『空から降る一億の星〈韓国版〉』
ミステリアスな青年をめぐる過去の因縁、真実とは?
北川悦吏子による原作・脚本の同名の日本ドラマをリメイク。原作の良さを活かしつつ、登場人物の設定から衝撃的な結末まで韓国の世相に合わせてローカライズされた。
・ソ・イングクが『君に泳げ!』で来日。舞台挨拶でファンに感謝!
妹ユ・ジンガン(チョン・ソミン)と暮らす刑事ユ・ジングク(パク・ソンウン)は偶然出会ったキム・ムヨン(ソ・イングク)がある死亡事故に関わっていることを突き止める。一方、ジンガンは親友の恋人となったムヨンのことが気になり…。
プレッシャーをはねのけてムヨン役を熱演!
日本の大ヒットドラマのリメイクということでかなりのプレッシャーに苛まれ、出演オファーにもすぐには快諾できなかったソ・イングク。結局、かつての出演作『ナイショの恋していいですか!?』のプロデューサーの熱烈な口説きにより、ムヨン役を承諾するに至ったという。コミカルな役を演じることの多かったイングクにとって、冷酷なことをサラリと言ったかと思えば、次の瞬間不意打ちの優しさを見せるムヨンという青年は非常に難しい役どころ。大胆な行動と繊細な気配りで女心を翻弄するムヨンに、女性たちは全員ノックアウトされるのではないかとさえ思える。天使か悪魔か――。そんな何を考えているか分からない魔性の男をイングクが見事に演じている。
また、今年でデビュー10周年のチョン・ソミンが、ジンガンの邪念のない愛を表現しており、ムヨンとの化学反応も注目したい。親友を心配して説教をするつもりでムヨンに話をしに行っても、ジッと見つめられ、彼のペースに巻き込まれる。彼の魅力にどっぷりハマってしまうのは、時間の問題だろうとハラハラさせられる。
ソ・イングクの美しいキス&眼差し演技に脱帽
このドラマの最大の見どころは、“キス職人”の異名を持つソ・イングクのキスシーンと眼差し演技。キスシーンはごく自然な流れで行われ、付き合っているわけでもない女性の目をジッと見つめる演技は、その場の空気を変えてしまうほど。人の心をすべて見透かしているような表情、気遣いの欠片もないストレートな言葉、孤独な生い立ちと刹那的な生き方ゆえの言動にドキリとさせられる。そんなある意味虚勢を張って生きてきた彼が、ジンガンとの出会いで少しずつ人間味を増していく様子に涙をそそられる。
2009年にオーディション番組「スーパースターK」で優勝し、歌手として華々しくデビューしたソ・イングク。番組出演時には少しぽっちゃり目で野暮ったさが抜け切れていなかったものの、本作でこんなにもかっこいい姿を見せてくれたのには驚かされた。
2002年に放送された日本のドラマとは、セリフ、演出ともところどころ同じ箇所が多いため、見ていた人なら当時を懐かしく思い出せるはず。ハッピーエンドの多い韓国ドラマにおいて、どのような結末になるのかも気になるところだ。(文:渡邉啓子/ライター)
『空から降る一億の星〈韓国版〉』
フジテレビ:月曜日 深夜放送中
DVD-BOX1&2 各15,000円+税/Blu-rayBOX1&2 各15,000円+税
レンタルは全8巻(全16話)
発売・販売元:ポニーキャニオン
(C)Studio Dragon Corporation/Fuji Television, all rights reserved.
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