」と発表した。

一方で、サンセバスチャン国際映画祭の決定について、女性支援団体「Women’sAId」などから非難の声が上がった。DVの「加害者が祝福されること、彼らが成功を収めて世間に認められ続けることは、虐待が容認され、問題にならないことを示唆している」という主張に対して、映画祭側は「手元にあるデータによれば、ジョニー・デップはいかなる女性に対する暴行や暴力についても、逮捕、起訴、有罪判決を受けたことはありません」として、ドノスティア賞授与の決定は覆さない旨を発表している。