神を焼き尽くす悪魔の炎の匂い! 初期ブラック・メタルの闇を暴く『ロード・オブ・カオス』公開。真っ赤なカクテル「放火」「血祭り」も・・・

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ロード・オブ・カオス
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「見たらダメ」とのレビュー殺到の過激作!

ノルウェーに実在した初期ブラック・メタル・シーンの中核的なバンド、メイヘムの実話をベースに描いた映画『ロード・オブ・カオス』がいよいよ3月26日公開となる。しかし、メイヘムが放火や殺人など想像を絶する事件を起こしていた事実を目の当たりにした著名人たちからは、本作品を「衝撃的」「凄い」などと評価する一方で、メタルファンには「見てほしくない」「見たらダメ」とオススメしないコメントが殺到する事態となっている。

・『ロード・オブ・カオス』ジョナス・アカーランド監督インタビュー/若者たちの狂気によって生まれたブラック・メタルの軌跡

ロード・オブ・カオス

ミュージシャンの清春は、「内容、いろいろショッキングでした。 ファンじゃない人たちもそれを見て衝撃受けるようなストーリーがロックには必要不可欠なんだと再確認出来ました。改めて思いますが、僕らの生まれた国、ひたすら平和ですね」と感慨深げ。

世界的なヘヴィーメタルのギタリスト、マーティ・フリードマンは、「あまり見て欲しくないという気持ちもありますね。メタラーは危険だって誤解されるかもしれないから」と心配するほど。

若者に絶大な人気を誇るバンド、クリープハイプの尾崎世界観も、「ファンには絶対に勧められない。見たらダメだ。でも、死ぬ前に思い出すのはこういう映画なのかもしれない。あー、自分たちが何の変哲もない普通のバンドで良かった!」と安堵(?)のコメント。

BABYMETALのプロデューサー、KOBAMETALも、「結論から申し上げると、この映画は見てはいけない。あまりにも生々しくて、感じるはずのない“匂い”が感じられるのだ。この映画のおかげで、知るはずのない匂いの記憶まで感じられてしまうことが、あまりにも恐ろしい。神を焼き尽くす悪魔の炎の匂い。そして、赤く染まった鋼鉄の刃の匂い。もちろん見たい方を引き留めるつもりはないが、行きの切符と同時に帰りの切符も必ず手に入れておくことをお勧めする。片道切符では生贄にされてしまうぞ。みなさんお気を付けて」と、メタルファンの身の安全(?)を心配する声も寄せられた。

今だから実感できる、現実感のないままに暴走する独善的な正義感

一方、日本のブラック・メタルバンド、SIGHの川嶋未来のように「そもそも教会を焼き払い、それを吹聴し、それで逮捕もされないなんてあり得るだろうか? ヘヴィメタル特有のギミックではないのか? そのくらい現実離れしていたのだ」と、メイヘムの所業に驚嘆するならば、暴走する若者たちの人間ドラマとして自分事に捉えることができるだろう。狂信的な若者がカルト化する例は、かつてのノルウェーで起こった特別な出来事だとばかり言えるのだろうか?

音楽ライターの増田勇一は、「想像を絶する事実に基づいた、狂気の物語。しかもその登場人物たちは、あくまで自分たちの価値観や美意識に忠実に、正気を保っているつもりでいる。 ブラック・メタルを邪悪なものと決めつけていると、彼らの言動は、実は純真さゆえだと気付かされる」と、この物語を見て切ない気持ちになる訳を分析してみせた。

また、地下アイドルユニットであるベッド・インの益子寺かおりは、「あゝ無情。こんなに切なくて残酷な青春映画、かつてない! 悪名高いメイヘムの逸話には、ピュアで繊細な少年たちの人間ドラマがあった。ピュアさゆえの狂気、若さゆえの過ち。きっと誰の心の中にもメイヘムは潜んでいる」と、作品に通底する普遍性を衝く。

映画・音楽ジャーナリストの宇野維正も、「気がついたら仲間に紛れ込んでいる、マジでイカれたヤツ。 冗談が冗談ではなくなる、ポイント・オブ・ノー・リターン。 集団心理のメカニズムとその愚かさをシャープに描いた、“実話ベースの音楽映画”の枠に収まらない震撼の1本。アメリカでも日本でも、同じような風景を最近見たばかりだ」と、この作品が今公開される意味を説いた。

メタルバーで邪悪な赤いカクテルでも堪能しようぜ

折しも緊急事態宣言が解除。本作品の公開に合わせ、日頃からメタルファンが集う名物店舗の数々が、オリジナルメニューを提供することがわかったので、一部を紹介する。

ロード・オブ・カオス

世界中からのメタルファンが知るメタルバー GODZ(東京・新宿・歌舞伎町)では、香り高い漆黒酒に着火するカクテル「放火」が本作の半券提示で1杯サービスに。

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また、BAR PSY(歌舞伎町)では、その名も「血祭」の激辛レッドアイを販売。

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FROM DUSK TILL DAWN Shinjuku(歌舞伎町)では、ブラック・メタルの実(という名のブルーベリー)が入った、ウォッカベースのショットを販売。

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Rock Inn DICE(東京・新宿・百人町)では、メイヘムの代表曲にして本作品のエンディングを飾る曲をイメージした、凍える月のようなカクテル「Freezing Moon」がメニュー入り。

また、本映画の原作本「ロード・オブ・カオス 復刊ブラック・メタルの血塗られた歴史」も3月24日より全国の書店で発売。タワーレコード新宿店では、映画の招待券が当たる抽選キャンペーンや、映画のパネル展示も行われる。