黒沢清が「答えはない」と語るオーストラリア無差別銃乱射事件の犯人の素顔とは?

#オーストラリア#ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ#ニトラム/NITRAM#小島秀夫#金原瑞人#黒沢清

『ニトラム/NITRAM』
(C) 2021 Good Thing Productions Company Pty Ltd, Filmfest Limited
『ニトラム/NITRAM』
『ニトラム/NITRAM』
『ニトラム/NITRAM』
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『ニトラム/NITRAM』
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『ニトラム/NITRAM』
『ニトラム/NITRAM』
『ニトラム/NITRAM』

1996年にオーストラリア、タスマニア島の観光地ポート・アーサーで起きた無差別銃乱射事件「ポート・アーサー事件」を初めて映画化した『ニトラム/NITRAM』より、場面写真15点が解禁された。あわせて本作を鑑賞した識者よりコメントが到着した。

・映画『ニトラム/NITRAM』解禁された場面写真、他14点はこちら!

徹底的な役作り敢行…主演ケイレブ・ランドリー・ジョーンズに絶賛の嵐

本作は、何より「普通」の人生を求めていた20代半ばの青年が、いかにして同国史上最多の被害者を出した銃乱射事件の犯人となったのか。彼が、なぜ銃を求め、いかに入手し、犯行に至ったのか。事件当日に至るまでの犯人の<日常>と<生活>を描き出し、その不可解な半生を破格の臨場感と緊張感で描き出す。

今回、犯人“ニトラム”を演じた主演ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの様々な表情を切り取った場面写真15枚を一挙解禁。

ケイレブは出演にあたって、ジャスティン・カーゼル監督の指導のもと、90年代当時のオーストラリアの映画やTV、音楽を膨大に視聴し、オーストラリア訛りの英語を口の動きから習得、さらに体重も数10キロ増量するなど、徹底的な役作りに励んだという。

各国メディアでも「ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技が凄すぎる。賞をいくつ与えても足りないくらいだ。」(RAI/イタリア)、「これほどまでに繊細なニュアンスと絶妙なグラデーションに富んだ殺人犯がかつて映画に存在したことがあっただろうか。ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技に完全に打ちのめされた」(NME/イギリス)など、惜しみない賛辞が送られ、カンヌ国際映画祭、シッチェス・カタロニア映画祭、オーストラリア・アカデミー賞などで主演男優賞を受賞している。

本作を鑑賞した黒沢清監督が「あらゆる愛情を踏みにじるこの男が、世界のどこかに実在していたと考えるだけで嫌になる。いったいどうすればよかったのか。答えはない。実に過酷な映画体験だった」とコメントすれば、ゲームクリエイターの小島秀夫は「監督のジャスティ・カーゼルは『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』以上に大口径な写実を、主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズは『アンチヴァイラル』の時よりも 破滅的な暴発感をもたらした! ニトラムを無差別銃乱射事件へと駆り立てたものは何だったのか? この映画の”装填”が完璧であればある程、犯行の爆発は現実の銃社会に覆い隠されてしまう」と述べている。

また翻訳家の金原瑞人は「事件とは何か、社会とは何か、狂気とは何か、人間とは何か。ニュース報道では絶対にわからない、映画でしか捉えられない“現実”がここにはある」と語っている。

『ニトラム/NITRAM』は3月25日より全国公開。

 

[訂正のお知らせ]

本文中、黒沢清監督、小島秀夫氏、金原瑞人氏の掲載コメントに誤りがありましたので訂正しました。